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Anatomy of N  作者:
story.1
6/60

Ep.5

puppy with A puppy

ルークと食事をした数日後、珍しくジャックくんからメールが届いていた。

ロクな事じゃない予感しかしないが中身は気になるので開く事にする。



<To : 先生

From : ジャック

件名 : 犬



先生って犬好き??>



…それだけ??

彼は知的好奇心を埋める為だけにメールしてきたのか??


そんな訳ないか。

とりあえず返事してあげよう、内容は相変わらず分からないけど。



<To : ジャックくん

From : ネムリ

件名 : Re.犬



犬は割と好きだよ、特に小型犬。

一体どういう用件で送ってきたの??>



個人的に1番好きな動物はモルモットだけど。

基本嫌いな動物はいない。


これは犬でも解剖しろと言われるのか??

あまりそういう事はしたくないのだけど。

あくまで人が専門だしね。


色々な方向に思想を巡らせていると返信を待っていたのか彼からすぐに返事が来た。



<To : 先生

From : ジャック

件名 : Re.Re.犬



良かった、今から行くからドア開けてね>



今から…今から??

いや、今深夜1時だよね??


私達の仕事で起きてるのはおかしくないけどこの時間に来る??

というか良かったとは。


やっぱり犬の解剖??

それとも里親にでもさせられるのか??


疑問で頭が溢れそうになったと同時にインターフォンがなった。

まあ恐らくジャックくんだろう。


モニターにはダンボールを抱えたジャックくんが映っていた。

なぜ焦った顔なのだろうか。



「こんな時間にどうした…」


「先生!!治療って出来たりする!?」



ドアを開けるなり食い気味に質問をされた。

しかも想像の斜め上の。



「え、え、ちょっと待ってくれ…どういう事??」


「あー…さすがに俺説明不足すぎたよね」


「うん、とても」



ソファに座ってもらい話を聞くことにした。

マグカップに注いだコーラを彼の前に置いてやるとありがとう、と言って一気に飲み干してしまった。


彼の話はこうだった。


作戦帰りにとあるビルで弱った子犬を見つけたそうだ。

そのままにするのも気が引けた為組織に持って帰ったが子犬は怪我をしていたのでドクターくんに治療を頼みに行ったらしい。


だけどドクターくんは犬が大の苦手で無理!!と足蹴にされたそうだ。

それで次に思いついたのが私だったらしい。


ダンボールの中の子犬を見せてもらうと致命傷では無いが確かに怪我をしていた。



「…先生、できる??」


「うーん…縫合と傷口の消毒くらいなら、できるかな」


「ほんとに!?」



これまた食い気味で目を輝かせて私を見つめてくる。

こういう目に私は弱いのだ、やめてもらいたい。



「まあ、ただ期待はしないで欲しい」


「お願いします!!」



ジャックくんからダンボールごと子犬を預かり解剖室に向かう。

後ろからちょこちょこ心配そうに着いてくるジャックくんが少し面白い。


縫合は普通にしたりもするので心配はないが私は普段遺体相手なので麻酔がない。

子犬には負担になりそうだ。



「麻酔がないから痛いかもしれないけど、頑張れ、すぐ終わらせるから」


「頑張れ…!!」



ジャックくんの応援を横から貰い小さな体にそっと糸を通していく。

子犬の呻き声が聞こえてかなり精神的に辛い。


ごめんな、と心の中で謝りながら早く終わらせてやる為にも夢中になって縫合を進めた。




「…終わった??」

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