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Anatomy of N  作者:
story.1
5/60

Ep.4

busy chAt

ルークに運転してもらい、着いたのは高級そうなしゃぶしゃぶ屋。

いわゆる裏組織と繋がりがある店なんだろう。



「私が忙しい事の心配してたけどジャックくんから聞いた話によればルークも忙しいんだよね??」


「まあこの仕事してて暇な時なんてないって」


「それはそうなんだけどね~昨日すぐ返事来たからビックリした、って話」



この間納体袋を引きずりながら部屋に入ってきたジャックくんを思い出す。

普段はルーク以外が持ってくる事は珍しくジャックくんもよく来るがあくまで付き添いだ。


彼直々に来なかったあたり本当に忙しいんだろうと思っていたがメールの返事はまるで分かっていたかのように早かった。



「丁度仕事終わりでパソコン見てたんだよ、それにさっき貰ったのが重要そうだったから」


「なるほどね、多分ドクターくん苦労するよ~」


「あいつ全然仕事しないし逆にいいんじゃない??」



彼の事はそこそこ知っているけどかなり非力で痛い事が嫌いなヤツだから戦闘は圧倒的に向いていない。


医学の知識だけはあるから仕事はそれくらいしかないのだろう。

銃の訓練は断ったって聞いたし。



「まあこの機会に仕事させるのがいいのかもね」


「だろ??アイツだけぜってー仕事の量違う」


「増えたら怪我人も同時に増えるけどね」



2人でドクターくんの事を話しながらクツクツ笑う。

この人との食事はたまに裏社会の事を忘れさせてくれる。


普通の生活すら知らないから一般人がどんな話で笑うかも知らないけど。

裏社会独特のブラックジョークで笑えるのは同業者だけだ。



「あ、忙しいなら片付け別に1人でやるけど」


「そう言って絶対お前片付けないだろ」


「今はだよ~予定が空いたらやる」



どうにか箱買いポテチを隠したい。

会話の端で入れれば避けれないか試してみる。



「言ったな??来月までに綺麗になってなかったら怒るからな」


「分かった分かった」



来月って言った。

言質は取った。


来月の初めに彼が来た時だけ綺麗にすればいいのだ。

なんて簡単なミッション。



「返事テキトーだな…」


「ドクターくんよりはマシよ」


「それはそう」



この場に居ないのにかなり貶されている。

可哀想に、日頃の行いだよ。



「会計してくるわ」


「はーい、戻ってきたら払うね」


「別にお前の分ぐらい払えるけど」


「私が納得いかないから払わせてくれ」



いくら仲が良くても彼の組織の人間ではないしそこはメリハリを付けておきたい。

ここは区切らないと何かあったらそれこそ命取りだ。


ルークの事を信頼していない訳では無いしØを裏切る予定がある訳でも無いがこの業界は何があるか分からない。



「払ってきた、これ領収書」


「ありがと~、はい私の分」


「ほんと律儀だな」


「だからこの業界で生き残ってんのよ」



その分生活は回ってないけど。

でも自分の事だから別に気にはならない。



「はいはい律儀なお姉さん、帰りますよ~」


「バカにされてますね~」


「ははっ、バレてら」



最近染め直したであろう金髪を追いかける。

店の光が反射して少し目が痛い。




「ねぇ、次はどこに食べに行く??」

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