Ep.2
quiet tAlk
<To : ルーク
From : ネムリ
件名 : 依頼完了
予定通り異常は無く解体した。
売れそうな部位が少なかったからお宅のわんちゃん躾しておいてね。
それと前回来てた依頼の遺体からチップが出てきた件、修復しておいたから回収に来て欲しい。
その時にでもご飯行こうよ。
来る時はメールよろしくね。>
誤字とかが無いか確認をして送信ボタンをそっと押した。
解体に手間取ってしまい、もう朝日が顔を出している。
こんな時間だし返信はきっと夜だ。
裏社会に住む人間は大抵夜に行動するし私も例外じゃない。
健康な生活とは随分前からおさらばしている。
今から寝れば起きるのはいつも通り13時ぐらい。
物騒な世界で生きているんだからちょっと多く寝ても許して欲しい。
「あー…寝よ寝よ、寝不足はお肌に悪いってね」
パソコンをいじる為に掛けていたメガネを外して自室がある4階に向かおうとした、向かえなかったけど。
理由は新着メールを知らせる為にパソコンくんが通知バーを出してしまったから。
こういう時は仕事しないで欲しい。
「もう…何??依頼なら明日送ってよ~」
嫌な顔をしながらメールを開封するとまさかの寝ていると予想したルークからだった。
<To : ネムリ
From : ルーク
件名 : Re.依頼完了
予定通り終わって良かった。
俺は色々と手が回ってないから拒否。
今日の20時に回収しに行くから服ちゃんと着替えとけ。
白衣で出てくんなよ。
前約束したしゃぶしゃぶ屋行こ。
あとジャックから聞いたけど部屋また散らかってんだって??
忙しいらしいけどこまめに掃除しないと。
飯食ったら片付けるの手伝うから掃除機出しといて。>
色々とあっちも大変なのか…。
まあØのボスってフラフラして掴めない人だし右腕も苦労してんのかな。
でもわんちゃん達はちゃんと躾してくれないとこっちも仕事にならないから次は遊びに来たわんちゃん達に直接言うか。
20時までに予定してた解体は終わるだろうか。
彼らの組織からの依頼じゃないからあまり見せることは出来ないし。
というかジャックくん…。
散らかしてる事は教えちゃいけないってば…。
定期的にルークは掃除を手伝ってくれるけどほんとに私のお母さんなのかと錯覚する。
それにメールの後半は全く裏社会の人間とは思えない。
怒られたくないから掃除機出してから寝よ…。
「てか掃除機物置の1番奥に閉まったんだった…」