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monologue.1
it hAs not begun yet
繁華街を抜けて裏路地を進んだ先にある廃れたビルの3階。
普通の人じゃ絶対に訪れないような場所に676の看板が揺れていた。
14時を過ぎた頃、部屋の持ち主が眠りから目覚める。
時計を見たのかため息が聞こえた。
カーテンが少し開き、部屋の電気が着く。
少しすれば珈琲の匂いがしてくる。
一緒に腹に入れるのはきっと今日も菓子パン。
その後お決まりのように背伸びをして解剖室へと向かうのだろう。
これは悪夢よりは甘く、童話よりは苦い物語。