手のひら彼女
今回で3作目の投稿となります、吉川です。
この作品は、評価が良ければ連載にするつもりです。
応援よろしくお願いします(__)
俺は、七瀬陽斗。○○高校の数学教師をしている。
教師とはいえ、生徒と年が近いため、もはや友達のような関係になっている。
「七瀬先生、ここ教えてくださーい。」
「七瀬先生、一緒に写真撮りましょうよー。」
「その服似合ってますね、七瀬先生。」
…お聞きの通り、(自分で言うのもなんだが)俺は女子生徒にかなりモテている。
しかし大きな声で言うと、アイツが拗ねてしまう。
「どうしたんですか、先生。」
「えっ、何、俺?」
俺ははっと我に返った。
目の前には、数人の女子生徒が、ぽかんとした顔で俺を見つめている。
相当長い間、ボーっとしていたらしい。
「あははっ、七瀬先生かわいーい。」
「七瀬先生ったら。」
笑われてしまった。
すると首筋のあたりに、小さな痛みが走る。
案の定、怒ったか。
「俺、帰りますね。」
「あ、七瀬先生。お疲れ様です。」
軽く先生方に会釈をし、俺は職員室を後にする。
時計を見る。8時。
早く帰らなくては。
俺は家路を急いだ。
電車で30分。教師の中では、かなり近い方である。
マンション5階の自分の部屋に入り、鍵をかける。
そして、自分の首筋に呼びかけた。
「もういいよ、出てきても」
すると、そこからぴょこんと小さなものが飛び出して来た。
そして、それはむくむくと膨らんで、1人の女性の姿になった。
女性は不満そうに腰に手を当てて、俺に言う。
「もう。また女のコにチヤホヤされてた。」
そう。この子は俺の彼女、美菜である。
しかも、普段は手のひらサイズで、俺の服の下に隠れているのだ。
そんな彼女が大きくなれるのは、夜の間だけ。
しかし・・・
「しょうがないじゃん。職場なんだし。」
「しょうがなくない。彼女もちなのに、あんなにほかの子と仲良くして。」
かなり嫉妬深い。何というか、わがままなのだ。
でもそれ以外は完璧で、付き合ったことにあまり後悔はしていない。
「まあまあ、落ち着いてよ。今は2人だけなんだから。」
「んー、そうだけど…」
美菜はつやのある髪をくるくるさせて、上目遣いで俺を見る。
やばい可愛い。俺は一旦美菜から目をそらす。
「…ま、いっか。晩御飯作るよ。」
その間に美菜はさっさと行ってしまった。
それにしても、変である。美菜と出会って1年、ずっと夢を見ているような気がするのだ。
現実で、普段小人の彼女などいるのだろうか?
そう思えてならないのだ。
「出来たよー。」
美菜の声。どんどん小さくなっていって・・・・・
目が覚めた。
朝だ。
首筋を見る。俺にくっついて、美菜が眠っていた。
「お前は、本当にお前なのか?」
俺は尋ねる。答えなど返ってくるはずがない。
そして・・・、俺と美菜の新しい1日が、また始まったのだ。
かなり中途半端なところで終わりましたが、どうでしたか?
「続きが気になる!」と思ってくれたそこのアナタ。
高評価お願いします!!!




