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前神先生シリーズ

前神先生!~もう1人の物語~

作者: 夜乃紅華

深い深い闇の中で、彼女が俺を選ぶのを待っていた


───────────────────










夜半、俺はふと目を覚ました。胸がざわざわして、とても嫌な予感がした。

自分でもよく分からないこの感情はなんだろう。


流が選ばれたんだ…そんな事、知りたくなかった。


俺は所詮流のスペア。先生は俺を選んでくれなかった。羨ましかったよ。嫉妬もした。だけど流は俺の親友だ。この気持ちは悟られる訳にはいかないんだ。


風で揺れる前髪、決して美しい訳では無い顔立ち。歳も離れているのに……分かっているのに、目が離せない。結婚しているのだろうか。


流とそういう関係になったということは独身なのか?それとも、不倫?

流は下の名前で呼ばれるのに俺は名字で呼ばれる。最初はそれで満足していた。


流が名前を呼ばれる度に苦しくなる。俺も名前で呼んで欲しい。


服がかすった。


物凄い快感が身体中を駆け巡った。




この人が、好きだと俺は痛感した。






一人になると考えてしまうんだ。もし、先生が俺を選んでくれていたら……と。


思春期の男子特有の行為も…………まあ、した。



高校2年生の夏、先生がエロかった。

下着が透けてた。黒板に文字を書く時に下着が見えてて赤面したのは秘密だ。

誰も気づいてない!……はずだ。




口癖は語尾につける「ねっ」だ。これはやばい。破壊力がありすぎる。



高校2年、冬。

流からカミングアウトされた。「前神先生と身体の関係がある」と。

頭が真っ白になった。薄々気づいていたけど本人から言われると辛かった。

妄想でしか許されない先生の裸体も流は見ているのかと考えたら叫び出したかった。逃げ出したかった。


次の日、大雨が降った。

先生は体調不良で休みだった。流も。


2日後、2人の首筋のキスマークには、気づきたくなかった。



俺は、先生に告白する勇気もないくせに嫉妬してる。流を妬んだりする資格なんかないのに!

自転車に乗って長い距離を走った。どうなっても良かった。凄く辛かった。




────────────────

数十年がたった。

もう忘れてもいい頃のはずなのに、あの頃のことは今でも鮮明に覚えている。


若い日の恋心。


今でも好きだと自信を持って言える。








先生……あいしています

この話が良いと思ってくださった方はポイントよろしくお願いいたします。m(*_ _)m

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