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12/29

決闘

投稿順間違えました。すみません。

「ふむ、両者とも準備万端な用じゃな」

 俺たちがしゃべっていると、白髭の老人が歩いて来る。この人が賢者グレゴールだろうか。穏やかな笑みを浮かべているがその眼光は鋭い。例えて言うなら突然殴り掛かっても軽くいなされそうな雰囲気をたたえていた。

「はい」

 俺たちは口々に頷く。さらに賢者の後ろから派手なジャケットで着飾った仮面の男が出てくる。何なんだこいつは。


「それではみなさん、競技場へどうぞ!」

 芝居がかった口調と動作で俺たちを案内する。この人は司会者的な人か。俺たちは仮面男に続いてぞろぞろと歩いていく。控室から競技場の中に出ると急にぱっと視界が開けて壮観だった。

 しかしすり鉢の底で周りを観衆に包囲されているかのような光景に俺は柄にもなく緊張してくる。多分マルタ村の全村人を合わせてもこんなにいないだろう、というぐらいの観客が俺たちを見つめている。一方のバリスとユーリは慣れているのか、落ち着いた者であった。あ、イリアは緊張でガチガチになってるぜ。


「レディース&ジェントルマン! 本日はようこそバザール競技場へ! 今回の決闘は誇り高きバザールの魔術師、ブラックロータス!」

 相手の二人が両手をあげると万雷の拍手が注がれる。

「相手はミステリアスなニューカマー、深緑の双葉!」

 仕方なく俺とイリアも両手を挙げる。気持ちこちらへの拍手の方が大きい気がする。というか耳が痛い。


「それでは早速、競技の説明をしましょう!」

 仮面男は事前の説明と同じような内容を観衆に説明していく。強いて言えば、問題を解いている二人はグレゴールの魔法で五感を他者とシャットアウトされ、俺たちや観客は魔導スクリーンに映された試験問題を見ることが出来るというのが初耳だった。よく分からないがグレゴールさんも大変だな。

 そしてユーリとイリアはテスト問題が置かれたテーブルの前に腰かける。


「それではレディゴー!」

 仮面男の声とともに二人の姿を黒い結界のようなものが覆う。そして競技場の地面に試験問題が魔法で映写される。もはや俺も原理は分からないが無駄にハイテクだ。ちなみに問題は何を言っているのかさっぱりだった。魔術の理論なんて何も知らないからな、俺。

 そして三十分ほど後。


「終了―!」

 仮面男の叫びとともに二人を覆う結界が解かれる。現れた二人はどちらも不敵な笑みを浮かべている。よほど自信があるのだろうか。グレゴールが二人の前に置かれた問題用紙をとり、控室にさっていく。

 そして十分ほど後、グレゴールは戻って来た。

「それではお待ちかね、第一戦、ユーリVSイリアの結果発表です!さあ果たして勝者はどちらだー!?」

「両者満点、引き分けとする!」

 満員の競技場の中にグレゴールの声が響き渡る。その結果に観衆はざわめき、イリアとユーリは思わず顔を見合わせた。そして。

「……なかなかやるじゃない、学園一の秀才と言われたこの私と互角だなんて」

「そっちこそ、ブラックロータスの辞書と呼ばれたこの私に並ぶなんて」

 激闘を乗り越えてなんかちょっとだけ仲良くなっていた。


「さああ! 思いもよらぬ結果だー! そして勝負は第二戦にもつれ込むぞー!」

「ロアン、後は任せた」

「バリス、我らの実力を見せてやりましょう」

 お互いが後を託して第二戦が始まろうとしている。うーん、イリアが勝っていれば負けても一勝一敗になるし、負けてたら俺のハードルが下がるからどっちでも良かったんだが引き分けになると最高にハードル上がるんだが……胃が痛い。

 しかもなんかそこら中で「あいつらなかなかやるぞ」「二戦目の魔術師もきっとかなりすごいに違いない」などとささやき合っている。やめてくれえ。

ミスのせいで書き溜め二回分消費してしまいました><

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― 新着の感想 ―
[気になる点] これは「決闘」の改稿内容を「試合」に上書きしていますね... 同じ話がつづいているぞい!と思ったら先の話の「試合」の方が加筆されてた。
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