団欒
セレンとメーテルについていくと、一軒の家に着いた。その中には、4人の男女がちょうど食事をいているところだった。
「あれ?副隊長、早いっすね。」
「あぁ、例の子が見つかったんでな、戻ってきた。入れ。」
「初めまして、ファウルスです。」
「聞いてたのと全然違うじゃねぇか。もっとやんちゃなイメージだったんだけど。」
無精ひげを生やした男がスプーンを咥えながら話しかけてくる。
「まぁ、いいや。こっちきて食うか?」
案内されるまま席について、食事を始める。メーテルとセレンは外へ出ていった。
「ところでセレンが課題だったんだろ?お前も大変だったな。こいつ喧嘩っ早いから苦労しただろ。」
「えっと……。」
「ちょっと、ギア。困ってるじゃない。まずは、自己紹介でもしたら?私はシオン、よろしくね。」
「わりぃわりぃ、俺の名はギアだ。兄貴って呼んでくれてもいいぜ。」
「わしはゴウラじゃ。よろしくの。」
「……。」
「こっちの不愛想なのがゲンゾーよ。少しは挨拶くらいしなさい。」
「……ゲンゾーだ。」
「もう!普段からこんな感じだから気にしないで。」
「がはは、昔からこやつはこうじゃけん。主は剣を使うのか?」
「あぁ、カイナは剣を教えてくれる人を紹介してくれると言っていたんだが。」
「なら、ガイアかゲンゾーじゃな。わしの神具は斧じゃし。」
「そうね。ゲンゾーあんた教えてあげれば?」
「断る。」
「こういう時は返事するのね。まぁ、ガイアの方がいいわね。でもあいつ、どこにいるかわからないし。」
「どうせ、どっかで昼寝でもしてんだろ。そのうち、ふらふらっと……。」
入り口の扉が開き、背の高い青年が入ってくる。
「ほら、噂をすれば。」
「ん?俺の話でもしてたのか?」
「ガイア、新しい子よ。カイナから剣の使い方を教えてあげて欲しいって。」
「ん?俺より、ゲンゾーの方が強いだろ。なぁ、ゲンゾー。」
「俺は断る。お前に任せた。」
「はいはい、そう言うと思ったよ。わかったいいぜ。飯食ってからな。腹減っちまった。シオン、飯。」
食事を終えると広場に向かった。ガイアは木刀を二本持ち、一本を手渡した。
「よしっ!腹ごしらえも済んだし、食後の運動だ。まずは実力を見たい。かかってこいよ。」
ガイアは手招きをする。