Prolog「Diary 2047.3.28」
2047年3月28日 (木) 天気:雨
多分、この日記を書くのは、今日が最後…いや、最期だ。
今日は、私の18歳の誕生日。
先輩が自費から捻出して購入したショートケーキの上には、《Happy 18th Birthday Kurono》と書かれたホワイトチョコの板看板。店の人に頼んで、わざわざ書いて貰ったらしい。
他にも、テーブルの上に並べられた料理は、全部先輩が作ってくれたそうだ。
この《18th》の看板を見るのは、もう12回目だ。
…え、意味が分からない?
いや、私はれっきとした18歳のJKだよ?
今の若者の流行に乗った18歳のJKだよ?
12回目の、18歳の誕生日、ってことだよ?
本当の年齢は、18歳でも12歳でもないけど。
私は生涯が辛かった。
私の《眼》に宿る力が、私を苦しめていた。
努力を怠る事を、私の身体に染み込ませていた。
だけど、そんな時、仲間が手を差し伸べてくれた。
私がズルしていても、それは正当だって。
自分のやり方で生きていて良いって。
私の存在は、罪じゃないって。
そうだ、これを読んでいるあなたに、仲間を紹介しよう。
私の仲間---異能力眼組織《MEI》の活躍を。