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外に出ると途端に肌寒い空気が体中にまとわりつきぶるりと体を震わせた。
此処は北東の国ミラのなかでもに最北端に位置する街、ガイナス。季節は春でも気温は全体的に低く空気もかさついてる。
まだ朝方なので人気は少なく、時折子供の集団とすれ違う。学校に行く途中なのだろう。お揃いの帽子にお揃いの鞄を提げて皆笑顔でわいわいと騒いでいる。リコはふと同じ頃の自分が何をしていたか思い返した。ボロ切れ同然の衣服は皆お揃いで、それでも笑顔だけは目の前の子供達にも負けなかった。貧乏で行く宛もない生活を続けながらもそこには確かな幸せがあった。そんな生活もある日土足で踏みにじられた。
そして数年の後、リコは一人になっていた。昔と違うのは今は力がある。途方もない程の力だ。たとえ魔族の群れに囲まれ、襲われようが一人で切り抜けられる。
だが人の温もりというのは強さよりも今欲するものであるのもまた事実なのだ。
リコがアイサに拾われたのはまた幸運だった。なにぶんその欲求が少しとはいえ満たされたのだから。
だがまだ彼女を信用するには互いに隠し事が多い故に無理な話だ。少々のやりとりだけだったがそれだけで彼女の心の内の心理は見え隠れしていた。
思慮に耽る内にダンジョンの塔がその存在感をより大きなものにしていた。人気は最早一切なくなっている。ダンジョンの周辺は不気味がって近寄る人間が少ないこともあるが、下手に近辺をうろつき聖騎士団に不当な疑いを掛けられることすらあるからだ。ダンジョンの周囲数百メートルは立ち入りを禁じられていて正規の道以外は聖騎士団がまともな整備をしていない所為もあって木々は立ち並び、雑草は伸び放題となっていて進むのが面倒なことになっている。
「ったく、聖騎士って名乗んならもうちょっと綺麗にしといて欲しいもんだよっと」
愚痴をこぼしながらもリコは生い茂る枝を掻き分けてダンジョンに向かう。正規の道を通らない以上、仕方のないことではあったが行く手を阻む森には苛立ちを隠せないでいた。
すると目標まで距離数百メートルまで近付いたところで様子の可笑しいことに気付かされる。
巡回の人間がまるでいないのだ。朝方とはいえ普通見張りというものは交代制で行われる以上、リコは聖騎士団の見張りをかいくぐっていくつもりでいたが聖騎士団の団員の姿形どころか気配すらない。
違和感は二つの疑問を生み出した。
『もし自分より先に誰かがこの地を訪れたとしたら?』
『その誰かが自分と同じような立場の人間だとしたら?』
疑問は次の瞬間、確信へと変わった。
ある地点を境に強烈な臭いがリコの鼻孔を刺した。不快感の残る鉄の臭い、紛れもなく血臭のそれだ。
途端にリコは地を強く蹴った。一気に加速すると推進力にものを言わせ、目標との距離を急激に縮める。生い茂る草木が行く手を邪魔したが力任せになぎ払い先を急いだ。
ダンジョンの手前まで来ると途端に視界が開けてより血の臭いが濃くなる。切り揃えられた雑草は朱に染まり、その上に倒れ伏すプレートメイルの男が三人。見間違える筈もなく聖騎士団の者達だ。どろりと濁った瞳からは既に生気が失せていて生死の確認をするまでもなかった。
死体の先には長身の男が佇んでいた。
身長は一八〇程度か。純白のハーフコートに赤毛の頭にはボーラーハット。黒の手袋に赤のスカーフといった出で立ちのまるで紳士を絵に描いたような男だ。
やがて男は此方に気付くと柔和な笑いを浮かべる。
まだ若く二十代前半ぐらいであろう。人当たりの良さそうな笑顔にリコは警戒を緩めそうになった。
「おやおや、朝早くにこんなところに何の用かな坊や?ここは危ないから早くお家にお帰り」
「あんた冒険者か?」
物怖じしないリコに男は関心するように目を見開き、顎に手を当てて答えた。
「ふむ冒険者か……半分正解だが半分は不正解かな?」
「じゃあこれをやったのはあんたか?」
「あぁこれね。私の邪魔をするものだからついね」
「あんた、此処に来るまでに聖騎士を何人殺してきた?」
やれやれと男は首を緩く振った。
「質問の多い坊やだ。そんなに君も死にたいのかい?」
男から殺気が放たれると同時にリコは男を敵と認識し地を蹴っていた。瞬時に間合いを詰め右の掌打を繰り出す。
「ほぉ、速いね」
男はそれを楽々と弾くと同時に胸に衝撃が走る。胸に男の拳がめり込みリコはたまらず後退する。激痛に息が詰まりそうになりながらもリコは男の方を見ると男は余裕ぶった様子で両手を広げていた。
「成る程、そこに転がっている木偶よりは期待出来そうだ」
「油断してると痛い目見るよ!」
一つ大きく息を吐き、リコは再度地を蹴った。全力で距離を詰め、踏み込んだ足を軸に回し蹴りを放つ。しかし、男はそれを首だけの動きでかわす。
「ははっ、残念」
「まだだ!」
すかさず軸足を変えると全体重を乗せた拳を男に繰り出す。
リコの拳は見事男の頬を打ち抜き、男はぐるりと独楽のように回りながら吹き飛び背後の木に叩きつけられる。
勝利の雄叫びを叫びかけたが、男は即座に体勢を立て直し、リコに視線を合わす。
手応えは確かにあった筈だったが、男は大して応えた風もないようにコートの胸ポケットからハンカチを取り出すと、口から垂れた血を丁寧に拭き取った。
「油断してたとはいえ一発貰うとは思わなかったよ……君、名前は?」
「……リコ」
「リコ……リコ君か。君もダンジョン攻略に?」
リコは押し黙ったまま頷く。すると男は帽子を押さえてクククと喉の奥で笑いを漏らした。
「そうなるとまたいずれ出会うことになるだろうねぇ」
「まだ決着は着いてないだろ?」
「あぁ。そうしたいのは山々なんだが邪魔が入ったようだ」
うんざりとした様子で男は顎をしゃくって見せた。振り返ると一本道を聖騎士の一隊が向かってくるのが見えた。
「そういうわけだ。私はこれで失礼させてもらうよ」
「あんた、一体何者だ?」
「私か?そうだな……いずれ世界を統べる者、とでも言っておこうか」
そう言い残すと男は踵を返してダンジョンの中に消えていった。
間もなくして聖騎士団が到着。瞬く間にリコを取り囲んだ。
「動くな!聖騎士団だ!」
聖騎士の一人が一歩前に出ると警告する。
リコは周囲をぐるりと見渡した。
倒れ伏す同僚に気を配りながらも此方にへの警戒を緩めずいつでも腰に提げた剣を抜けるように常に鞘に手を掛けている。
一瞬、眉間に皺を寄せ、確かな嫌悪感が胸を渦巻いた。
――――大したことはない。蹴散らして逃げてしまおうか。
左手に魔力の奔流を感じる。聖騎士団を今敵に回すのは良しとはしないが、だからと言って向こうのされるがままになるのも癪な話だ。
リコは暫く考えると、やがて息を短く吐いて両手を頭の後ろに回した。
その後、リコは両手を拘束され馬車に乗せられると、長い時間を掛けて聖騎士団の支部まで連行された。取調室に入れられた後にはうんざりする程の質問責めが待っていた。
『何故あそこにいた?』
『あそこが立ち入り禁止なのは知らなかったのか?』
『うちの仲間を殺ったのはお前か?』
『見ない顔だな。此処等の人間じゃないのか?』
『あの男とはどういった関係だ?仲間か?』
リコはか弱いそこらにいそうな少年を演じきって目の前の聖騎士に応じた。聖騎士の剣幕に今にも泣き出しそうな表情を装って、声を震わせ、一つ一つ良く出来た嘘で聖騎士の質問を答えていく。
『買い物に隣町から来た所、一緒に連れて来たペットの犬が逃げてしまって、立ち入り禁止区域に入るのを見てしまい立ち入り禁止とわかっていながらも犬を探しに入り込んだらあの男と出会い、襲われたところに聖騎士団が駆けつけてくれて助かった』
要約するとこんなところだが、尋問官の男は納得いかないようにスチール製のデスクを叩いた。
狭苦しい取調室にけたたましい衝撃音が響く。
「ひぃっ!」
短い悲鳴をあげてみせ、リコは椅子ごと退く。
「ふざけるな!ならお前が奴と一緒にいたのは偶然だというのか!?」
男は顔を真っ赤にしてリコを怒鳴りつけた。実際のところそうなのだからリコにとってはどう弁解することは出来ない。
すると、取調室のドアが開き一人の男が入ると尋問官の男は立ち上がると敬礼を交わす。
「御苦労様ですグラン騎士団長!」
「うむ御苦労。現場を調べた結果が出てな。それを伝えにきた」
グランは立てかけてある椅子を出すとリコと尋問官の間に腰掛ける。
「さて本題に入る前にトチオ。こんな子供にあんなに怒鳴る必要はないだろう?」
「はっ!しかし、グラン殿、こいつは奴との共犯者という可能性もありまして……」
「良くない!」
グランの一括で尋問官の男、トチオは有無を言わせずに黙らされた。
グランは立ち振る舞いを質すとトチオに戒めの眼光を飛ばす。
「君は尋問官という職務のあまり聖騎士団の本質を見失っていないかね?」
「っ!申し訳ありません」
すぐに気付かされたのかトチオは深々と頭を下げた。
「私は悲しいよ。聖騎士団足るもの市民の安全こそ最優先とすべきだというのに……何だこれは?聞けば先刻はこの少年を大勢で取り囲んだ上で拘束して此処まで連行したらしいではないか?」
「……その通りです」
「部下の死を前に狼狽したこともあったのだろう。だが相手は丸腰の子供だ。武器を持った大人達がそのような行いは聖騎士団の信用を著しく落とすことになる。気をつけたまえ」
男は深々と頷くと取調室を後にさせられた。グランは溜め息を一つ吐き出して気持ちを切り替えるとリコと向き合うような形に椅子を傾けた。
「さて、部下が迷惑をかけてしまったな。すまなかった」
「いえそんな……元々は僕があそこに入ったのが悪かったことですから。怒鳴られるのも当たり前ですよ」
リコはあくまでもか弱い少年のままグランに応対する。
「ふむ、そうだったな。君は犬を探しておったのだったな」
「えっ?あっ、はい。そうなんです」
「名前と特徴を教えなさい。聖騎士団が総力を以て探す事を約束しよう」
リコは思わず呆気に取られてしまった。リコにとっての聖騎士団とは先程の尋問官のような人間しか見てきて来なかっただけにグランのような男は聖騎士の中では初めて出会う人種だった。
存在しない犬の名前と特徴を教えると漸く話は本筋へと戻った。
「遺体の傷に付いた魔力痕を調べた結果、アレをやったのは全てあの男だということがわかったよ。奴の名はロメオ・スプラット。近頃ダンジョンを無断で攻略し回ってる男だ。まぁ最早君とは関わり合いになることはないだろうがな」
「ロメオ・スプラット……」
胡散臭い紳士を絵に描いたような男だった。それと同時にとてつもない強さを持っていた。ダンジョンを攻略しているということは幾つかの魔王のコレクションも所持しているのだろう。
「こんなところまで連れてきてすまなかったな。送りに馬車を出そう。二度とあんなところに入ってはいけないぞ」
最後にしっかりと釘を刺してとても退屈な取調は漸く終わりを迎える。帰る間際適当な検査をされリコは釈放された。
馬車に乗せられアイサの家に帰ることとなった。振り返ると町外れに建つ聖騎士団の支部がまだでかでかと視界に映し出される。まるで城塞のように聳え立つそれは力の誇示と同時に必要以上の堅牢さは、何かを恐れているようにも見て取れた。
どちらにしても魔王のコレクションを持つリコにとっては二度と行きたくない所である。
馬車の運転手は別段聖騎士団の所属といったわけでもなく、リコの事情は詳しく知らないようだった。
だいぶ歳を食った男だったが、馬を操る手腕は見事なものである。
「そんな歳で聖騎士団にお世話になるたぁ坊主いったい何やらかしたんだァ?」
鼻歌混じりにば馬主の男は陽気に話しかけてきた。
「ん?ちょっとダンジョンの周りを彷徨いてたら見つかっちゃってね」
か弱い少年を演じるのはそろそろうんざりしていたリコは素に戻って運転手の男の問いに応じる。
馬主は半分驚いたように目を白黒させてリコを見た。
「まさかお前さんダンジョン攻略しようってのか?」
「あ~……違う違う。ちょっと私用で入り込んだだけ」
あくまでも本当の目的は話さないように心掛けた。すると馬主はホッと一息ついて、馬の操作に気を戻す。
「あんなところ近付いたらいけねえぞ。あそこに入って帰ってこねえ奴がもう三百を超えてんだ。間違って入っちまったらそれこそお前さんみたいな子供は即御陀仏さ」
成る程ね、と答えてリコは背もたれに背を預けてこれからの計画を頭の中に浮かべ始めた。一番の障害は間違いなくあの男、ロメオ・スプラットだろう。一度立ち合っただけでその強さは充分にわかった。それに加え魔王のコレクションの力も未知数である以上、迂闊に闘うことだけは避けたいところだ。
そこで一つ情報収集の一環としてリコは身を乗り出して馬主に話し掛けた。
「ねぇおじさん。ロメオ・スプラットっていう犯罪者知ってる?」
「あぁ知ってるさ。あの犯罪者だろう?強盗、強襲、殺人、やりたい放題な野郎さ。それに加え不思議な力を使うらしくて聖騎士団も手に負えねえんだとさ」
「その不思議な力って?」
「ん?ちょっと聞いた話だがな強盗に遭った店の従業員は皆殺しにされてて皆同時に鋭利な刃物で心臓を一突きらしいんだとさ。物騒な話だぜ。強盗に入られた挙げ句に皆殺しとはよぉ、被害者達も報われねえよなぁ」
リコは顎に手を当て思考に耽る。真っ先に頭に浮かんだのは魔王のコレクションの中でも数多く存在すると言われる『魔王の刀剣』シリーズだ。その切れ味もさることながら破壊力も絶大であり一振りで地を割く程のものであり、鋼鉄の鎧だろうと紙切れのように突き貫くだろう。
そうなると今朝の聖騎士の死因を確認しなかったのは失敗だったとリコは歯噛みした。
馬車が町に入ると朝にはなかった人々の活気に満ちていた。幕を降ろしていた店も昼を過ぎればどこも忙しく客寄せに熱心なようで派手に飾り付けられた立て看板を店の前に立てるなり、店主自ら手を叩き、声を張り、仕入れたての商品を次々に紹介していく。
八百屋や肉屋、薬屋などの店から、冒険者を支援する武具屋や交換屋など並ぶ店は様々であったが、今のリコにはそれらに立ち寄る理由は持ち合わせていなかった。暫く通りの景色を眺めている内に一つの人だかりが目に入り、馬主は困ったような表情を浮かべる。人だかりが道を塞いでいるからだ。
「おいおい、いったい何の騒ぎだぁ?!」
馬主が馬を止め、大声を挙げると人だかりの中の一人が振り返り、答える。
「あんたもこっち来て見てみろよすげえぜ。ダンジョンからとんでもないもんが出てきたんだよ」
リコは耳を疑った。急いで馬車から飛び降りると人垣を縫うように進み、円の中央に躍り出て視界が開けると目の前に広がる現場に息を呑んだ。
「何だこりゃあッ!?」
隣から馬主の驚愕の声が響きリコの心中を代弁してくれた。
『それ』は既に事切れているようだったが、つい先程までは活動をしていたようで時折脊髄反射でビクンと痙攣を起こしている。
それは紛れもなくダンジョンに居座る魔族だった。生物の分類なら鳥類のような顔をしている。ただその骨格は人間と比較しても何ら遜色はないが。
この魔族の名は『ウィッチ』、魔法を使い冒険者を惑わせる下級魔族でそれなりの冒険者ならば遅れは取らない程度のレベルである。だがリコにとってそんなことはどうでもよい些細な事だ。
問題はこの魔族がダンジョンの中で何を見たのか、だ。
その表情は死して尚恐怖に凍りつき、瞳はカッと見開かれていた。リコは死体の前でかがみ込むと検分を始める。
そんなリコを見て周囲の観衆は目を剥いていたがリコはお構いなしに作業を続けた。
死体に触れるという嫌悪感は多少あったが初めてでもなかった故、手を止めることはなかった。
あらかた予想通り致命傷は鋭利な刃物で急所を一突きだ。他にも身体中、無数の切り傷がつけられておりダンジョンの中で何が起こったかはだいたいの予測は着いた。そしてこれから何が起きるかもだ。異変は間もなく起きることになった。
町の南側から悲鳴が轟き、往来の人間がぴたりと動きを止める。次いで引き寄せられるようにその方角に視線を飛ばす。案の定といったところかそれはダンジョンの聳える方角からであった。悲鳴は次々とあがりどんどん距離を縮めていく。観衆は無意識に後退り、次の瞬間、自分達も悲鳴をあげ蜘蛛の子を散らすように逃げ出していった。
「うわっ……でかいな」
ただ一人残されたリコは迫りくる魔族をじっくり観察しながら腰を落とし、迎撃の体制をとる。
体長およそ五メートル程度か、尾まで入れれば十メートルに届くだろう。漆黒の甲殻に身を包むは蠍型中級魔族『ワームテール』。一見ただの大きな蠍であるがその尾は一頭の蛇の半身をそのまま引っ付け合わせたかのようなもので、まるで二つの生命を掛け合わせたような異形の生命体と化している。その鋏は既に血を滴らせていて、此処に辿り着くまでにだいぶ暴れたようだ。
見境なしに暴れ狂うワームテールは軒並みの建物を破壊し、巻き上げまっすぐ此方に突っ込んでくる。次の瞬間リコのいた空間を巨大な鋏がかちあげた。破砕音に伴いコンクリートの破片が打ち上げられるがワームテールはその時点で違和感を感じていた。今まではあった肉を引き裂く感触が鋏を通じてこないのだ。
暴れ狂っていたワームテールが転じて動きを止める。するとワームテールの頭上から飄々とした声が響いた。
「いいパワーしてるね。魔力の総合量もなかなか。もう少し索敵能力が高ければ上級も夢じゃなかったけど……」
一つ残念そうに息を吐き捨て、眼差しに剣呑さを乗せワームテールを見下ろした。
「喧嘩売った相手が悪かったね」
ワームテールの頭の上から見下し感情の一切を押し殺すかのようにリコは冷たく息を吐いた。
「戦闘開始。これより敵を殲滅する」
出来るだけ毎日更新の予定です