革命団の宣誓
※ 残酷描写が非常に多くあります。
苦手な方は、読まないことをおすすめします。
ご了承くださいm(__)m
日本の治安は誰にも手が付けられないほど深刻化し、列島は東西に分かれ、対立をしていた。東は、秩序と道徳を大事にし、安寧の中で生きる「政府軍」で、西は人間の野生の本能のままに生きようとする「革命軍」だ。
この二つの軍は、もともと政治を行う場所であった東京を戦場に争う。戦争の理由は、東は「昔の日本に戻すため」。西は「東が気に食わないため」だった。
むかし、都会として栄えていた東京の記憶はすでに残ってなどいない。日本は、もはや世界有数の無法地帯となってしまったのだ。
―――――――2123年 春
桜の花びらなどなく、不潔な土ぼこりが舞う東京の西の領地では、国会議事堂と呼ばれていた建物の前に、観衆が集う。
その中にいる中心人物は、赤をモチーフとしたキャップにパーカーをはおった青年で、手には拡声器が握られていた。
彼の名前は誰も知らない。しかし、誰もが彼をこう呼ぶ。
「号令の裂人」と。
彼は、幼いながらにして革命軍の幹部であるため、西の住民を呼び集めては、戦争の開始を告げる。それも、いつも同じの拡声器を握って。
そして、彼は戦争となると驚異の身体能力で東の者を次々と血祭りにあげる。その、敵をを殺すシーンが、まるで相手を裂いているかのようだったことから、「裂人」。「号令の裂人」だ。
キィイイイイイン……。
拡声器から耳を劈く高温が鳴り響いた。裂人が、拡声器のスイッチを入れたのだ。それは、これから号令をかけることに意味する。
「ご足労、感謝する。」
静まりかえる観衆に、まるで青を思わせる裂人の声が伝わる。これは、殺意だ。ここでしゃべったりなどしたら殺す。声を聴いただけで、固唾を飲み込む者もいた。
しかし、次の時。青の声音だった彼の声は、突如「赤」に変化する。
「さあ始めようか。これがっ、俺たちの、戦争だああああああああっ!!!」
沸き起こる歓声。
化物は、愚かな人間を見下して、嘲笑う。
なあにが戦争だ。僕からしちゃあ、お前らも、東と一緒だ。
そして、決意を固める。強く。確かに。
――――――――――――――僕を化物扱いをした人間を、皆殺しにしてやる。