第1話 僕のスキルはSSSです
初投稿です。クソなろう批評動画を見ていたら思いつきました。4時間くらいで書いたので多目に見てください。カクヨムにも同名のタイトルで投稿しています。
アーリ公国ランセル地方、ここは自然豊かな地域で農耕と狩猟が最大の産業だ。豊富な種類と量を生産出来るので、冬を越すどころか他の地方に輸出する余裕だってある。その反面、鉄鋼業はあまり得意ではないので農機具や水路の建設などは他地方の領主に頼む事もある。まあそんな場所だ。
私、リヨン・ロートレックはロートレック城塞の伯爵だ。この地方全体で一番高い爵位で、ランセル地方全体の産業や外交の指揮を取っている。今日は水路開発の件で少し詰まっていてとても忙しい。
そんな忙しい私の執務室に、衛兵が慌ててやってきた。街で何やら暴れている男がいるらしい。
『伯爵様!!街の中で奇妙な男が暴れています!!』
『ああ、そうか。待機中の衛兵で対応しろ』
正直こんな事に付き合っている暇はない。この水路が作れれば農奴達が求めていた輸送路がようやく__
『伯爵様!!失礼を承知で申し上げますが……!!』
『……一体何なんだ、申してみろ』
今日は少し様子がおかしいな、余程強い蛮族だったのか?
『その男は、っ……!炎を操る魔道士なのです、っ……!領主様、どうかお力添えを……!!』
『魔道士……よし、分かった。私が向かうと伝えろ』
『ありがとうございます……!!』
極稀に、異邦からやってくる冒険者が蛮行を働くことがある。奴らは話の通じない戦闘狂だが、権力にはめっぽう弱い。こういう蛮族退治も私の仕事だ。
そして私は鎧を纏い、剣を越しに据えて執務室を離れた。魔道士とやらは城門の前まで来ているようなのでさっさと向かうとしよう。
~~~
私は衛兵を数人連れて城門の前までやってきた。城下町の方を見ると、長いコートを着た男が大通りの真ん中で私の衛兵達を魔法で一方的に蹂躙していた。だが、その男は腕は細いし猫背だし、とても冒険者には見えない。
私は大きく息を吸う。そしてその反動に任せて冒険者に向かって声を上げた。
『異邦の者よ!!我はランセル地方の領主、リヨン・ロートレックだ。話があるのなら我に申せ!!』
男は私の言葉に気づくと、攻撃を中止してこちらを振り向いた。その顔は何と言うかやけに幼くて黒髪がボサボサだ。これと言った個性は外観からは感じられない。
男はニヤケ面でこちらに歩いて向かってくる。私の周りにいた衛兵達は皆が腰を抜かして怯えている。奴はあんなのでも相当な実力者らしい。
というか、奴が歩いてくる途中に、いつの間に女が数人男の周りを囲っていた。服は理由のわからない所から肌が見えていて彼女達はその肌を男にこすりつけている。まるで娼婦だ、何だ……あの状況は。
衛兵が動けなくなっているので私は一人で歩みを進めていく。その男と対峙したのは交差路の丁度真ん中だった。
『魔道士よ、貴様の実力はよく分かった。しかし、我らの領地を荒らした罪はその身で償ってもらうぞ』
私はいつもの脅しを掛ける。こういう場合は大抵食料を多めに渡せば何処かへ逃げていく。戦闘で勝てなくても、こうやって懐柔すればいい。が、……
『領主様、オレのステータスはSSSです。あんまり調子に乗ってると痛い目見ますよ?』
(は、……?何だエスエスエスって。それに、ステータス?何の話だ……)
男は名乗りもせずに、私の聞いたこともない言葉を並べる。その後周りにいた女共が一斉に黄色い声を上げる。
『きゃああ~!!タクマくんカッコいい~!!』
『タクマ……このおじさん、こわい……』
『おい、お前!あんまりタクマに楯突くと……あ、ちょっと、っ……そんなトコ触るな、っ……!!』
ピンク髪の女が騒いでいて、紫髪の小さい女が男の脇に体をくっつけている。金髪の騎士みたいな格好の女は触るなと言いながら自分の乳房を男の手に無理やり持っていっている。
そして、タクマと呼ばれた男は……
『うへへへっ……ちょっと、やめろよ~!あっ……やわらけぇ~~』
私の事など一切無視して女共と戯れている。こんな状況は初めてだ、一体どうすれば良いんだ……
『そ、その……タクマと言ったな。要求は食料か、ならば欲しい量を言え。用意してやるからこのまま出ていけ』
少し奇怪な状況だが、いつも通りならこれでいけるハズだ。これで……
『いえ、領主様。オレは食料よりも欲しいものがある!!』
『何だ、貴様は罪人という自覚はあるのか……?』
タクマは元気な声で食料を拒否した。しかも未だに冒険者気取りで全く反省していない。タクマはそのまま続けて言った。
『貴方の娘、クリスティーナを貰います!!』
『は、……何を言って__』
『攻撃魔法、フレイムショット!!』
タクマは私の返事を無視して、フレイムショットと叫んだ。それと同時に彼の手から炎の玉が生成され私に襲いかかった。突然の攻撃に、私は回避すら出来ず正面から食らってしまった。
『グハッ、……!!が、っ……なんだ、突然……』
『……やっぱり!!……オレはSSSスキルの使い手なんだ!!』
私は後ろで怯えていた衛兵達の元まで吹き飛ばされそのまま倒れてしまった。衛兵が私を囲って心配そうにしている。タクマは、またしてもエスエスエスなどと言っている。
『きゃああ~タクマ君つよ~い!!』
『タクマ……こわい、ぎゅってして……』
『た、タクマ、っ!!こんな奴私が一人で……んっ、だからそんなに触るな!!』
女共はまたしてもタクマにべったりくっついている。そして次に私が次に見た光景は今までに全く見たことがない光景だった。
『ステータスオープン!』
タクマがそう叫ぶと、彼の前に我々の知らない文字が書かれた光の板が現れた。奴の出した光の板には、魔法の絵らしきものと大量の文字が書かれている。今私に見えているのは、さっき撃たれたフレイムショットらしきものだ。
『お、レベルが3も上がったぞ。これでレベル100まであと14だ!!』
『きゃああ~!!』
『タクマ……』
『んぅ、っ……触るな!!』
衛兵達はさっきもあの光の板を見たのだろうか、今までで一番怖がっている。私も、彼らの恐怖の意味がようやく理解できた。この男に、話は通じない……そして力も遠く及ばない……
『む、娘は……お前なんかに……』
私はあの魔道士、タクマに情けない声で抵抗することしか出来なかった。




