届かぬ背中
十七歳の農村の少年カイルは、帝国と王国の戦争のさなか徴兵される。銃と大砲を主力とする帝国軍の兵士として初陣に立った彼の目に焼き付いたのは、若き女性将軍レナの背中だった。金髪をなびかせ剣を振るうその姿は、恐怖に凍り付いた新兵にとって唯一の光であった。
村落防衛戦、森での待ち伏せ、そして総力戦。銃火器と魔法が激突する戦場で、カイルは仲間の死と自らの無力を思い知らされる。それでも祈りの石を握りしめ、ただレナの背中を追い続ける。
だが戦局は苛烈さを増し、帝国軍は次第に追い詰められていく。勝利か、敗北か――その果てに待つものを、カイルは否応なく目にすることになる。
村落防衛戦、森での待ち伏せ、そして総力戦。銃火器と魔法が激突する戦場で、カイルは仲間の死と自らの無力を思い知らされる。それでも祈りの石を握りしめ、ただレナの背中を追い続ける。
だが戦局は苛烈さを増し、帝国軍は次第に追い詰められていく。勝利か、敗北か――その果てに待つものを、カイルは否応なく目にすることになる。