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ハンドレッド編その11・闇

 Side 赤霧 キョウマ

 

 =自衛隊駐屯地内部=


『たく、手間かけさせやがって……』


 自衛隊駐屯内。

 脱走しようとした人間の処分を完了させるキョウマ。

 オーダー通り皆殺し。

 嘗ての仲間も混じっていたが、これも頂点に昇り詰めるだと割り切って行う。

 作戦も最終段階が近い。

  

 百体の巨大化させた怪人を日本橋に送り込んで破壊する。

 その後、日本がどうなろうが知った事ではない。

 どんな不思議な力やオカルトが待ち受けていようが、最終的に日本橋と言う街を破壊すればいいのだ。

 

(ついでだ。藤崎 シノブや谷村 亮太郎が通う琴乃学園や、そこの教師、生徒を狙うのもいいかもしれない)


 善人を苦しめる効果的な方法は、無関係な人間を巻き込んで傷つけることだ。

 だが、この選択肢をすれば破滅的な殺し合いが待ち受けている。

 

(落ち着け落ち着け。俺の目的は天辺だ。藤崎や谷村と刺し違える事じゃない)


 キョウマは破滅の未来を何度も何度も繰り返し見て来た。

 その内容も段々と酷くなっている。

 前にハンドレッドの本拠地として使っていた廃工場で捕まるパターンもあれば、味方の裏切りで破滅するパターンもあった。

 その未来を変えるために何度も頑張っているが、段々と酷くなる一方だが……


(弱音を吐くな。最終的に全てを手に入れればいいんだ)


 兵隊も金も女も思うがまま。

 望む物は全て手に入れる。

 だからこそ何だって犠牲に出来た。


(もう俺は突き進むしかねえんだ。この道をよ……)


 そう言ってキョウマはこの場を去っていく。

 計画最終段階まで残り僅かだ。



 キョウマはふと思い出す。

 今からこれまでに至る経緯だ。


 幼い頃から馬鹿みたいにケンカをしてきた。

 暴力が全てだった。

 大人も、同世代の子供も信用できなかった。

 

 もしかして善意で手を差し伸べて来た大人とかもいたのだろうが、全部信用できずに振り払った。

 結果、誰も手を差し伸べる人間などおらず、厄介者扱いされた。


 そうして歳を重ね、嫌が上でも世の中の不公平さとか現実の厳しさと言う奴を知っていくようになる。


 だからと言って今更スポーツを頑張る気にもなれず、勉強も力が入らなかった。

 それよりもキョウマは須藤 勇也の地位に憧れていた。

 大した努力もせずに、関西圏の悪ガキどもの頂点に立つ存在。

 金も女も何もかも思い通りな存在。

 ケンカの強さだけでなく、そう言ったコネや組織力が必要なのだと思い知らされた。


 キョウマは須藤 勇也に近づき、頭を下げ、ハンドレッドを組織し、色々と学びながら人には言えないような数々の悪事をこなして来た。

 不良漫画のように尊敬やらリスペクトヤラを集める必要はなかった。

 組織は面白いようにどんどんデカくなった。

 漫画のような危ないシノギにも手を出せるようになった。


 そうして須藤 勇也が没落。

 放置された様々な裏のネットワーク。

 邪魔物が次々と消えていった。

 裏の世界には放置された、須藤が残した犯罪のネットワーク。

 

 活動する中でキョウマは日本政府と言う組織に言う程の脅威を感じられなくなった。

 ハウンド警備会社も消え、偶然が重なったのもあるが関西圏は赤霧 キョウマが手中に収めたも、同然の状態になった。


 だがそれでも、口々に言う。

 赤霧 キョウマは口だけ、暴力だけ。

 須藤 勇也と何も変わらない。

 工藤 怜治や藤崎 シノブとは格が違うと。


 何時しか赤霧にとって工藤 怜治や藤崎 シノブなどは目の上のたんこぶになっていた。

 我慢して無視するのも良かったが、自分が見た未来はそれを許さなかった。

 何かしらの要因で破滅する未来。

 その殆どが藤崎 シノブや谷村 亮太郎に敗北する結末だった。

 

 そんな未来はお断りだ。

 どうして自分だけがそんな目に遭わないといけないのか。

 自分は欲しいのは全てを手に入れた栄光の未来だ。

 それ以外の未来は価値がない。


 何度も何度も、何度も何度も未来を変えようとした。


 それでも未来は赤霧 キョウマを拒絶した。


 どれもこれも変わらず、負け犬のような、惨めな未来ばかりだった。


 だから赤霧 キョウマは、他人からどう言われようが構わず大量虐殺の悪の道を突き進む事にした。



 =自衛隊駐屯地内・最深部=


 この自衛隊駐屯地内最深部。

 日本の裏の人間だけでなく、退魔師や魔術師をも含んだ裏の裏の連中ですら身震いするような光景が広がっていた。


 巨大な液晶パネルが張られている、薄暗く、そしてヒンヤリして薄気味悪い感じの空気が漂う空間。

 悪の組織の司令室を連想させる。


 そこにいたのは赤いローブを身に纏った魔法使い、カオス。

 この自衛隊駐屯地の責任者ですら手を出せない。

 ゼツパライア帝国の人間らしい。

 

 他にも灰色で二本角、赤い瞳に漆黒のマントを羽織ったロボット。

 異次元帝国ジャマルの大幹部、メカデス。


 黒い鎧を身に纏った白い肌で金髪のライオンの頭部をしている獣人。

 宇宙犯罪組織ジャマルの大幹部、キングライオス。


 立場的には今の日本の総理大臣よりかは上の連中。

 この駐屯地の責任者も、今の日本の裏を仕切っている防衛大臣の黒杉ですらも手を出せない連中ばかりだ。

 他にももう一人いるが留守のようだ。


 モニターにはライドセイバー2号に3号、やたら胸の大きい赤毛で二本角の巨大ヒロイン、アルティアスなどが何処かで戦っている映像が映し出される。多勢に無勢な感じだ。

 

「で? アンタら勝算はあるのかよ?」


 信頼は出来ないが協力者。 

 ハンドレッド計画には彼達も一枚噛んでいる。

 

「ふふふ、まあ見ていろ地球の小僧」


 キングライオスが自信ありそうだった。


『奴達の戦力は脅威だが叩き潰す手段は用意してある』


 今度はメカデスが口を開く。


『この程度で死ぬならそれまで。乗り越えたら君の出番だ』


 最後がカオスが締め、キョウマは「ヘイヘイ、分かりました」と返した。

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