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ハンドレッド編序章その4・魔境の日本橋

 Side 前嶋 刑事


 そして時間は戻る。

 無線に連絡を入れ、前嶋刑事は慌てて止めに入った。

 工藤 怜治は人外なところはあるが、今時珍しい人のために拳を振るえる子なのだ。

 それを抜きにしても、一般市民がテレビの世界から飛び出してきたかのようなレ中に襲われてるとなれば助けねばならない。


 前嶋刑事は不意を突いて素手で殴り倒す。

 緒方 ミツルも相手を蹴り倒した。


「いいのかお前さん? こう言う目立つところは——」


「自分これでも左遷された身ですので」


 そう言ってミツルは投げ飛ばした。

 工藤 怜治は怪人二体相手に戦っている。

 このままではマズイと思って割って入ろうとするが——


「おいおいダメだろ? せっかくの処刑ショーなんだからさ」


 そこで邪魔が入る。

 白くボサッたい髪の毛、褐色の肌、鋭い目つきに赤い瞳。

 体中に生傷が多い少年。

 赤い上下の衣装に100のマーク。

 現在指名手配中の少年、赤霧 キョウマだ。


 似たような上下の赤い100のマークがついた衣服を身に纏う少年が二人控えている。


「どうしても邪魔すんならお前らも殺すけど」


「何故こんな事を……」 


 大抵、警察と言う仕事が虚しくなるような答えが返ってくるがそれでも尋ねずにはいられなかった。


「そりゃアレだ。上にのし上がるために、ビッグになるためならこれぐらいはやらないとな」


 想像通りの、人として最低な返事だった。

 同時に傍に控えていた赤霧と同じ背格好の少年が怪人化した。

 イノシシにカブトムシ。

 動物と昆虫を人型にしたような背格好だ。


「相手が警官だろうとお構いなしですか」


 身構えるミツル。

 前嶋刑事も構える。

 

(まったく、歳を食ってからこんな役が来るなんざ、神様って奴は)


 若い頃はバリバリ武道派だった。

 昭和のライドセイバーに憧れて空手や柔道にも手を出した事がある。

 だが相手は人外の怪人。

 それでも拳銃は使わない。 

 使っても始末書増やされるだけだ。



 Side 工藤 怜治


 殴られ、殴り返され。

 勝ってるのか負けてるのか分からない状況だ。

 何時の間にか傍には派手な赤い星条旗レオタード姿で長い金髪で長身の筋肉質な外国人、ジェイミー・ゴードンがいた。

 相も変わらず化け物相手だろうとプロレスするつもりらしい。


「大丈夫ネ? レイジ?」


「ああ大丈夫だ。こいつらそんなに強くない。見かけだけだ」


 そう言ってエビの怪人。

 拳から血は出るが、相手の高質化した皮膚を砕く。

 何度も何度も殴って感覚は掴めてきた。


『なっ、何だお前は!? そこまでして殴って痛くないのか!?』


「これぐらいは慣れっこだ。久しぶりだからな——ちょっと訛ってたかもしんねえ」

 

 エビの怪人は動揺している様子だった。

 相手からしてみれば、警察の銃弾も通じないボディにただの高校生が素手でぶん殴ってるにも関わらず、ダメージが入っているような異常な状況だ。

 

 片側のワニの怪人も同じ感じだ。

 パワーボムやジャーマンスープレックスなど、プロレスの素人でも知ってるような大技をジェイミーは軽々と決めつつ相手の攻撃を受け流して返す。

 先日の少女A事件の時もロボット相手に相方と一緒にプロレスしてたが、本当にどう言う理屈なのだろうか。 


「早いとこ、お前を殴り倒して助けにいかねえと」


『ヒッ!?』


 大した実力ではないが、油断してもいい相手ではない。

 前嶋刑事や緒方 ミツルの二人も善戦しているが何時まで持つか。 


『死ねえ!!』


「チッ!!」


 野性的な感でハサミから放たれた怪光線を避ける。

 背後で爆発。

 誰か巻き込まれていないだろうなと思いながら怜治は思いっきり顔面をブン殴った。



 Side 火野 エイコ


 火野 エイコ。

 元陸上自衛隊。

 赤毛で鋭い瞳のクールな顔立ち。

 背もあり、体格もそれなり、体育会系女子と言うべき体つき。

 胸がとても大きい。

 自衛官時代では何度も胸のサイズで罵倒されたが、これは仕方のない事だと思っている。

 自衛隊を辞めて、現在は日本橋で働いていた。

  

 ブラウンのフライトジャケット、

 白のキャミソール。

 紺色のジーンズに黒のミリタリーブーツ。

 アナログの腕時計を身に着けている。


 今はハンドレッドの手下と徒手空拳で戦っていた。

 宇宙人と一体化しているせいか、身体能力も大分上がっている。


(なあ? レオナ、変身して戦わないのか?)


 脳内にいる、自分と同じく胸の大きな赤毛に左右に広がるような二本角の巨大ヒロイン。

 死の間際の自分と一体化した戦士、アルティアスレオナに問いかける。

 結構な堅物で地球人の自主性とかを重んじるタイプだ。


(今はまだ地球人の戦いだ。この星の戦士達の力を信じてみたい)


 との事だった。

 手を貸す、手を貸さなきゃいけない場面について考えている様子だった。


(でもこのままじゃ、怪我人——最悪死人だって——)


(いや、来たぞ)

 

 アルティアスレオナの言う通り来てくれた。

 話題のライドセイバーだった。

 

 

 Side 藤崎 シノブ


 日本橋に足を運ぶたびに何かしらのトラブルに巻き込まれている気がする。

 昆虫の仮面に黒のライダースーツ、白いヒーローベルトのライドセイバーに変身して事態の収拾に当たる。

 他にも女子プロレスラーのジェイミー・ゴードンとか、ヤケクソ気味に藤波 リカも消火器とか振り回して立ち向かっていた。

 

「君か……すまんな——」


 前嶋刑事が倒れ込んで来た。

 血を流している。

 体も打撲——もしかして折れているかもしれない。

 取り合えず回復魔法を掛けて怪人に立ち向かう。


「雑魚はいい!! ライドセイバーから始末しろ!!」


 ここで赤霧 キョウマが指示を飛ばす。

 顔だけが怪人化している奴、全体が怪人化している奴、イノシシ型にカブトムシ型が襲い掛かって来る。

 

『何故こんな事をする? 昭和の悪党じゃあるまいし』


 敵の攻撃を捌いて、反撃しながら疑問を口にするシノブ。

 反応したのはハンドレッドのリーダー、赤霧 キョウマだった。


「俺は上にのし上がりたいだけだ。関西で名を売っても、どいつもこいつも工藤 怜治だ、藤崎 シノブだいいやがる!! そう言うジャマな連中ぶっ潰して、初めて頂点を目指せんだよ!!」   


 メチャクチャな理屈だった。

 少女A事件であれだけの大騒ぎを起こした政治家、権藤 セイトもワケの分からない理屈でとんでもない馬鹿をやらかすタイプだったが、ハンドレッドのリーダー、赤霧 キョウマも似たようなもんである。


『これ以上、けが人は増やしたくない』


 そう言ってライドセイバーは手短にいたイノシシの怪人を思いっきり怪人をぶん殴った。牙をへし折りながら顔面の横っ面へ思いっきり。

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