表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/108

ハンドレッド編序章その2・その日、日本橋。


 Side 前嶋 刑事


 =昼・大阪日本橋=


 日本橋を宛もなく彷徨いながら年季の入った中年の中肉中背でトレンチコートに帽子を身に着けた昭和の刑事、前嶋 刑事は捜査で判明した内容を思い浮かべる。


 ウルフカットの白い髪に褐色の肌、赤い瞳にヤンチャかつ活発そうな顔立ち。

 拳や体中にはケンカの生傷が僅かながら残っている。

 名を赤霧 キョウマ。

 ハンドレッドと言う半グレ組織を立ち上げ、フューチャーテックの事件で没落した須藤 勇也のコネクションに手を出し、勢力を急拡大させた。

 

 ブルーデビルの摘発時に怪しげなアイテムを売り捌いているのも耳にした。


(デビルズカードねぇ……)


 特撮物に出て来そうな変身アイテム。

 使用者を怪物に変えるカードらしい。

 強大な力を得る代わりに強い依存症の様な物を発症してしまう。

 麻薬のようなカードらしい。

 ブルーデビルは拳銃や麻薬に手を出していて、当然このカードにも手を出していた。使う機会に恵まれなかったのは谷村 亮太郎の活躍の御蔭だ。

 

 ハンドレッドも手を出していて相当数出回っている。

 怪人化した相手に警察官では無理。

 機動隊でも返り討ち。

 拳銃を発砲しても何ともなかった。

 自衛隊を引っ張り出して、重機関銃だかバズーカを持ち出さない限り、人間には勝てないのではないかと言う惨状だった。


 頼みの綱は半ば犯罪者扱いしているヒーロー任せ。

 テレビはコスプレした危険人物だの、偽善者呼ばわりしている。

 ネットにもそう言う論調はあった。

 危険を顧みず、人助けをしたヒーローに注意しなければいけない気持ちは分るが、かと言って正しい行いをした人物に罵声を浴びせながら小石をぶつけるような行為はどうかと思うが、仕方ないかと諦めの気持ちがある。

 

 世の中は善悪の二元論ではなりたってはないが、普通の人間と言う奴はどうしても善悪の二元論で物を考えてしまう生き物なのだ。


(こうした超常犯罪は、大体日本橋が関わってるもんだ)


 過去の経験則から日本橋の誰それが何かしらの形でこう言う事件に関わっている。

 それ以外は足で稼ぐ出たとこ勝負の捜査だ。

 他にも目星は付いてるが、冗談抜きで命の危険が伴うのでまだ手は出してなかった。

 

「おや? 前嶋さんじゃありませんか?」


 ふとここで背もあり、人当たり良さそうな笑みを浮かべる茶髪でスーツ姿の身嗜みが整った男が現れる。

 名前を緒方 ミツル。 

 自称公安で左遷されて日本橋に来たらしいが本当かどうかは分からない。 

 

「どうしたんですかこんな所で? 何かの事件で?」


「昨日の大失態をどうにか穴埋めしようと必死なのさ、上の方は。あんだけ叩いていたヒーローを持ち上げる形で自分達のミスを誤魔化そうとしているらしい」


「はあ。まあウチの国らしいと言えばらしいですね」


 辛辣な評価を下すミツル。

 別に今時珍しい事ではない。

 フューチャーテックの事件でも首謀者は警官だったり、少女A事件でも警察の上の方が関わっていた。

 それ以前に警察が汚職しても市民は不思議に思わない。

 昨日のハンドレッドの本拠地の捜査だって、大失態続きの威信とか信頼を取り戻すためのギャンブルに近い物だったそうだ。


「そっちは何か掴んでいるのか?」


「琴乃市近くの自衛隊駐屯地に探りを入れてる感じです」


「自衛隊の駐屯地か……悪い噂をよく聞く場所だな」


 琴乃市近くの自衛隊駐屯地。

 ドローンだけの部隊が配備されたとか話題になった。

 その裏では訳ありの自衛官や人間が集められていたりと言う話もあり。

 警察のほうでは第二のフューチャーテックみたいになっているのではないかと言われていた。

 

「あまり周囲には喋らないでくださいね? 一生物のトラウマになりますよ?」


「言わんでも分かってる。」

 

 そこに踏み込む度胸は今の警察にはないだろう。

 仮に逆らう素振りを見せれば警察署にロケットランチャーや重機関銃を撃ち込まれたりするかもしれない。

 事件解決する頃には大勢死人が出る様が浮かんでしまう。

 

「せめて怪人と戦う力さえあれば……何のために歳を食ったんだか……」


「少女A事件の時に現れた、並行世界から来たあの少年の協力を取り付けられれば話は変わるかもしれませんが——独自にパワードスーツを開発して配備、対処するしかありませんね」


「警察にか? まるで昔のメタルヒーローみたいな奴を配備するのか?」


「そうなる感じでしょうかね」


 想像もつかない。

 当たるどうか分からない拳銃片手に、最後は生身で立ち向かっているのに、色々と飛び越してパワードスーツと来た。

 まあそう言うのを身に纏うのはエリートで、自分みたいな古い時代の人間には関係ないだろうなと考えると、何故だか悲しくなってくる。


「おや? ケンカですかね?」


「みたいだな。よくやるよ」


 日本橋では毎日のように何かしらのトラブルが起きる。

 前嶋刑事は警察官の職務として現場に急行した

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ