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夜その2

 Side 藤崎 シノブ


 =夜・藤崎シノブの家・シノブの部屋=


 須藤を調べたら足を掴めた。

 ネットを検索すればまるで呪詛のように書き込まれたプロフィールが閲覧できた。

 いじめで人を殺しただけの事はある。

 他にも余罪は沢山ありそうだ。

 インターネット社会の怖いところだ。

 顔写真まで張られている。

 顔は整っている。

 野性味ある感じだ。

 いかにも頭が緩そうな女子にモテそうな感じだ。

 今はサカキ高校にいて変わらず悪さをしているらしい。 

 半グレ組織のリーダー格だとか。


(厄介なのはこいつの父親だな)


 須藤 正嗣。

 キャリア組のエリート警察だ。

 彼に対しての黒い噂――ネットだか週刊誌の記事なので鵜呑みは危険だが、記事によれば警察の上の方の弱味を握っていて、裏社会にも顔が利く。

 絵に描いたような典型的な汚職警官のように記事では書かれていた。

 

(父親の権力を考えたらサカキ高校は、ほぼ牛耳っているな)


 いじめで人を殺して実質無罪放免されて、今も黒川 さとみを狙って悪さをしているような人間だ。

 誰かの下についてヘコへコ頭を下げているとは考えにくい。

 親の権力を振りかざして好き放題にしている方が自然に思える。


(で、そんなヤバい奴と繋がりがある中妻か――)


 須藤親子のインパクトに負けそうになるが、中妻も油断できない。

 表沙汰になってないだけでどんな悪事を働いているか分かったものではない。


(中妻を放置して、須藤親子を狙うしかないか)


 単純な勝ち負けの話ではない。

 長期戦に持ち込めば社会的に追い詰められる。

 そうなる前に須藤親子を倒す。

 須藤親子はロクな生き方をしていないだろう。

 そう言う生き方をすれば自然とアキレス腱は多くなる。

 それを狙う形になるだろう。



 Side 須藤 勇也


 =夜・府内某所のクラブ・VIPルーム= 


 やかましい一般客が使うフロアとは違うVIPルーム。

 須藤 勇也は白メインの洒落たファッションに身を包み、高い酒に葉巻を楽しみ、そして厚めの化粧に露出度高い衣装の女性を両側に侍らせてソファーに座っていた。

 今は使えない部下の制裁中。

 眼前で男達にボコボコにされていた。


「たく、女一人捕まえる仕事も出来ねえのかよ」

 

 不機嫌な態度を隠さずに葉巻を握ってハァーと煙を吐く。


「す、すいません!! ガキに邪魔されて――警察にも――」


 須藤はソファーから立ち上がり、既にボコボコにされて倒れ伏す男に蹴りを入れる。

 

「テメェ? 言い訳してんじゃねえよ。舐めてんのか? 失敗すんの何度目だ?」


「すんません!! 今度こそ、今度こそは!!」


 須藤はテーブルに置いてあった酒の瓶でぶん殴る。

 鈍い音が響いた。


「おーい生きてるか? 死体処分すんのも楽じゃねえんだよ。テメェみたいな屑の代わりは幾らでもいるんだ。脅しじゃねえぞ?」


 そう言って執拗に蹴りを入れる。

 生きてるのか体を震わせ泣きながらその場で身を捩る。

周囲の人間も、暴行を加えていた人間も言葉を失っていた。


「よし、生きてたな。いい子だ。さてと、どうしようかな?」


 ひとしきり暴行を終えて満足したのか須藤は考える。

 自分の邪魔をしてくれた生意気な獲物に対してだ。

 腕は立つらしい。

 だけど調子に乗られるのも厄介だ。

 惨たらしく殺す方向で行こうと考えてある会社に連絡した。

 裏の世界の人材派遣会社だ。

 

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