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宇宙刑事リリナ

 Side 藤崎 シノブ


 =夕方・人気のない廃工場=


 かつて学園のトップに君臨していた白王寺。

 白王寺を裏から操り、藤崎 シノブと谷村 亮太郎の二人の正体を見極めるためだけに襲い掛かった織姫との決着の地。

 そこで足を踏み入れた藤崎 シノブは—―ずっと後をつけている存在が気になったからだ。


「出て来い」


『――ッ』


 物陰から現れたのは白いコンバットスーツ。

 背丈や胸のアーマーの目に毒なとても大きな盛り上がり方、デザインから恐らく女性が直用していると思われる。

 股関節周辺にアーマーがなく、動き易さに趣を置いたデザインだ。

肩部のショルダーアーマーが頼もしそうな印象を与える。

 手には青く光る剣に白い光線銃だろうかを持っている。

 黒いバイザーに青い瞳が浮かび上がり、シノブを見据える。


「その様子だと俺の事はある程度調べてるんだろう? 俺の名は藤崎 シノブ。名は?」


『――銀河連邦所属、宇宙刑事リリナ』


「銀河連邦に、宇宙刑事ね……」


 カバーストーリーなのか、それとも本気で言っているのか。

 鑑定魔法で素性を確かめる事も考えたが敵対もしていない相手の素性を勝手に探るのは躊躇われる。


『私は宇宙犯罪組織ジャマルを追っている』


「あの銀色の街を破壊していた巨大ロボもジャマルの?」


『正確には惑星メガニカの戦闘用ロボット、エンブラス。地球人が手に入れられる兵器じゃない』


『私の用件は貴方が何者なのか、ジャマルの事を知っていたら捜査に協力してほしい』


「一つお願いがある」


『何?』


「顔は見せられないのか?」


『それは……』


「まっ、出会ったばかりの人間に素性を明かしたくないのは分かるけど一方的に人の個人情報を知ってるのはフェアじゃないだろう

?」


『言いたい事は分かった』


そう言って白いヘルメット部分が青い粒子になって消える。

現れたのは白髪、白肌、紫の瞳。

凛々しい女騎士を連想させる整った顔立ちだ。

声色といい、顔の雰囲気といい、まだ10代半ばぐらいだろうか。

モデルとしてもやっていけそうだ。


「これでどう?」


「うん。とにかく銃と剣を下げて普通の服に着替えてくれるかな?」


町は今、厳戒態勢下だ。

光る剣と光線銃らしき物を持って白いコンバットスーツ姿らしき衣装で徘徊した場合、間違いなく警察に不審者として尋ねられる。

魔法で誤魔化すにしても、なるべくそう言う事態は避けたい。

なので丁寧な口調でお願いしてみた。


「「っ!?」」


廃工場の外の異変に気が付いたのは二人同時。

反応は複数。

警官隊包囲して来たとかではない。

犯罪組織ジャマルの手の者が来たのだ。



Side ジャマル


宇宙刑事と地球人一人が廃工場内にいるらしい。

念のため戦闘員のジャマル兵達に上級ジャマル兵二体、幹部格のサイ型怪人、サイジャマルを投入している。


『あの建物に我達ジャマルに歯向かう愚か者どもがいる!! そいつらを血祭りに上げるのだ!!』


灰色の皮膚、赤い瞳、鼻先の紅の角、銀色の鎧に身を包むサイジャマルが血気盛んに叫ぶ。


同時に爆発。

戦闘員の一団が吹き飛んだ。


『こいつらがジャマルか』


現れたのは深緑の仮面の昆虫戦士、銀の触覚、ダークグリーンのマスクに胸部プロテクター、グローブにブーツ、漆黒のライダースーツ、白のシンプルなヒロイックなベルトの元祖ライドセイバー。

始まりのヒーローに変身した藤崎 シノブ。

戦闘員の一団に魔法攻撃を撃ち込んで地面に着地する。


『やっぱり君があの時の――』


 藤崎 シノブの変身と魔法攻撃に驚きながらリリナは地面に着地した。  

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