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ガーディアンズ

 Side ???


 =場所不明・とあるオフィスにて=


 長い黒髪は最低限の手入れはしている。

 顔は美しいとかかわいいと言うよりも老成した、知的そうなと言われそうな顔立ち。

 体つきは十代女子とは思えない歳不相応なモデル体型。

 服装は肌の露出を抑えたカジュアルな感じで下半身はロングスカートを履いている。

 腕に巻いているのはスマートウォッチではなく高そうなブランド物の腕時計。

 足元の靴も大人な感じがする、それでいて歩き易そうな実用性と外見性を両立した革靴を履いていた。

 そんな少女は会社の重役が座りそうなデスクや椅子に腰かけ、とある相手と電話をしていた。

 

「評価は完了だ。かなり強引な手段ではあるが、証拠を全て押さえて囚われた人間を全員救出、被害も最低限で済んだ」


『おや? それだけかい? テッキリ厳しい指摘されると思ったんだけどね』


 電話の相手は谷村 亮太郎だった。

 少女の組織が今日までノーマークだった人間の片割れ。

 もう片方のノーマークの一人は藤崎 シノブ。

 同じクラスで超人的な身体能力を持ち、亮太郎と同じクラスの彼も少女はマークしている 


「おや? 嫌味つでも言われるかと思ったか? それとも言って欲しかったか?」


『そう言われると答え辛い』


「単刀直入に言おう。ガーディアンズが進めている計画に参加して欲しい」


『計画?』


「アメコミ映画でよくある、ヒーローチームを結成して地球の平和を守ろうぜ的なノリの奴と言う認識で構わない」


 かなりかみ砕いた説明だが分かり易い。

 その解説を特に思う事は無かったのか『メリットは?』と実務的な話をする。


「家族や通っている学校の護衛サービスだ。他にも今回みたいな厄介事の後始末を引き受けてもいい。それとブラック企業呼ばわりされるのもなんだ。仕事を依頼するたびに拒否権や報酬の有無、金額の確認なども必須項目に入れておこう」


『そいつはいい』

 

 少女としても相手の年齢や経歴を考えると破格の待遇だった。

 草野球している少年をメジャーリーグの団体が一流選手待遇でスカウトするような物だ。

 だが少女は相手にそれだけの価値を見出していた。


「我々としても出来うる限り健全なお付き合いをしたい。我々は何時でも君達を歓迎する用意がある」


『本当に破格だね』


「それに見合う価値を私は見出している――期限は設けない。ただ、またスグに連絡を取り合う仲になるだろうね」


『それは勘かい?』


「ああ、私の勘だとも――夜も遅い。また近々連絡しよう」


 そう言って少女は電話を切った。

 

(谷村 亮太郎――そして藤崎 シノブ――同じクラスなのは偶然ではないだろう)


 谷村 亮太郎が藤崎 シノブの存在を隠している。

 それに対して悪く言うつもりはない。

 常識的な判断として受け入れている。

 少なくとも谷村 亮太郎は須藤 正嗣の管理下に置かれていた極秘実験を全て台無しにし、重要データを全て奪取し、それを手土産に自分達へ交渉した。

 情報収集能力は闇乃 影司の力もあるのだろうが、それを抜きにしても他のヒーローよりも頭一つ飛び出ている。

 正直今の今迄、無名だったのが信じられないぐらいだ。

 

(まあ、こう言うのもアリだろう。色々と楽しませて貰うさ)


 少女――北川 舞は新たなヒーローの活躍を楽しみにする。

 


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