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突入・フューチャーテック株式会社

投稿です。

ちょっと睡眠時間荒れ気味でしんどいです。

 Side 藤崎 シノブ


 =夜・フューチャーテック株式会社敷地内=


『まんまこれライドセイバーですよね、昭和の奴の』


『変装にうってつけと言うことで一つ』

 

 フルフェイスのヒロイックなヘルメット内部に仕込まれた音声変換器で二人とも渋い声になっている。


 二本の触角。

 赤い双眼。

 口元のフェイスクラッシャー。

 赤いマフラー。

 ベルトにライダースーツ。

 グローブにブーツ。

 昭和最初期の一号仕様。

 亮太郎は二号になっている。

 ヘルメットの色やライダースーツに走るライン、グローブやブーツの色などが違う。 

 

 どう見ても基本、徒手空拳で戦う昭和のライドセイバーの背格好だ。

 現在もシリーズが続く子供や大きなお友達も観ている人気特撮番組だ。


 二人が身に纏っているのはバックルベルトを捲いて変身する一種のパワードスーツらしいが、異世界勇者の自分達からすると、ちょっと頑丈な防護服程度の性能程度だそうだ。


 どこでこんなもの手に入れたのだろうとシノブは思う。

 もしかすると、異世界で趣味を楽しむつもりで亮太郎が作ったのかな? などと考える。


 ともかく、変装は出来ている。

 これからしでかす事を考えると、変身ヒーローと言うよりも悪の組織所属の怪人による企業への潜入工作活動に近い。


 現在二人はフューチャーテック株式会社に乗り込んでいた。

 先頭は谷村 亮太郎、後ろに藤崎 シノブが続いている。

 こう言う場面は、ほぼほぼ谷村 亮太郎の独壇場。

 単純な潜入を目的とするのなら一人の方がやり易いかもしれない。

 

 現在は地下駐車場に来ていた。

 そこには普通の会社には似つかわしくない、犯罪者を移送するための護送車があった。警察のマークもちゃんとついている。

 つまり、この会社に警察も一枚噛んでいると言う事だ。


(これも須藤の父親の権力か?)


 潜入中なので念話で会話するシノブ。


(この国の一番危ないところに顔が利くんでしょうね)


 亮太郎は護送車のドアを鍵開けの魔法で開けて中を探索する。

 中には勿論誰もいない。

 空振りだ。


(気を取り直して中へ――)


 リラックスした様子の亮太郎。扉を開けて中へ。

 そこでバッタリ廊下でハゲ頭の脂ぎった太い眼鏡をかけた会社員――恐らく重役クラスがいたので催眠魔法をかけて、人目や監視カメラから離れた場所に移動する。

 

『必要な事だけに答えろ。この会社では本当は何が行われている』

 

 手早く谷村 亮太郎は尋問を開始する。


「国からの依頼で様々な極秘実験を行っている」


『その極秘実験の内容とは?』


「人体実験だ。昭和の特撮物に出て来る悪の組織のように改造人間を作っているし、他にも異能力の研究、魔法の研究、こことは異なる世界の研究、若者に分かり易く言えば異世界の動植物の研究も進められている」


 ビンゴだった。

 どうやらこの会社員は後ろ暗い事に精通している人間だったようだ。

 しかし異世界やら動植物の研究までしているとは想像以上にこの国の闇は深い。

 亮太郎の催眠状態で言ったセリフであり、嘘はついてる可能性はない。


『人体実験と言うからには人間を集めているのだろう。何処から集めている?』


「人間は何処からでも集められる。だがやり過ぎると日本国内だけでなく、世界各国の様々な諜報機関が嗅ぎつけて来るからな」


 警察とかではく世界各国の諜報機関が嗅ぎつけて来る心配する辺り末期だなと二人は使命感を強くする。


『その一つがサカキ高校か?』


「ああ。サカキ高校は安定したモルモットの供給先だ。最近だと臓器確保のためと言えば色々と誤魔化せるからな」


『そうか』


 色々との部分がシノブは気になるがどうせロクでもない会話だろうと思った。

 亮太郎は『その極秘の研究エリアはどうやって行くんだ?』と尋ねる。


「エレベーターから行ける。が、警備は厳重だ」


『じゃあそれを解いてもらおう』


 亮太郎はこのオッサンに解いてもらう事にしたようだ。



 =夜・フューチャーテック製薬会社地下、極秘エリア=


 二人はオッサンの先導のもと、極秘エリアに辿り着く。

 ちなみに二人とも監視カメラなどの目を気にして念話で会話し、無言である。

 両者とも隠密スキルで透明人間状態だが念には念を入れてだ。


 極秘エリアは広大なスペースであり、数多くの白衣を着た研究者や防護服を着た人間、完全武装の兵士が歩き回っていた。


 何かの液体で満たされたカプセルの中には異世界の生物らしきゴブリンやオークらしき生き物が保管されていたが、鑑定の結果は異世界ユグド――自分達が旅して来た異世界ユグドとは無関係である、未知の異世界の生物であるらしい事が判明した。


(ここからどうします?)


 念話で亮太郎に問いかける。


(どっちかが暴れて囮役になる。この様子だとまだ生きている人間もいるだろう。それを逃す事を考えると――)


(分かりました。俺が担当しましょう)


(良いのかい?)


(ええ――いい加減、胸糞悪い話を聞かされてむかっ腹が立ってるもんでね!!)


(そうか。じゃあ任せた)


 亮太郎は隠密状態のまま、ここまで先導してくれた催眠状態のオッサンの背中についていくように離れていく。

 そしてシノブは隠密状態を解除。周囲は突然現れたライドセイバーのコスプレをした何かの出現に驚いた。


「んじゃあ行くか!!」


 藤崎 シノブは手当たり次第に破壊活動をはじめる。

 コンピューターを破壊。ケーブルを切断。モンスターが入った培養液のカプセルを飛び蹴りで破壊。


『何でライドセイバーが!?』


『アレは敵だ!! 構わん!! 撃て撃て!!』


 サイレンが鳴り響き、大きな厳ついアサルトライフルを持った兵士たちが駆け寄ってくるが銃弾を素手で弾きつつ殴り飛ばす。まるでアメコミヒーローに殴られたかのように吹き飛ぶ兵士。


「に、逃げろ!!」


「あんなのに勝てるか!!」


 これは敵わないと見て次々と研究者たちは逃げ出していく。

 

(これで全部じゃないよな。そこら辺の研究者とっちめて、吐かせるか?)


 シノブは破壊できる場所は無いかと、とにかく念入りに破壊する。

 正直に言うと、善意にもとづく罪悪感は感じない破壊行為は楽しいと感じていた。

 シノブはエリアサーチの魔法を使い、他の場所へと移る。



 Side 須藤 正嗣


 =同時刻・司令本部=


(な、なんだアレは!? ライドセイバー!? あの強さ――いや、どこぞの異能力者が変装している可能性も――とにかくどうにかしなければ!!)


 須藤 正嗣はライドセイバーが藤崎 シノブだと当りを付けられず、一瞬本物のライドセイバーが殴り込んできたのかと錯覚する。

 ライドセイバーは創作の世界の住民だ。

 本当に存在するワケではない。

 だがまるで本物よりも本物以上に、現実に存在したらこんな感じだろうなと言う感じで手際よく次々と施設の破壊活動を続けていた。

 銃火器で武装した警備の兵が歯が立たない。


(非現実には非現実だ!! 能力者を投入してやる!!) 


 覚悟を決めて正嗣は能力者を投入する事にした。

 

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