復讐は誰の為に・・・。
書き始めました。プロットは大まかにしか決めていません。先行きは、皆様方の反応を見ながら決めていこうと思います。宜しく御願い申し上げます。
東沢田 絵麻さんは、言われてみれば確かに影の薄い女生徒だったと思う。 影が薄いと言うか・・・。 クラスの中であまり目立つ存在ではなかったのは間違いないし。 実際、東沢田さんがクラスメイトの他の誰かと話をしているような場面も見た記憶は言っちゃ悪いのかもしれないけれど、殆どない。 授業中に先生の質問に対して積極的に挙手をして答えを発言するようなコでもなかったと思うし、とくに学業成績に秀でていたという噂を耳にした記憶もない。 文化祭で何らかの、皆の眼を惹く発表をしたことがあるようなタイプとも思えないし。体育祭で華々(はなばな)しい活躍をしていたという記憶も確かに、言われてみればない。 部活動の類は何もしてない感じ。終鈴が鳴って、放課後になったら脇目も振らずに一目散といった体で学校を後にして帰宅の途についていたのに違いないのだ。だって、放課後の教室や校庭に彼女が居残っているというような光景を見たことないから。 いや、なにも俺はそうだからといって、別にそれが悪いことだとも何だとも思った試しはただの一度もなかったのだよ、本当のところ。 そして、きっと、男友達はおろか、同性の友達らしい友達すらあまり居ないように見えたのが正直なところ。どっちかと言うと、内気で引っ込み思案で、あまり積極的な生徒ではなかったのだろうと今になって改めて思える。 という訳で、正直、俺は東沢田さんのことを気に掛けたりとか、なにか特別な特別な存在として意識したことは、今までずっとなかったんだ。ほんと。 そんな東沢田 絵麻さんに関する、とある噂を聞くようになったんだ。いや、その噂を耳にするようになったのはなにも俺だけじゃなかったと思うよ。もはや、学校内の何処にいたって耳にしない日はないといったような広まり方をした噂だった。噂なんだから勿論、あくまでもその真偽に100%の信憑性なんてある訳ないし、東沢田さん自身にそれが本当の話なのかどうか、問いただすわけにもいく筈がない。根も葉もない噂のひとつなのには違いなかったのだけれど。俺だって信じてなんかなかったさ。 そう。 それはずばり、東沢田 絵麻さんは幽霊なのではないか、という噂だったのだ。最初聞けば、100%嘘かデマか、東沢田さんに対する嫌がらせか、としか思いようのないまるで子供じみた流言蜚語の一種なのだろうな、としか思いようのない、戯言に過ぎなかったのである。
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