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ポンコツ乙女は今日も歌う。  作者: のん


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番犬、ようやく微笑む。


ラトさん達は自警団の人と話し合いをしてから、現地調査へ行くことになったけど、なにはともあれまずは宿へ荷物を置いてから‥と、ようやく話は纏まり、町長さんに街を案内してもらいながら、すぐそこだと言われた宿へ歩いて向かう。



町長のタルトンさんが先頭を歩き、その後ろをバレウス様とペペルの守護騎士さん達がペペルの乙女達を挟むように歩き、その後ろを私とラトさん、マキアさんで歩くけど‥。


「なんか呼ばれたはずなのに、この扱いって‥」


マキアさんがポツリと呟くけれど、まぁ、小神官様が来たらそうなっちゃうよね。私はちょっと眉を下げて、マキアさんを見上げる。


「なんだかマキアさんを巻き込んじゃってすみません」

「スズが謝ることはない」


すかさずラトさんがそう話すけど、いやいやそれはどうかと?



「ラトさん、元はと言えばニーナさんのせい‥。いや、でもかなり助けてもらったし、私の判断のせいもあると思うんですよ?ポンコツなのに、ちょっとどうにかなるかな?なんて思ったし‥」

「いやぁ〜、スズさんは十分すごいですよ?な、ヴェラート?」

「すごい。とてもすごい」

「そ、そうですかね‥」



マキアさんはうんうんと頷いて、ちらっとバレウス様の背中を見る。


「ま、ペペルの神殿が結果的に動いてくれて良かったですよ。例の事件以来、どこの神殿もピリピリしてますからね」

「ああ‥。調査ってまだ終わってないんでしたっけ?」


ちょっと小声でマキアさんに尋ねると、小さく頷く。


「ま、俺はまずは温泉の為に頑張りますよ。ここの温泉色々効能がすごいらしいし!」

「あ、そうだ!ニーナさんに「呪い」に効く温泉があるって聞いたんですけど」

「呪い?!でも、そんな話聞いた事ないなぁ‥」

「ええ〜〜〜、誤情報?!それがあるから話を受けたのに‥」


私がそう話すと、ラトさんが目を丸くして私を見つめる。



「‥俺の為?」

「あ、そっか。ラトさんその話は聞いてなかったですね。ええと、まぁそうです。だって早く治って欲しいなぁ〜と思って?」



そうラトさんに話すと、途端にさっきまで睨んでいたラトさんは一転ふにゃっと嬉しそうに微笑んだ。う、うわ、出た!!必殺スマイル!!ぐわしっと心臓を鷲掴みにされると、ペペルの乙女達がいつの間にかこちらを見ていたのか、黄色い悲鳴を上げて「素敵!」「ええ、笑うの?!」と口々に話している。‥わかるよ、格好いいもんね。


と、少し先を歩いていたメルフィラさんと目が合うと、ギロッと睨まれた。

怖い。もう怖い。こんなんで温泉を復活させられるんだろうか。



「うう、またも大変な道のりしか見えない‥」

「大丈夫だ。スズ、しっかり歌えるようにサポートする」



キリッとした顔でラトさんに言われたけれど、むしろそれは遠慮したい。

っていうか、奇跡を起こす前に前途多難だ。


「そうだ、ラトさん。自警団の人と話し合いするって言ってましたけど、私も一緒に行きますね」

「いや、スズは待機しててくれ」

「ラトさん、手を離したら?」

「‥‥そうだった」


マキアさんがすかさずラトさんに「忘れてるんかい!」って突っ込んでくれたけど、前世は大阪の方でしょうか?なかなかいいポテンシャルを持っているなぁ〜なんて思いつつ、町長さんの案内してくれた宿にほどなくして着いた。



私はちょっと小さな宿くらいを想像してたんだけど‥、

まず素晴らしい庭園が私達を出迎えてくれて、その奥には効果音が付くならキラキラといった感じの立派な煉瓦の洋館‥っていうか、ある意味小さな城じゃないの?ってくらいの大きさに、思わず目を丸くしてしまった。な、なんか想像してた以上の歓待っぷりじゃない、これ?



「す、素敵な建物ですね‥」



思わず呟くとタルトンさんがその言葉を即拾って、嬉しそうに笑顔で、


「そうでしょう?ここは昔、温泉好きの貴族が贅を凝らして建てた別荘なんです!今はペペルの重要文化財として管理しているんですが、同時に宿としてここを利用しているんです!」


その言葉にペペルの乙女達も歓声を上げる。

私は反対に顔が引きつった。


‥つまり、それだけ温泉復活を期待してるって事だよね。ぷ、プレッシャぁああああ!!!!一刻も早く部屋に入って胃薬を飲みたいと思っていたら、案内された部屋がこれまた豪華絢爛な部屋。



「ここはゲストルームなんですが、一番いい部屋なんですよ!」



鼻高々に街を一望できる部屋だとタルトンさんに説明されて、胃薬だけでは足りないかもしれないと思った。っていうか、もう帰る〜〜〜!!!そう叫びたいのをぐっと堪えた私を神様、どうぞ褒めて下さい。




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