表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポンコツ乙女は今日も歌う。  作者: のん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/164

番犬、微笑む。


魔物を呼ぶ石。

禁忌とされている石を大神官様が持っていた?

それって、もしかして‥この間、ベタルの神殿に魔物が出たことと関係ある?


ラトさんの言葉に皆が固まったけれど、ディオ様が大神官様に微笑みかける。



「‥お話を聞きますので、こちらへ」



騎士さん達がさっと大神官様を取り囲むと、青ざめた大神官様が


「ち、違う!!私じゃない!!私では!!」

「‥連れて行け」


ディオ様が騎士にそう言った瞬間、大神官様がギロッと私を睨む。


「貴様だ!!貴様が何かしたんだろう!!だから、こんな、こんな事に‥」


大神官様が、もう片方の腕につけていたブレスレットを突然外して私に向かって投げつけると、いきなりそのブレスレットから真っ黒い渦巻きが現れた。



「スズ!」



ラトさんが私を庇おうとした途端、ニーナさんが出してくれた虹色の膜のお陰でバチン!!と黒い渦巻きが跳ね返され、ラトさんのメガネがその衝撃で吹き飛ばされ、カラカラと床に落ちると、いつものラトさんの姿に戻った。


「ら、ラトさん!!大丈夫!??」

「ヴェ、ヴェラート!??」


周囲にいた人達が変身が解けたラトさんを見て、驚いて声を上げるけれど、ラトさんはそんな事を気にする事なく、メガネを拾うとチッと舌打ちをする。



ま、まずいーーー!!

なんかラトさんが怒りマックスになってる気がするーー!!

大神官様を他の騎士さん達が取り押さえたけど、私は私で慌てて、腕をガバッと掴むとラトさんがピタッと動きを止めて、私を見下ろす。



「わ、ウ‥」

「ちょ、ちょっと落ち着きましょう!!私はこの通りもう大丈夫なんで!!」



ラトさんを説得すると、カツカツと足音がしてそちらを見るとニーナさんがステージに上がってきた。


「に、ニーナさん!??」

「はいはい、優秀なニーナさんだよ。どれ、番犬ちゃんそこまでにしておこっか。なにせ動かぬ証拠を見つけられたんだからね」

「証拠??」


私の言葉にニーナさんが魔物の体から出てきた青い石を拾って、ディオ様に手渡した。



「そう。この石ね獣人の国でしか採れないの。もっと正確にいえば、管轄を任されてるのそこの国の宰相なんだ〜」



ニーナさんの言葉に周囲にいた騎士さんや神官さん達がざわつく。

え‥、獣人って‥、今度うちのお姫様が輿入れに行く所だよね。ニーナさんはラトさんを見てニヤッと笑う。


「いやぁ〜、若い時色んな国に行っておくべきだね。久々に見たけど覚えてて良かったよ」


‥もしかしてラトさん、ニーナさんに石を見せたの?

ラトさんを見上げると、静かに頷いた。



「でも、以前スズが歌った時、白い鳥が運んだんでしょ?白い鳥は「神殿」を昔から意味するから、神殿側の人間も加担してたってことだよね」



私も乙女達も、周囲の人も一斉に大神官様を見ると、床に押さえつけられている大神官様が真っ青になる。


「獣人の宰相さんと仲良しなんだね?だから、ブレスレットを使って魔物を呼ぶ禁忌の石も使えたんでしょう?呪いまで神官が使っちゃうんだもん。うふふ、すごいね」

「ち、違う!!それは‥神官長が王都へ行くから‥」


王都へ?

でも神官長様が王都の神殿へ行くのがどうかしたの?

私が首を傾げると、ディオ様が眉をしかめて大神官様に、



「神官長様は、歌の乙女を支える為にその話は断りました」

「なっ‥!!」

「乙女を守り、育てる事がひいては歌の神に喜ばれる事だと‥」



大神官様はそれを聞いて、グッと口を引き結んだ。

‥もしかしてそれって、その地位に就きたかったからこの事件を起こしたの‥?私がディオ様を見ると、そっと目を伏せる。そうして騎士さん達に、


「‥すぐに大神官を牢へ」


ディオ様がいうと、大神官様はもう口をパクパクさせるだけで‥。

騎士さん達に今度こそどこかへ連れて行かれてしまった。



シンと静まり返った会場に、私はラトさんを見上げるとニコッと微笑む。



「反王族派の仲間をスズの奇跡のお陰で掴めたんだ。スズはすごい」

「い、いや、あんなのでわかるラトさんかと。あと、ニーナさんもいてくれたから?」

「それでも、スズがいたからわかった」



ラトさんが私の手をちょっと離したかと思うと、指を絡めてギュッと握るので私の顔が一気に赤くなる。そ、そう言って頂けるのは嬉しいんですけど、あの、身バレはもうしちゃっていいのかなぁ??!マキアさんをちらっと見ると、静かに頷いてくれたので、いいって事‥なのかな?



と、神殿の奥からザッザッと足並み揃った靴音がして、周囲にいた皆がそちらを見ると、奥の扉が開かれて黒い騎士服を着た人達がステージへと流れ込んできた。


え、黒い隊服?

待って?黒い隊服って‥、確か王族騎士の色じゃあ?

驚いていると、1番奥からカツカツとヒールの音がして、銀色の長い髪をゆるく纏めた綺麗な女性が前に進み出ると、騎士の一人が大声で、



「リアナ姫の御前である!控えろ」



姫!??

慌てて頭を下げたけど、なんで姫〜〜〜!!??





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ