急襲のパパさん
パパさん急襲なう。
朝も早いのに重箱を持ち突撃してきたパパさん。
ママさんはお仕事で来れないって。
病院食があるからって断ったら泣き出したパパさん。
パパさん本当に組長さん?
榊さんニヤニヤしすぎ。
「病院食はパパが食べるからぁ!!」と懇願されてパパさん特製お重を食べてます。←イマココ
重い、色々重いっ!
「美夜の好きなものをたくさん詰めたよ〜♡」というお重はローストビーフ、豚テキ、チキンの照り焼き、トンカツ、ラザニア……彩り・栄養丸無視のお肉こってりお重でした。
きっつ、きついよコレ。朝から食べるこってりさじゃないし、量多いし。あっさり和食が良かった。……今からでも病院食と交換してくれないかなぁ……
でも私の為に朝からこんなに作って……親に愛されてたんだなぁ…体は私のだけど積み重ねてきた年月は前の魂なんだよね。それがもういないのはちょっと申し訳ないかな。私のせいじゃないけど。
「どうしたの美夜ちゃん。減ってないよ?」
「パパさん、もし…もし記憶が戻らなかったらどうするの?」
「どうもしないよ。記憶があっても無くても美夜ちゃんは僕たちの子だからね、心配しないで」
「パパさん………」
不安そうな顔をしていたのか頭を撫でながら優しい声色で安心させるように言ってくれる。いい人だ。……本当に組長?
少し心が温かくなったなぁと思っていたらタイムリミットが来たみたいで「仕事休みたいよー」という泣きを言いながら秘書らしき人に引きずられながら病室を出て行った。
残ったお重は榊さんが美味しく頂きました。
次の日も朝からパパさんがお重を持って突撃してきたけど、どうやら榊さんが話してくれたらしく和食になってた。パパさんが記憶失くしたら好みが変わっちゃったのかな?って言ってたけど魂が違うからねー。でも昨日も思ったけどパパさん料理上手。サワラの西京焼きや筑前煮、だし巻き卵も全て美味しい!パパさん凄い!って褒めたら物凄く喜んでた。だからか今日はウキウキで出勤してったよ。
今日も量が多かったので残りは榊さんが美味しく頂きました。
事故で打撲したトコは痛いけど動くにはあまり支障がないので、ふらふらとフロアを歩いてみたけど特別室ばかりであっさりと探検が終わってしまい、入院3日目にしてヒマをもて余してしまう。
「ヒマです榊さん。フロア探検がまさか5分で終わると思いませんでした」
「何やってるんてすか。一応怪我人なので大人しくしてて下さい」
「でもヒマなんです」
「大丈夫です、今日はこれから賑やかになりますよ」
「?またパパさんとママさんが来るの?まだ仕事が終わるには早……」
バーーーン!!!!
「姉ちゃん事故たって⁉」
「ふおっ⁉」
私を姉さんって呼ぶって事は美夜の弟?めっちゃイケメンなんですけど⁉