美夜の家族
このままいくともっと怖い話になりそうだったので話題を変える事にした私。
今、現実逃避は精神衛生上良い事です( ー`дー´)キリッ
「榊さんに聞きたいんですけど、美夜の家族ってどんな方たちですか?」
そう、昨日存在感に圧倒されて聞けなかったんだよね。家族構成や仕事とか。それに美夜も学生なのか会社員なのか分からないし。美夜のイメージ的に家事手伝いという名の無職っぽいけどね。
「親父は剣友会の組長で姐さんはフロント企業で役員をしてますね。お嬢は大学生で弟の和真坊ちゃんは高校生のシスコンです」
What's⁉
「パパさん組長?」
「はい」
「フロント企業ってヤ○ザの隠れ蓑……」
「そんな感じです」
「シスコン……」
「重度です」
「重度かー」
「そこですか?」
榊さんが若干呆れてる気がするけどいや、そこ大事でしょ!ヤーさんフロント企業そんな事もあるよね。でもシスコンブラコンはあかん!誰も幸せにならない未来しか見えない!
「そういえば弟お見舞いに来てないですね」
「あー………坊ちゃん修学旅行中なんですよ。事故の話聞いちゃうと修学旅行そっちのけで帰って来そうなので教えてないです」
弟ヤバいレベルのシスコンだった!
「明日には帰って来るので速攻こちらに来るでしょうね」
oh……楽しみなような楽しみじゃないような……
「さあさあ、顔でも洗ってシャキっとしてください」
「むむっ」
病室に備え付けられている洗面台に促され洗顔しようと鏡を見るとそこには艷やかな黒髪をたたえた美少女がいた。
「ぬおっ!さっ…榊さんっ!鏡の中に美少女がいるっ!!」
驚きのあまり鏡の中の美少女を指差しパクパクとしていると、鏡越しに合った榊さんの目が細められている。
「本当に……ご自分の顔まで忘れてるんですか。それがあなたの顔ですよ」
はぁぁぁ!これが美夜の顔……切れ長の二重の目、鼻筋はすっと通っていて口紅をしていないのに赤い唇、シャープな顎のライン……どう見ても美少女です!この顔で性格が悪かったのか。なんか余計たちが悪いな。
後ろで早く洗えオーラに気づき急いで洗顔をし、ソファーに座ると淹れてくれたらしいコーヒーを出される。うーん、覚えてないけどこの体に入る前は紅茶派だった気がする。
ミルクと砂糖を入れ一口こくりと飲むとじんわりと体の中が温かくなっていく。どうやら思っていたより体が冷えていたみたいだ。
「あー沁みるー」
「何かおっさんくさいですね」
突っ込みながらもお菓子を出したりして甲斐甲斐しい。それにしてもお腹空いたな。昨日夕飯食べないで寝ちゃったからぺこりんこだ。
「榊さん朝ご飯って……」
バーーーン
「ふあっ⁉」
「美夜ちゃーん、朝ご飯持って来たよー」
パパさん急襲キタコレ!