表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

パジャマは普通でお願いします

「お嬢おはようございます」


「わっ!」


 目をショボショボさせながら目を覚ますと、ソファーに座っている榊さんから声をかけられ驚いてしまう。どうやら昨日早々に寝てしまった私が起きるまで待っててくれたようだ。申し訳ない。


「まだ眠そうですねぇ。とりあえずお嬢の荷物はキャリーケースに入ってます。もし足りないのがあったら言って下さい、買いに走ります……ってどうしました?」


「なんか榊さん昨日と雰囲気と話し方が違いますね」


「ですねぇ。昨日はお嬢が本当に記憶が無いか試していたのであんな感じにしましたけど、本当はこんなですよ」


 そう言う榊さんは昨日の影が薄いオドオドしだ感じが全くない、飄々としたお兄さんになっている。

 まあ、性格が違うっぽいから疑うのは仕方ないよね。でももうこの性格(優妃)でいくから慣れてちょ。


 キャリーケースをベッドの上に置いてもらい開けてみると入院に必要な物と……パジャマ……だよね?


「あの〜榊さん?これはパジャマ…でしょうか?」


「あー、姐さんが『パジャマト言ったらこれよね♪』って詰めてました」


「ムリムリムリムリ!!え?19歳だよね⁉ウソでしょ、そんなの着て寝たらお腹冷やしちゃうよ!透けてて何も隠せて無いし!姐さんってママさんの事?ママさん何考えてるの⁉怖っ、私病院の服でいいです!」


「せっかく姐さんが用意したのに…」


「じゃあ榊さんが着てくださいよ!私は無理!」


「んな無茶な……でもその無茶振りキますね」


「ひぇぇぇ」


 布団を被り顔だけ出し震えているとクスクスと笑い声が聞こえる。


「あー、やっぱり今までのお嬢と違うなぁ」


「……前の美夜が良かったですか?」


 恐る恐る聞いてみると榊さんは少し考えた素振りを見せ


「んー、みんなは今の方が良いって言うんじゃないかな?私は前の黒いお嬢も好きですがねぇ」


 そりゃもう後ろから刺されそうな事ばかりしてましたよ、と楽しそうに榊さんは言うけど楽しくないからね!え?私退院したら速攻刺されちゃう?また死んじゃう?ガクブルなんですけど⁉


「大丈夫ですよ、何か無いようにするのが私の役目ですからねぇ。お任せ下さい」


 胸に手を当てお辞儀をする榊さんの目の奥がどろりとしてるのが怖いっ!前の美夜の性格が悪いだけだと思ってたけど、これ環境(周り)もなかり悪いんじゃない⁉

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ