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婚約者?何ソレそれ美味しいの?

 私の名前は『木崎美夜』らしい。


 可愛らしい名前だなぁ。でも鏡で今の顔をまだ確認してないんだよね。どんな顔なんだろ。名前負けしてない顔面だといいな。


 そしてパパさんは『遊真』、ママさんは『美鶴』というらしいよ。

 で、後ろで不機嫌なお方は?


「美夜、思い出せないかもしれないが、お前の婚約者の玲王(れお)だよ」


「うぇぇぇぇぇ⁉」


 おかしな声を出して驚く私に『不満です』という顔を隠しもせずムスっとしている彼は私の婚約者ですと。


「えっと……そうなんですか?…でも彼凄く嫌そう……」


「お嬢…そんなことありませんよ」


 すっと目を細めこちらを見る玲王さん……怖っ!怖い!目の奥が全く笑ってないよ!一体何をしたんだあの性悪魂は⁉


「とっ…とりあえず怪我もあるので1週間ほど入院になります。詳しい事はブリーフィングルームでお話します」


 私がビクビクしているのに気づいた医師が別部屋に誘導する。ナイス医師、あの一瞬で蛇に睨まれるカエルの気持ちが分かったよ。部屋を出てく時もすっごい警戒してる玲王さん、ホント彼に何したんだよ性悪魂(2度目)


 全員病室から居なくなると先ほどまでの騒々しさが無くなり静寂に包まれる。


「ふあ〜」


 体がどっと疲れを感じ、ベッドへ仰向けに倒れる。思った以上に疲れたようだ。天井を見ながら状況を整理する。


 この体の名前は美夜、年齢は…確か神様が19歳って言ってたな。両親が遊真さんと美鶴さん。婚約者は玲王さん。………婚約者がいるって事はそれなりのお嬢さんなの?……それにしても玲王さんにめっちゃ嫌われてんじゃん。何した性悪魂(3度目)


「……これからどうしよう…私が今までの『木崎美夜』じゃないってしられたらマズいよね…」


 それを考えると医師が記憶喪失って言ってくれたのはラッキーだったのかもしれない。私に19年間の記憶が無いから考え方や行動が全く違うだろうから不審な目で見られても「記憶がないからなのね」で済ませられるハズ。あら、何かいけそうな気がしてきた。


「あの〜〜〜……」


「わっ!!」


 やだ、まだ人がいたの⁉気づかないでメッチャゴロゴロしてた!ハズカシー


「すみません、影が薄いものですみません」


「いえ……」


「私、お嬢の付き人の榊と申します」


 付き人とな⁉やっぱりいいトコのお嬢さんなんじゃ?美夜の事お嬢って呼んでるし。それに付き人ってことは色んな事を知ってるんだよね?さっきの人達は感情的に話しそうだし、大人しそうなこの人に聞く方がいいんじゃない?


「あの……」


「!!ひゃい!」


「へっ?」


「す…すみません。いつも一言目には罵倒されるのでつい……」


 だから何してた性悪魂!(4度目)

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