退院祝いをされます
投稿が開いてすみませんm(_ _)m
退院して家に着いて真っ先に行った先は自室のクローゼット。勢いよく開けた瞬間に崩れ落ちる私。
マジでゴスロリしか無かった。
いや、あった。他の服もありましたよ。あったけど明らかにパーティードレス。普段は着れません。
「ああああぁ……」
これ程まで性悪魂と服の趣味が合わないとは…!いや、服の趣味だけではなく部屋もゴスロリ調とは……!しかも黒い!カーテンから寝具、ソファー、毛足が長いラグまで黒々としていて美夜の部屋なのに落ち着かない!
「お嬢、落ち込み具合が面白い事になってますね」
ぬあっ、面白いって言ったよ、この人!
「榊さん、ムリ。ムリだよぅ……服も部屋も落ち着かない!違う服欲しい。今すぐ部屋の模様替えしたいぃぃぃ。」
「もうすぐ夕飯ですし今からは買いに行けませんよ。え?そんなに嫌ですか?だったら和真坊ちゃんから適当に借りたらいいんじゃないですかね」
ナーイス榊さん!その手がありましたか!
早速和真の部屋へ行きTシャツとハーフパンツを借りたよ!両方共ちょっと大きくてハーフパンツに付いてるヒモはがっつり締めてバッチリです。
「はぁぁぁ、彼Tシャツサイコー♡」
ちゃいますよ、弟Tシャツだよ。面倒なので突っ込まないけどね。さあ夕飯だ、いざゆかん!
リビングに行くと既にパパさんとママさんがダイニングテーブルに座している。その隣には強面のガッチリとした体格のおじさんが座っていてさらには初日に会って以来の玲王さんまでいる。
ふあっ、知らない人がいる!
反射的に和真の後ろに隠れると「ふぁぁぁ、怯えて俺の後ろに隠れる美夜可愛い♡」って身悶えるからスンと榊さんの後ろに隠れなおした。なんでぇって悲しそうな顔してるけど普通の反応です。それに何で名前呼びしてるの?え?今までの姉っぽくない?じゃあお姉さんっぽくキリッとしてみるよ。……何で胸押さえてうずくまってるの?困惑していると和真の後ろに影薄く立っていたお付きの飯綱さんが頭を鷲掴みして椅子に座らせる。あら、これしょっちゅうやられてるとミタ!
「美夜ちゃんこのおじさんは怖くないよ〜。顔面凶器なだけで優しいからね〜」
「組長……」
五所川原さんと言うらしいおじさんは眉をハの字にして何かゴニョゴニョ言っている。確かに怖くない、かも?
「ほらほら、美夜ちゃんも座って。今日の主役は美夜ちゃんなんだから」
ママさんに言われ席に座るけど1週間前からの記憶しかない私にはちょっと落ち着かない。パパさんママさん強面のおじさんはニコニコだけど玲王さんは明らかに不機嫌だし。和真は……くっつきすぎ。ほらまた飯綱さんがアイアンクロー決めてるよ。
テーブルにはお刺身、カルパッチョ、ピザ、麻婆豆腐など多国籍な料理が並び、乾杯と共に各々が手を付けていく。1人を除いて終始和やかに食事は進んでいき終わる頃に服を買いに行きたいとお願いをしてみる。ゴスロリ以外の服が欲しいと言うと凄い驚かれたが、記憶を失くして好みが変わったのかもと誤魔化しOKをもらう。よし、これで普通の服が着れる!
ヤッターとバンザイして喜んだら玲王さんにめっちゃ見られてた。
……やっぱり怖い。




