1話
今回からスローライフがスタートします!
俺の名前は狭山純一、絶賛ブラック企業勤めの平社員だ。
「あぁ、仕事やめてぇ…」
「まあまあ元気出せよ、今日は飲み行こうぜ」
こいつは俺の友人、葉山庄之助、同じ会社に勤めてる。
「奢ってくれんの!?」
「いや、奢りはしないけど…」
「じゃあ今日俺パス、金ねえから。」
「じゃあ帰るか…ブラック勤めは大変だね〜」
「ああー!!仕事やめてぇー!!上司に媚び売るの疲れたー!!もう何もしたくねぇー!!」
〖世界への願いを感知〗
「ん?葉山なんか言った?」
「いや、何も言ってねえけど…どした?」
「そっか笑、俺ついに頭がおかしくなっちまったのかな…」
「じゃあな、また会社で会おう!同士よ!」
「お、おうそうだな。じゃあな」
俺と葉山はそれぞれの家への帰路に着いた。それにしてもなんだったんだろうあの声…対象からの要望とか何とか言ってたような…そんなことを考えてると、目の前で女の人がトラックに轢かれそうになっている!
「危ない!!」
俺は考えるよりも先に体が動いていた!結果的に女の人を助けられはしたけど…俺自身の体がやばくなっていた。女の人が駆けつけてきた。
「大丈夫ですか!?えっとえっと救急車は…」
〖対象の著しい体温の低下が発生、体内の血液が15%に低下しています〗
なんだ…俺の耳元で喋るのは…医者か?…死ぬ時ぐらい静かにさせてくれ…
なんだか寒いな…死ぬ時ってこんななのか?
〖対象からの要望…気温に対する感覚を遮断…成功…〗
死ぬってのは痛いのか?…痛いのは嫌だな…
〖対象からの要望…痛覚を遮断…成功…〗
俺…やっぱり死ぬのか…来世を期待しておこう…
そこで俺の意識は途切れた…
──ヤマ───サヤマよ──
なんだ?…誰かが俺を呼んでいる?…
「起きましたか…サヤマよ」
「なんだ…ここは?…あんたは?」
「私はこの世界の管理者ジュミラード=クォーツァー」
「管理者?…何を言ってるんだ?俺は死んだんじゃなかったのか?」
「あなたは死にました、ですがあなたの魂を何とかここへ押しとどめておいたのです。」
「なんでそんなことをするんだ?」
「あなたに…勇者の素質があるからです。」
「勇者ぁ?!俺が?誰かと間違えてんじゃないの?」
「あなたは死ぬ直前ある女性を助けましたね?」
「そうですね…それがなにか関係あるんですか?」
「私はそのあなたの気概に惚れたのです、なのでこうして第2の人生に繋がる〖Administrator room〗にご案内したんですよ」
「あの〜、なんて?」
「直訳すると管理者の部屋です。まあそれはいいんです。あなた勇者になるつもりはないかしら?もちろんサポートはさせてもらいますよ?どうですか?」
「質問いいすか?」
「どうぞ」
「勇者って職業はキツイですか?」
「まあ、選ばれた人しかなれないし、それなりにきついとは…」
「俺その仕事やりません!」
「ええ?!あなたは選ばれし者なんですよ?勇者になれば、みんなに尊敬されますし…」
「きつい仕事はもうやりたくねえ!農業とかしてゆっくり暮らしていきたいんだ!」
「そんなことを言われましても…仕方ありません。本人が拒んでいるのならそれを切り抜ける策はないんですから…あなたの願いは農業をしたい…でしたね。」
「そうだ、俺はもうきつい仕事はやらない、森の奥の家でゆっくり暮らしたいんだ。」
「了解です…では第2の人生楽しんで暮らしてください。」
ついに…ついに俺は解放された!あんなクソみたいなブラック企業から抜け出せたんだ!異世界万歳!万歳!俺は家の中に着いていた。
「とりあえず家の中を物色するとしますか。」
家の中はこんな感じだった。
・ベット
・ある程度生き残れる程の食料(干し肉や乾パンなど)
・戦利品用のチェスト
・キッチン(かまどなど原始的なもの)
・製鉄用の施設全般
・ガレージ的なところに馬車
・動物用の柵(馬以外何も入っていない)
・農耕道具
・金貨少々と銀貨が入った袋
…こんなところか。あの管理者とやら結構色々用意してくれたな。
そして外に出て見ると傍に川が流れる場所だった。
俺の新しい異世界ライフここから始まっていく。
次回投稿はめっちゃ早いです