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温泉ごくらくいい気分

少し投稿遅れましたすいません!

「おお、やっと来たかお主ら。儂はもう既に上がっておるぞ。いやぁ、なかなかよい湯じゃった⋯⋯って、なんで手を繋いでおるのじゃ?」


 サーチでラブの場所を探り、そこにたどり着くと、そこには既に風呂から上がったご隠居が居た。普段の鮮やかな着物とは違い、着替えように用意されてあったシンプルな柄の浴衣がとても新鮮だ。こうして見るとますます見た目の幼さが目立つが、湯上がりのせいかしっとりとした黒髪はいつにもまして色気があり、そのミスマッチさが何とも魅力的で思わず見とれてしまいそうになる。


「えへへ、実はボクたち、仲良くなったんです! ねえ、ザキ?」


「は、はい。そ、そうなんです⋯⋯」


「そうかそうか。仲がいいのは良いことじゃ。アベとラブはまだおるから、皆で仲良く湯に浸かるとよい」


 そう言って、ご隠居は寝室へと戻っていった。残されたボクとザキは、着替えの浴衣が置いてあるのを確認してから服を脱ぎ始める。


「あ、あの⋯⋯ユウさん、じゃなくて、ユウ。ちょっとお願いしてもいいですか?」


「何ですか? もしかして、やっぱりまだ裸になるのは恥ずかしいんですか?」


「そうじゃなくて⋯⋯その、出来れば、ユウに脱がせて貰えたら嬉しいなって思って⋯⋯。ダメ、ですか?」


 真面目な顔で「お願い」だなんて言うからてっきりまだ躊躇いが残っているのかと思ったが、そんなことなら全く問題ない。ボクは、ザキに両手を上げて貰って、丁寧に服を脱がせた。ついでに、下着もぺりぺりっと剥いでしまう。


「おお⋯⋯! さっきも見たけれど、ザキのおっぱい大きいですよね。凄いです」


「⋯⋯ユウは、女の子なのにおっぱいが好きなんですね?」


「え、おっぱいが好きなのに性別は関係ないでしょ? ボクなんて記憶が一部抜けてますけれど、それでもおっぱいっていいなぁって思いますよ」


 ザキを脱がせたところで、今度は自分の服を脱ぐ。お気に入りの歌舞伎Tシャツはダメになったけれど、このパジャマも中心に大きくエビフライが描かれているお気に入りだ。


 下着も脱いでパジャマと一緒にカゴに入れたところで、ザキがじっとボクの身体を見つめていることに気が付いた。


「な、なるほど⋯⋯。ユウの言っていたこと、ちょっとだけ分かった気がします」


「ボクの裸を見てもたぶんつまらないですよ? 中にはもっと美人が2人居ますから、見るならそっちにした方がいいですって」


 鏡で自分の身体を見てみる。うん、可も無く不可も無くといった感じだ。組織に入って間もない頃は、自分の裸を見ても違和感を覚えていた。でも、今は流石に見慣れてきた。特に何も感じることはないし、おっぱいもそこまで大きくない。


「い、いや、私はユウだから見たいだけで⋯⋯って、ちょっと待ってください。置いていかないで~!!」


 いつまでも裸で更衣室にいたら身体が冷えてしまう。やや駆け足で更衣室から出ると、慌ててザキも後ろから追いかけてきた。


「お、ユウっちにザキっち、おそよ~☆ めちゃめちゃいい湯で極楽だよ~!!」


 長い髪の毛を頭の上で束ね、タオルをその上に乗せたアベが、露店風呂の縁から身を乗り出してボク達を手招きする。その拍子に、胸に実ったたわわな果実がぷるんと揺れた。


 ザキよりも少し小さいが、ハリがあり弾力を感じるおっぱいは、アベの溌剌とした性格を表しているようだった。ペットは飼い主に似ると言うが、おっぱいも持ち主に似るのかもしれない。


「これが、陰陽師おっぱい⋯⋯!」


「ユウっち、何言ってるの~? マジウケる~!! そんな気になるなら触ってみる?」


「え、いいんですか? じゃあ遠慮無く⋯⋯」


 アベから許可も貰ったので喜んで胸を触りにいこうとした瞬間、パァン! と乾いた銃声が響き、目の前の地面に穴が空いた。


 ギギギ⋯⋯と油の切れたロボットのような動きで振り返ると、そこにはどこに隠し持っていたのか銃を取り出し、こちらをジトリと睨み付けるザキがいた。


「だだだ、ダメです。ユウは私のおっぱいだけ触ればいいんです。他の人の胸に行くなんて、許せない。殺しますよ⋯⋯?」


「あ、はい。すいません」


 流石にこんなところで死にたくはない。ザキと仲良くなれたのはいいけれど、それはそれでどうやら別の問題が発生してしまったらしい。ボクはみちのく陰陽師おっぱいを泣く泣く断念することにした。


「お!? ユウ、あんたマジでザキ連れてきたのかい。一体どんな手段を使ったのさ?」


 なんとかザキのご機嫌を取り、無事銃を谷間にしまってもらったところで、すぐそばから聞き慣れた声が聞こえてきた。アベがダメならば、せめてラブだけでも⋯⋯そう期待してその声の方を向くと、そこには見事な壁がせり立っていた。


「ラブ! ⋯⋯その、スレンダーで美しい身体付きですね」


「これがホントのウォールマリア⋯⋯聖女だけに」


「おいザキ。誰のどこを見てそんなこと言ってるんだい。殺すよ?」


「わ、私の十八番を⋯⋯!?」


 その後、激怒したラブに温泉の湯をぶっかけられ、それに便乗したアベも笑いながらお湯をぶっかけ⋯⋯バシャバシャと湯のかけあいっこをしてたら温泉に浸かる前にびしょ濡れになってしまった。


「「「「つ、疲れた⋯⋯」」」」

 

 汗を流した後にすぐ温泉に浸かれるのはとても豪華なことだ。シャワーで汗を流した後にザキと一緒に入った温泉は、皆が言うとおりとても心地よいものであった。



〇〇〇



 これで終われば、この東北の地での出来事はめでたしめでたしで済んだのかもしれない。しかし、温泉から上がったボク達を待っていたのは、信じられない事態であった。


「おいお前ら、大変だ! アケディアが⋯⋯アケディアの奴が、おかしくなってる!!」


 慌てた様子で息を荒げるトム。その手には、ぼーっと虚空を見据え、意味を成さない単語を呟き続けるアケディアの姿があった。


これよく考えたら温泉回っていうよりおっぱい回ですね。

次回、第二章最終話です。

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