東電の判決について
東京電力の旧経営陣に対しての司法の判断が下されました。『無罪』ということです。僕個人としては、世論が二分されそうな判決だと感じましたが、その予想に違わず、大きく別れているように思われます。もっとも、無罪はおかしいという反応がほとんどのようでありますが。
さて、前置きはこのくらいにしてことについて少々語りたいと思います。
まず僕の主観ですが、今回の判断では日本の司法は歪んでいない、むしろ法治国家としては極めて正常な判断を見せたと考えています。あくまでも、法律の範囲内でということですが。
今回のことで、納得できない方がたくさんおられます。それは当然のことでしょう。ですが僕は東日本大震災を研究者ではない旧経営陣が専門家の話を聞いて、本当にあると感じられたかは甚だ疑問です。加えて、東電は公営企業ではなく、民間企業です。彼らは利益を追求しなければなりません。その点で、通常の想定で、桁外れの想定を考えているほどの対策費を投じることができたのか、と考えるとできないと思います。
それは。中部電力浜岡原発の防波堤の建設費を見ても明らかでしょう。
そのような金額を。株主が許すとも思えません。ではこの震災の何がダメだったのか。事前ではなく、事後の対応です。そう断言せざるを得ないのです。
菅直人氏や東電経営陣がかき回した側面は大いにあると思います。これがまずかった。ですが、刑事責任は問えない。これが司法の下したことです。
今回の判決、全く間違っていません。法治国家の側面を見れば、です。
ですが、倫理的には極めて不誠実です。はっきり言っておかしいかと思います。ですから、東電には誠意ある姿勢を見せて欲しいものです。
それこそ、被害者一人一人にお見舞いをする位はやって当然だと思いますね。
これは本当に難しいことだと思いますが、これだけは言えます。この判決を見て、日本の司法は終わっているとか何とか主張している方は、ただの認識不足か、煽りたい人か、自民党が嫌いすぎる人のいずれかでしょう。
以上が僕個人の考えです。