第一章俺!誕生!!!(・・・おや!?俺のようすが・・・!)
それからどうしたって感じで一週間たった。
あれから俺は「武器」と泣いてない、結構喉にくるんだこれが。
その間、新しい母上様こと[エリトイーア・ブキガスキー]に付かず離れずおっぱいとオシメを要求している。
首が座ってないから動き回れないのがもどかしいが。
…うん前科ある手前下手ができない。
寝返りをうつ感じで体を動かしていたら、予想より重い頭、座ってない首、イコール「ぐえ!」ってなった。
そしてたまたま見ていた母上様、悲鳴を聞き付けてやってくる父上様、イコール、パニックになった。
あ、はい下手に動きませんとも母上様。
だから穴が空きそうな位に見つめないで下さい、目覚めてしまいます。
「よし!ふっかーーーつ!!」
はい?母上様、出産の後遺症とかもう大丈夫なのですか?
「カッケツ~ちょっと二・三日、カー君と出掛けてくるね~」
はい?
「なぬ!?何処にいくんじゃ?というか動いて大丈夫なのか?カーシンも一緒とはどういうことじゃ?」
そうですよ母上様!?急にそんなこと言われても分かりませんよ!?説明プリーズ!
「慌てない慌てない、エルフの子供は生まれてすぐに精霊様の下に連れていかれて、その後失くなるそのときまで守ってもらうことになってるのよ。本来エルフの高位神官がやることだけど、ここにいないから私が代わりってわけ」
「うぬぅ、そうだったんじゃな。ん?出掛けてくると言っとったが、それに儂はついていってはダメなのか?」
「男子禁制なの~」
「むむむ!遠くなのか?」
「約半日離れた湖でやるの~」
「なら、そこまで一緒にいくぞ!」
「私の足で半日よ~ついてこれるの~」
「ぐふ!ぐぬぬぬ~」
「むぅ~私の腕が信じられないの~」
「そこは疑っとらん、さっきまで動けなかったエリーとまだ首も座っとらんジュニアが心配なだけじゃ」
「むぅ~そう言われると弱いな~」
このイチャイチャは日常茶飯事です。前世から免疫力に長ける俺に隙はない。
…ただ嫁さんともっとイチャイチャしたかったと後悔が酷いが。
「私の運動もかねてるから大丈夫、森の中でエルフに勝てる奴なんていると思うの~」
「少なくとも三体おるじゃろう、森の三大頭が」
「あ~マボロシフォックスとアッシュラコングは確かにヤバいけど~敵対しなければ温厚なボスだから。後の一体は問題なし今でも狩れるよ~」
「うむぅ、心配ないのならよいのじゃが。二・三日だけじゃぞ!少しでも遅くなったら森を切り倒してでも探すからの!」
お、話が終わったか。俺と母上様の二・三日の旅行か~いやぁワクワクするな~
後、父上様あまり心配し過ぎると血を吐きますよ~[カッケツ・ブキガスキー]なだけに。
うん、寒い
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はい、母上様が森の木々をピョンピョンっと移動していくと、そこには綺麗な湖があった。
う~んデートスポットにバッチリな清み渡った湖~そこで男子と女性が二人っきり。クゥーーーー
「少し早く来すぎちゃったみたいね。カー君ゆっくり待ってましょうね~」
「あう!」
「っつ!びっくりした~いくらなんでも生まれて一週間の子が返事するわけないわよね~」
おっと失敗失敗、つい返事をしてしまった。
「それにしても里以外で精霊様の住処があるなんて、見つけるまで気付かなかったな~」
精霊の住処?
そういえばさっきから目の前にゆらゆらしてるものが見えるんだがこれが精霊?
「カー君どうしたの~」
ニギ!
腕が届かない!
「カー君?」
ニギ!
Miss!避けただと!
「もしかしてもう見えてる?」
そこか!
パシッ!
『わーい!まっしろしろすけつかまえたーママみて~』
…ん?俺、幼児退行してね?
「え?微妖精をつかまえた??」
え?不味いことだった?てか[微]??
「すっご~~い!!生後一週間なのにカー君ってば魔法の素質ありまくり~~!!!」
え!?どうしたのです母上様!?
「微妖精を視認出来るだけで一人前なのに捕まえるって、カー君天才すぎ!エルフ界のホープ間違いなしぃ~~~!!!」
母上様!母上様!!俺抱えたままWRYYYYYしないで下さい!落ちます!!頭に血がのぼります~
それから母上様は俺を落とす前に正気に戻り、頭を撫でたり、頬をスリスリしたりと執拗に構ってくる
『わーい!ママにほめられた~』
んん?また変な感じがした。転生の影響か?いまさら?
うーん、マクスウェル様かあの女神でもいいから相談したい。
「え?」
どうされました?母上様?
「嘘?月が出てないのに、太陽が真上なのに精霊門が開く??」
母上様落ち着いて、俺はなにがなんだか分かりませんが焦っちゃだめです!ほら、素数を数えて…
…
…
…素数知らねぇぇ!
「あわわわ!清めもしてないのに~」
あわわわ!母上様急に脱ぎ出して何をするつもりですか!
キャー!俺も身ぐるみ剥がされた!!
「カー君ごめん!少し息を止めて目を閉じて!」
生後一週間の子供にそんなこと言ったって通じるわけないでしょう!!
しかし俺こと富木拓夫!言うことを聞いちゃう良い子ですとも!
スタートラインについた母上様、俺を抱えて飛び込んだ!?
「ぷは!カー君大丈夫!?」
イエスマイマザー!でも普通なら泣き出すところですよ、赤ちゃんですから。
「よかった、里とは勝手が違うけど儀式始めるね」
家で言ってた精霊に憑いてもらうのですね。
「『エルフの子、エリトイーアが彼の彼方に願い奉る。』」
わわ!俺を掲げないでください母上様!やるならラ○○ンキングみたいに!
って首が座ってないから出来ないか。
「『新しきエルフの子、名はカーシン』」
エルフだけじゃないのだけどそれでいいのかなぁ?
「『彼方の君、魔の主、闇夜に迷いし我らの導き手』」
めっちゃ太陽に曝されてます。今のところ迷ってないです。
「『新しき祖が子に』」
母上様の子です。
「『祖が寵愛を、願いたもう』」
母上様の愛で十分です。
ん?なにか来る?
あれ?母上様の手から離れてね!?
浮いてる?俺浮いてんの!!??
「………え?」
「え?」ってなに!?
今俺召し上げられそうなんだけど!!!
キャトルミューテーションされてるんだけど!
触覚とかアンテナとかつけられるとかいーーーーやーーーーだーーーーー!!!
「うそ………大精霊?」
大妖精でも!悪魔でも!アレな女神でもいい!!
宇宙人は嫌だ!!!アザトイデスとかヨクホグースとかニャンたら徒歩ステップとか来るな~~~~~!!!
『………愛しき子』
だれ!?俺の産地はピンチヒッターでホームランなんだけど!!
俺見ず知らずの人に抱えられてる?
誰!?良く見たら姿透けてるし、顔もよくみえねぇ!
うん不審者ですね間違いない。
よし!泣くぞ!!ほら泣くぞ!!!俺が泣く!!!!
「うええええええええええええぇ~~ん!!!」
『大丈夫………愛しき子』
「うええええええええええええぇ~~ん!!!」
『あの………大丈夫だよ~』
「うええええええええええええぇ~~ん!!!」
『ほら…怖くな~~い怖くな~~い』
「うええええええええええええぇ~~ん!!!」
『泣き止んで~おねが~~い』
「うええええええええええええぇ~~ん!!!」
『ど……どうしよう。泣き止んでくれませんよ~』
ん?めっちゃおろおろしてる?
今俺、優しく抱えられてる?
うーん………打ち方やめ!様子を見る、警戒を怠るな!
『っほ、泣き止んでくれました』
めっちゃ警戒してるけどね、何かしてきたら容赦しないから覚悟しやがれ!
『愛しき子カーシン、あなたに根源にして光源を。私の名はマグノリア』
駄洒落?
ってあれ?消えた。結局なんだったんだあれ。
「カー君!カー君!!」
おっと、母上様がお呼びだ。
って俺は今何処にいる?
ー湖 上空 五メートルー
ワッツ!なにこれ?頭のなかにさっきの女性の声が。
ー光源のマグノリアの加護 光が当たるすべての情報 知覚する
及び 知識のマクスウェルの権能 知覚した情報の解析 開示ー
お、おう。何かチートを手に入れたみたいだけど、先ずは今の話。
俺絶賛落下中ですかバーロー!!
ー非 光源のマグノリアの加護 光指すところ 愛しき子 守るー
どゆこと!?
『見えてないですけど、今も愛しき子を抱き抱えてますよ~』
ほ、そゆこと。
まだよく分かってないけど、詳しくは後で聞くとして。
とりま母上様の所に戻してほしいんだけど。
『分かりました』
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「カー君カー君カー君カー君」
こわ!母上様、壊れたラジオみたいにならないで下さい。
落ち着いて
ー了承 対象エリトイーア 精神安定魔法『リフレッシュ』 使用ー
え!加護って魔法を使うの!?
ー妨害 不発ー
失敗しとるんかーーーーい!
って妨害?誰が邪魔したの?
ー対象 愛しき子ー
俺!?俺は魔法を使ったことないぞ!
『間違いなく愛しき子が魔法を妨害しました』
いやいやいや、使い方も分からんもんをそうこう出来ないって。
『正確には愛しき子カーシンが妨害しました』
ん??
カーシンが妨害した?
え?カーシン・ブキガスキー・ジュニアって俺のことだろ、元富木拓夫で現カーシン・ブキガスキー・ジュニア
それが今の俺。
『愛しき子タクオあなたには心当たりがあるはず』
え?今、タクオって………
最近、幼児退行がひどいって思ってたあれのことか?
『ママ~くすぐったい~』
そうこれ。
…
…
…
…これ!?
エルフ 「ようやく僕の出番か~」
ドワーフ「これ!それを言うのはまだ早いぞ」
拓夫 「いいんじゃない、ネタバレとかしまくってるし」
ドワーフ「タークォン!身も蓋もないことを言うでない!」
エルフ 「次回僕無双!この次もサービスサービス~」
ドワーフ「やめんか!」