言葉の壁
面接が終わり、次週。ドキドキの初出勤。
施設の仕事には、早番、日勤、遅番、夜勤と4種類あり、僕は日勤で仕事をする事になった。
日勤はデイサービスになっていて、施設内や、外部からのお年寄りを一つのホールに集めて9時から17時まで面倒を見ると言うもの。
施設長(男性)は整体師の先生で、デイサービスをしながらお年寄りのマッサージをする。
事務長(女性)はひたすら事務所で処理をしている。
この二人は僕の面接官だった。
施設長「今日は初めてで、何をして良いか分からないだろうから、今日は皆の仕事の仕方をしっかり見てると良いよ」
まさか何をして良いか分からん事無いだろう。何かとやる事はあるはず。やりながら仕事の仕方を覚えてやるんだから。
と気合十分でお年寄りを迎えてサービスが始まった。
しかし、動けん。勝手が分からない。皆何をして何をどう動いているのか。施設長の言った事は間違い無かった。
何をすれば良いのか。悩んだ末、取り敢えずそこら辺のお爺ちゃんに話しかける事にした。
僕「おはようございます!今日からお世話になりますね!」
爺「・・・・・」
僕「・・・」
爺「・・・・」
僕「お名前はなn。。爺「むぁ〜〜!」」
あ。あかん。次はお婆ちゃんに話しかけて見よう。
僕「おはようございます!今日からお世話になりますね!」
婆「ゆたしくうにげーさびらね。!★◎▽♬〜〜!」
は?
何言うてるん。このお年寄りは。
と思ったのと同時に、ここは沖縄だと言う事を思い出した。
方言らしい方言を沖縄に来てまだ聞いた事がなかったので、油断していた。ガチの方言使いやがる。
ハテナマーク全開の僕に対し、他職員がニヤニヤしながらフォローを入れてくれた。
早速言葉の壁にぶち当たる僕。その日はトイレへ誘導し、ごはんを与える人になったのだった。