第4話 報酬とシオナ
「そう言われましても…」
どうしましょう…流石に助けられてなにもなしなんて無理だわ。。
お金は必要ないと言われたシオナは困ってしまう
実際にさっき見たアキの魔法は強力だったしあのレベルの魔法使いを街で雇えば店の利益など簡単にとんでしまうが恩人になにも返さないなど商人には許されないからだ。
「ならシオナさん、街に着いたら換金屋か宝石か魔石を買ってくれる店を紹介してください
僕は知り合いが居ませんから良心的な店を紹介してくるだけで助かります」
アキはこれだというような顔をして言った
まぁ旅人としては当たり前だが換金や買い取りの店で悪どいところを使ってしまえば自分の首をしめてしまうからだった。
「ですけどそれじゃ全く護衛や助けていただいた報酬には見合いません…」
そう言いシオナは考え込んでしまう。
「いいじゃないですか、僕がそれで十分なんですから」
その瞬間シオナは何か閃いたのか明るくなった顔をあげて喋りだした。
「分かりました、でもそれだけでは商人の矜持が許しませんから後から違う報酬をお渡しします」
シオナの頑な態度にアキはこれは自分が諦めた方が早いと思い。
「ありがとうございます、でも無理の無い範囲でお願いしますね」
「はい!分かりました」
そう言いながら笑ったシオナはとても綺麗なのに商人特有の笑みも混ざっていてアキは答えを間違えたかもと思ったが言質をとられた以上アキのまけである。。
まぁしょうがないかシオナさんからは悪意は感じないし好きな様にしてもらおう。
報酬も決めて安心したのか軽やかに話し出す。
「アキさんは旅人ですよね。
なら何か分からない事なんかがあれば分かる範囲ならお教え出来ますよ。」
シオナの言葉にアキは考えた。
う~ん…実際なにを聞くかな。。
余り変な事を聞いてもおかしく思われるだろうし…
アキは暫く考えた後に。
「なら民の級や貨幣の位なんかを教えてもらえませんか??」
など当たり障り無い内容を聞いてみた。
本当は国の制度や街の規模にと聞きたいことは一杯あったが旅人が全く知らないのはおかしいのでやめおいた。。
「民の級ですか。。
級には1~3級があり1級は大商人とかの街や国に税を多く納めている方ですね
2級は一般の民ですね規定の人頭税を納めくらしています一応亜人も通常は2級です。
あとは3級ですが…」
そういいながらシオナは少し顔をしかめて
あぁそうか…シオナさんは3級っていってたよな。
ダメなことを聞いちゃったな…
「シオナさん別に無理に話さなくていいですよ?
」
「いえ、街に入ればいずれ分かることですから
3級とは奴隷の子供がなる級です。。
基本的に奴隷に級はありませんが子供が生まれた際は子供のみ国に引き取られ3級になります
一応は級があるので民として扱われ私の様に商売をしたりする権利はありますが一部の貴族階級の方達には奴隷の子供として奴隷と変わらない扱いを受けます。。」
アキはやはりそうかと思った
今までの世界でも馬車が主流だったり魔物の居る世界では殆ど世界で奴隷制度はあった。
それでもアキは申し訳ない気持ちになり謝った。
「そうだったんですか。
言い辛い事を聞いてすみません…」
「ふふ、気にしないでください。
先程も言いましたが街に入ればいずれ分かることですから、それにそういった扱いをされるのは一部の貴族の方だけで街では貴族に会わない限り何も問題は無いんです。」
シオナも今まではそれが当たり前で謝られるのは予想外でだったのか少し笑っていた。
そうして二人で話ていると時間が経つのも早く明日の移動を考えるとそろそろ寝る時間となりアキはシオナへ寝る場所を教えて自分も隣の部屋を使い寝る事にした。。
「じゃあシオナさんおやすみなさい。」
「はい、ベッドお借りしますね。」
シオナも返事をして部屋に入っていった。。
アキもベッドに入り一人で考えていた
「はぁー中々ややこしい制度の有る国なんだなぁ
それにやっぱり何処に行っても少しはバカな貴族がいるんだなぁ」
アキの中では人間も亜人も奴隷や貴族だって等しく生きている者であり敵対してこない限りは自分の中では平等だからこそ差別などする気は全くないから一部の貴族の行いがバカらしく思えた。。
そしてそんな事を考えていると、、
コンコンコン
アキの部屋の扉が叩かれた。
扉の向こうからシオナが声を描けてきた
「アキさん起きていますか?」
アキは何かあったのかと身を起こして返事を返した
「起きてますよ、どうかしました?」
「先程の報酬をお渡しします。」
シオナに言われてそう言えばそんな約束をしたと思いだしたアキはシオナの入室を促す。
「あぁーそうでしたね。
鍵は空いていますからどうぞ入ってください」
アキが言うと扉が開かれシオナがはいってくる
だが、アキは入ってきたシオナを見て驚き声を上げる。
「シ、シオナさんどうしたんですか!?」
入ってきたシオナは上着を一枚着けているだけで他には何も着ていないのだ。。
「先程の報酬です。。」
シオナは顔を赤く染めながら少しうつむき言い放った。。
「これくらいしか私には出来ませんが受け取ってください。
それに男性なら女に恥をかかせないでくださいよ??」
そう言ったシオナは少し照れくさそうにでも笑顔で言ったのだった。。
鱗族と報酬から報酬とシオナにタイトルを変更しました。
鱗族を回収出来ませんでした( ´_ゝ`)
次話は幕話となります。
今から書きますがシオナとアキのエロス話になるため苦手な方は飛ばして下さい。