迷子の子犬 〜浮気調査編〜
事件3日後、いろいろ聞きに回ったが、情報は一切無かった。
香川さんも連絡が一切無い。
これで手掛かりが無くなってしまった。
依頼料もそろそろ底を突きそうだ。
1週間後…。
友人に借金することになった。
探偵やるのも辛いなぁ。
そもそもなんで探偵に憧れたんだ?向いてないのかな?
幼なじみは、ITの社長さんだし。
元カノは、有名企業の秘書だし。
弟は、海外の一流ブランドの経営者だし。
あーーーーー。挙げたらキリがない。だって、友人みんな家賃30万以上なんだよなあ。
どうする?
今、自分を皮肉に思ってる前に、別の依頼で家賃払わなければ。
ピンポ〜ン
横島
「はい。」
女
「浮気調査をしてください。」
浮気調査!?
どうしよう?でも、当たって砕けろだ!
女
「最近私の夫、行動が怪しいんです。」
横島
「で、何か情報があればいいのですが。」
女
「あ、はい。」
写真を見せてもらうと、いかにも浮気しそうな男だ。
女
「あ!間違えました。これ、うちの社長です。」
もしかしてこの女の人、社長と浮気してるんじゃないの?かなり動揺してるし、でも言わないことにしよう。
女
「お願いします。」
横島
「はい、分かりました。」
女は、そそくさとこの場を去った。
会社帰りを待ちますか。
俺は、鳴吐社前で待つことにした。
30分後、姿を現した。
一人のようだ。
さあ、行きますか。
男は、居酒屋に入って行った。後をつけると、浮気相手だろうか?若い女の人が、すでに来ていた。何も怪しい所は無い。
楽しそうに会話を楽しんでいる。
店員
「ちょっとお客様、何も頼んでいないようですが…。」
横島
「あー、すいません。じゃあ、生ビールをください。」
店員
「かしこまりました。」
ずっと見てたから、頼むの忘れてた。あ!いない。いつの間に。
見失ってしまった。探偵としてあるまじき事をするなんて。生頼んじゃったし、どうしよう。
もう遅かった。よりによって今日は混んでいたらしく、飲み終わった頃に外には男が居なかった。
仕方なくここで終わることにした。
女
「どういうことですか!」
横島
「すいません。」
女
「謝っても駄目です。もういいです、他の所で調査してもらいます。」
横島
「…。」
ピンポ〜ン
男
「開けてくれないか!」
横島
「はい…。」
男
「お前!浮気してたんだな!探偵に調査してもらって分かったんだぞ!」
女
「何、言ってるの?そこの女は誰なの?」
男
「探偵だ。それと社長と浮気している所を撮った写真だ。」
女
「あ。ごめんなさ〜い。」
女は、逃げた。
男
「すいませんね。これ迷惑かけました料です。」
なんと!30万をもらった。
一瞬だった。
まさか、浮気相手と思った人が探偵だなんて。
しかも、こんな大金返さないと。
大金を見て茫然したのか、男は居なくなっていた。
思ってたとおり、社長が不倫相手だった。
まあ、一件落着ということで。さあ、香川さんのお兄さんの件を片付けますか。
つづく