↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/169

夢のはじまり

「うわぁ!」


シャロンはブルディナ地方にある、ユニジアの王都に来ていた。


全てが新しかった、常に戦争をしている国とは違い、民の表情は明るく活気に満ちている。


町並みも前衛的で、防衛都市のシュトラーダとは似ても似つかなかった。


ーーーわたし、めっちゃ田舎者臭く見えるんじゃあ・・・


「そうだ、ケンウッドさんの紹介状には、えーっと・・・」


シャロンは紹介状に書かれている場所を目指して歩き出した。


「あ!」


一件の酒場が目に止まった。


ーー森の調べ亭


とても綺麗な外観で、美術的な外装が施されている。


シャロンは気が付くと入り口のドアを開けて、中に入っていた。


中もとてもおしゃれな雰囲気で、奥には小さなステージがあり、ハープが置かれている。


「すごい!」

シャロンは無意識に声を出していた。


「いらっしゃい!お好きな席にどうぞ」


清楚な服装に身を包んだ女性が接客をしている。


ーーーこれだわ、こんな酒場がやりたい!


出されたメニューにも目を奪われた。


木板に丁寧に書かれた文字と装飾。


シャロンの夢への想いが刺激されて、どんどん膨らんでくる。


「すみません!」

シャロンは店員の女性に声をかける。


「この料理はどんな料理ですか?」


シャロンの好奇心が止まらない・・・子供の頃のシャロンが蘇る。


気が付くとすっかり日が落ちていた。


「はっ!ヤバい!行かないと!」

シャロンのテーブルには、空の酒の瓶が2本、平らげた料理の皿が5枚並んでいた。


「ご馳走様!すごく美味しかった!また来ます!」


そう言って勘定を済ませると、店を飛び出した。


紹介された場所は、小さな屋敷のような建物だった。

看板には、「キャンデス魔法学塾」と書かれている。


コンコン!


シャロンは大きな扉をノックする。

「ごめんください!」


しばらくすると、扉が少しだけ開く。

「どなた?」

隙間から淑女が、顔半分覗かせる。


「あ、あの、初めてお目にかかります。シュトラーダのケンウッド様からご紹介いただきましたシャロンと申します」


「・・・あなた、飲んでるの?」


「は、あ、はい、その、申し訳ありません!」


「紹介状、見せて」


「あ、はい失礼しました、こちらを・・・」

シャロンは慌てて紹介状を差し出した。


その女性は紹介状を受け取ると、扉を開けた。


「入りなさい」

無表情でそう言って、シャロンを家に招き入れると、玄関で封を開けて、紹介状に目を通す。


「・・・ランディルの希望、シャロン・ミリー」

女性が呟く。


「・・・はい」

シャロンは思わず返事をする。


「たくさん殺したんでしょうね〜」


「はい!?」

シャロンは思わぬ言葉にギョッとした。


「ここは、学び舎です、戦争屋は不要です」

女は冷たく言い放つ。


「ちょ、ちょっと待って下さい、私・・・確かに、命令とは言え、何千もの魔物を殺しました、でも、ケンウッドさんが・・・託してくれたんです」

シャロンは俯いて、一瞬言葉をた詰まらせる。

そのまま、唇をかみしめて、拳を強く握りしめる。


「何でもします!話をさせて下さい!」

シャロンは目を大きく見開いて、女性の顔を見据えた。


女性はしばらく無言でシャロンを見つめる。


「・・・・・なるほど、すごい迫力ですね、さすが英雄と言ったところでしょうか、分かりました、少し話をしましょう、私はこの塾の塾長キャンデス・マッケンジーです」

キャンデスの口元が少し緩む。


ーーー試された、この人、ただ者じゃない?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。