未知の魔力
エルリン達は、山の中腹まで退却し、しばらく戦場の様子を見ていた。
エルリンが草むらに寝転がり、アストリッドがエルリンに引っ付いて一緒に寝転がっている中、ファフナロッタは一人立って戦場を観察している。
「リン、やはり陣形が崩れたシュトラーダ軍が劣勢ですね」
ファフナロッタが冷静に分析する。
「シュトラーダは昔から、隊列が乱れると簡単に押し込まれる、有能な隊長がいないのよ」
エルリンがウトウトしながら応える。
!
その瞬間、三人を包む空気が震えた。
「リン!」
「ーーーこの魔力・・・なに?」
エルリンが慌てて立ち上がる。
凄まじい爆音が鳴り響き、爆炎が同時にいくつも上がる。
見る見る内に、魔族の群が焼かれていく。
「こんな凄まじい魔力・・・レミー様に匹敵します!いや、それ以上かも!人族がこれほどの魔法を!?・・・いや、有り得ない!」
ファフナロッタが、これほど慌てふためく顔をするのはエルリンにとって初見であった。
「これは・・・人族側、ここから見えないけど、後方ね」
「キャハハ!人族にも骨のある奴がいるんだね」
アストリッドがあぐらをかきながら高笑いする。
さっきまで劣勢だった人族が、とてつもない魔法の支援で一気に巻き返す。
ーーーどんな奴なんだろう、離れた場所からでも魔力の大きさが分かるなんて・・・。
エルリンは心の中で呟いた。
「リン!城に戻りましょう!シュトラーダを調査する必要があると思います!」
ファフナロッタは逼迫した表情で言い放った。
「そうね、とにかく一度戻りましょう」
3人はヴァンパイア城へと急いだ。




