僕とぼく
2050年の日本は八名鏡という鏡が流行っていた
坂原高校
「ねえ今日の鏡のテーマ聞いた?!」
「なになに〜」
「今日の鏡のテーマ自分が有名人になったらって言うのらしい!」
「えー!!昨日あったらいいのになあって話してたやつじゃん!?」
こんな会話が聞こえる。はあ...ばかばかしい鏡見るとかナルシストにも程があるだろ...
「よお!祐!最近サッカーの調子上がって来てよお」
この人は先輩「柳ちゃん」って呼ばれてる。本名は知らん。
「へえ!そうなんすね!自分はなかなかテニス上手くならなくて...」
「あーそう言う日あるよな!俺も昨日まで上手くできてたのに明日になったらコツ忘れちまってるよそういや祐次の授業何?」
「総合で内容が流行語についてだったと思います」
「流行語!いいなあ俺も流行語について学びてえよ
」
そんな感じで休み時間が終わった。総合だ。めちゃくちゃ楽だよ。しかも今日これで終わり。帰ったら何するかなあ...
「なあお前ら...鏡見てるか?」と先生..いつもと違う...
「みてる〜!」他の生徒が言う
「ああ...そうか」と先生
そのあとは何もなく授業は終わった。
「なあ2024年のガーチャーって言葉おもろくね?」
「ガチ?とかの意味だったよねまあ2050年の流行語は確定で八名鏡だろうね」
「そりゃあんだけ自分の思い通りになるんだから流行語としても使われるでしょww」
「だよね〜帰ったら鏡見よっと」
女子の会話が聞こえてくる
俺は先輩に家帰ったらスコップを持って公園に来いと呼ばれている。正直金曜だからゆっくりしたいところだけどなんだか面白そうだったから受諾してしまった。
先輩と合流して少し歩いた。こんなところに行くのかよ...そこには薄れ汚れた廃工場のようなところだった。とても製品を生産している所とは思えない。
スコップってどうやって使うんだ?
工場内に入ったが中は綺麗だ。中から見たらなかなかに広い。これが有名な八名鏡だ。久しぶりに見た見た感じ今日のテーマではないな。大人のような姿に変わっている。どんどん歩いていく。棚が多く迷路みたいになっている。先輩はずっと無言だ。何かいつもとは違う雰囲気を感じる。何か凛々しいというか、なんというか。
「せ、先輩僕たちはどこへ向かってるんですか?」
「...」答えようとしない
資料室へ来た。鏡についてだ。こう書かれている
「八名鏡はモニターの様に自分の理想図を映し出すものである。たちまち日本人は中毒になり八名鏡がないと生きていけなくなる。そしてこの鏡を合わせ鏡にして見るたびに運命は変わり呪いは伝承される」
何かを悟った。僕が鏡を見た時合わせ鏡だった
「騙してごめん...呪いを持っているは今お前だ。でも呪いの移し方を教える。八名鏡を合わせ鏡にしてその間に呪いを移したい人を立たせる。すると呪いは伝承される。今日は帰れ」と先輩は泣きながら言う
運命が変わる。
1日経った。ニュースでは八名鏡の話題でもちっきりだ。呪いって結局何だったんだ。
「それでは次のニュースです。昨日マンションの一室で男性の変死体が見つかりました。死亡した男性は八名鏡が合わせ鏡になった所の間で亡くなっていたとのことです。警察はこの男性だけ血流や心臓が一瞬で止まってしまったとのこと。」
昨日、呪いで人が死んだ?いや呪い以外ない。先輩が合わせ鏡で呪いを見つけてから呪いの伝承が始まった?毎日人が死ぬのか?冗談じゃない...じゃあ先輩スコップで僕を埋めようとしたのか...?
僕は運命を変えにいく。
「号外〜!号外〜!呪い発生!呪い発生!」
「えー嘘でしょお〜ww」
焦ってSNSを開く。合わせ鏡の内容が多い...運命が変わってしまった。昨日工場へ行かなければこんな話題はなかったはず。
学校が終わった
SNSを見る。...?!
「今有名な八名鏡で合わせ鏡したw死なないことを祈るww」
舐めてるのかこの呪いは決して遊びなんかじゃない。
次の日「それでは八名鏡についてのニュースです。また八名鏡を合わせ鏡にして間に入った女性が昨晩死亡しているのが確認されました。一昨日の男性と同じ様に一瞬で血流や心臓が止まってしまった様です」
昨日の人か?!SNSを開く。いや更新されている
「結局死ななかったしwwやっぱ条件合わせ鏡じゃないでしょww」
いや、違うんだ...死ぬのは1人だけなんだ...
人間不信になった様な気分。今日は学校を休んだ。
4ヶ月後「ご報告です。このアカウントを運命していた簗さんが死亡しました。」結局亡くなってしまった。フェイクなんかじゃない。これは命と今後の名誉をかけた戦いが始まるのだ。街はすでに荒れ毎日八名鏡を掲げた人達が正義気取りで騒いでる。学校なんか行けたもんじゃないし、もう諦める。そんなことより僕も戦わないと死ぬ。結局人は醜い。
鏡なんか使わなくともこの武器で...いやそんなことはできない。自分の良心があってできない...積み上げてきたものを今壊す必要ない。
「おらぁしねえ!死ねよぉ!」
なんだあいつ、狂ってやがる。鏡を掲げた猿どもを拳だけで殺し回ってる...ヤバい!目があった。
パリンッ!はあ?!あいつ俺のマンションの部屋の大窓割りやがった!登ってくれる訳ないのに!ここ9階だぞ!しかもどうやって割っ...登って来やがった。
「なあ生きる意味って何に感じる?」興奮気味に聞いて来た
「は、はあ...?わ...わからない」
「あっそう...俺はヒーロー気取りの弱い悪を潰してる時かなあ...!そうだ、日本変えに行こうぜ。今の政治は偉い奴は今死んだら困るから何もできやしねえ!俺先に降りとくからお前も下に来て返事聞かせて!んじゃあ」飛び降りた。ロープに捕まった...あいつなんなんだ。俺は部屋を飛び出して階段を駆け降りた。あ、居た。
「さ、さっきの話!のるよ俺も!」
「いいね!その言葉待ってた。後お前生き急がないんだね...まあ俺はいいと思うぜ」
なんだこいつ...まあ良い心強い仲間が出来た
「あっ!君なんて呼べば良い?」
「あ?名前?そんなん良いよ今必要ねえ祐」
一方的に知られてる?!
「えっ...ちょっと...」
見失った!
数日後俺が住んでいる場所はかなり反乱が少なくなった。嬉しいそれもこれもあいつのおかげ。そんなことより八名鏡と柳ちゃんの行方について知りたい。思ったことは柳と八名鏡の八名って読み方が「やな」であること以外共通点はなかった。だけど確実に柳ちゃんがキーマンであることはほぼ確実である。どうしよう
「ちーっす!おはよう!ここら辺は最近戦える相手が居なくておもん無いなあ!せっかくなら大阪行こうぜどうせ生に執着してるゾンビ共がいっぱいだぜ?」
大阪には大きな八名鏡販売所がある。
電車やバスなんかは動いていない。歩いて行く。丸2日くらいだろうか?
数日後
「おーここが大阪駅かめちゃくちゃ都会じゃん」
工場へ向かう。目当ては工場であることを普通に忘れていた。
やっぱだ。資料室があった。ここの八名鏡についての欄に...?!
「八名鏡はモニターの様に自分の理想図を映し出すものである。たちまち日本人は中毒になり八名鏡がないと生きていけなくなる。そしてここの呪いはこれを読むと作動する大阪工場では鏡に写したものをパラレルへと連れ込む」またの、呪い!?パラレルワールドってなんだよ。いや、確認のために行こう。
大阪工場には入り口に鏡が置いてあった。さっきは資料を読んでいなかったからパラレルワールドへは入っていないはず。とりあえずあいつに連絡をしないと。電話を取り出す。電源がつかない...と思えば急に画面が割れた。ここ、やけに寒い...早く鏡か外へ。とりあえず1番行きやすい鏡へッ!鏡を覗く。うわっ!鏡の前の自分が微笑んでいる。慌てて自分の顔を触って確認する...ほ、微笑んでいる...確認したからパラレルワールドになっているはずなのだが...あれ、暖かいかも。あれ呼吸の仕方が何か違う...そんな事どうでもいい!とりあえず外へ!さっき工場へ入った窓へ向かった。出れる!足を上げてでた。は...?地面には砂利があり目の前には鳥居...神社に来たのか?
池田神社...俺の苗字と一緒だ...もしかして祀られてるのって...焦って神主に聞きに行く。
「祀られてる人池田裕って方なんですけどね。とても紳士な方で八名鏡について調べていたのですよ。結局八名鏡を作った人は池田さんが調べている間に亡くなっていてその上神戸で起こった反乱に関わっていた人を全員殴り殺したと一緒にいた仲間に裏切られ死刑判決で亡くなられました。まあ今となっては数百年前の話だから覚える必要はないですよ」
は?俺が冤罪で殺される?冤罪を擦りつけられると言ったらあいつしかいない。出口を探さないと......って八名鏡はこの世界には...ない...
この後池田裕(僕)が元の世界に戻れることはなかった。
八名鏡を作っていたのは結局誰なのかわからない。誰かが解明することだろう。僕がいなくなったからあの大量殺人の奴は法に裁かれ、八名鏡による被害者はどんどん増えていくことだろう。
「それでは八名鏡についてです。本日池田裕さんが行方不明になっていると警察に通報がありました。服装は——...そして八名鏡による犠牲者は2500万人に上り人口は1億人を切りました。計画通りです。ニュースキャスター柳ちゃんこと柳川勲でした」