プロローグ
更新はしばらく週1回、毎週月曜日の午前0時を予定しております。
次回更新は8月1日 午前0時です。
「どうしてこうなった……?」
今、俺の目の前には最愛の妻が血に塗れて横たわっている。
「あはははっ! いーねキミ! いい感じに狂っているよ! 最高だ! あははっ! 最愛の妻を助けたつもりで居たのに妻を殺した事に気づいていないなんてっ! ゾクゾクするよっ!」
放心状態の俺を指さし、腹を抱えながら漆黒の装束を纏った道化の様な男が嘲笑う。
「キミは本当に愚かな奴だよ、真に見るべきものが見えていない。これじゃあ何度やり直しても同じ結末にしかならないよ?」
「駄目よ! 奴の言葉に呑まれないでっ! 貴方は何も間違えていないっ! 貴方の今までを否定しないで! 目の前の敵をしっかり見て!」
光に満ちた白い装束を纏った女が男の言葉を遮るように、俺へ言葉を投げかけてくる。
「うるさい! 元はと言えばお前らが原因なんだ! お前らさえいなければ! こんな苦しい思いや悲しい思いはしなくて済んだんだ!」
俺は感情のままに涙をぼろぼろと零しながら叫んだ。
「やり直してやる……何度でも……俺達はお前らの道具になんて絶対にならない!」
妻の身体はどんどんと体温を失っていくのに反して、俺は怒りで血が沸騰しているかの様に身体が熱い。
いっそ燃えて死ねたなら、どれほど気が楽になるだろうか?
「駄目よ! それ以上その力に頼ってしまうと貴方の魂が崩壊してしまうわ!」
「うるさい! 俺に指図をするな!」
俺は女の言葉をかき消す様に言う。
すると男は両腕を広げて天を仰ぎながら笑みを浮かべる。
「イイじゃないか〜! キミは僕が考えてた以上に愚かだった! 警戒をした僕の取り越し苦労だったよ。何度でもやり直せばいいんだよ〜? 何度繰り返しても同じ結果にたどり着くよう調整してあげるけどね?」
「お前らだけは絶対に許さない! 俺は何度でもお前らを倒しに来る! そして、妻を返してもらう!」
俺は二柱の「神」を睨みつけながら冷たくなった妻を抱き寄せ、彼女の血で塗れた短剣を強く握りしめた。
「待っていてくれ……必ず助けてやるからな……」
そして俺は自分の首を切った。
人生初の作品です。
プロローグだけ先に投稿させて頂きました。
なるべくエタらない様に頑張りたいと思いますので、これから宜しくお願いします。