ベッドの中で……
ミサキさんの部屋着を借りた。ウサギのいっぱい入ったグレーとピンクの可愛いもふもふの上下だった。
久しぶりに服を着て、ほっとする。人間に戻れた感じ。
スマホを借りて家に電話を入れた。友達の家に泊まってるのを延長するということにした。
ミサキさんが出前でラーメンを取ってくれた。あつあつの醤油ラーメンに唐揚げと餃子もついていた。
小さなテーブルを挟んで向かい合う。
「さー、食べて食べて〜。お腹空いてるっしょー?」
笑顔でお箸を手にそう言う彼女に、あたしは茶封筒を両手で差し出した。
「こ、これを、差し上げます」
「何、これ?」
お箸を口にくわえてミサキさんが中身を確認するより早く、あたしが言った。
「さ、30万です」
「どっ……、どうしたのこれ?」
「お爺さんに若いエキスを吸わせてあげたお礼に頂きました」
「ばかっ!」
ミサキさんの目が厳しくなった。
「あんた、自分を大切にしなよ! ってか、オサムのカノジョなんじゃないの!? 何やって……」
説明をしてわかってもらうまでに約15分を要した。腋の下の匂いを嗅がれただけだと、なんとか納得してもらった。ラーメンがのびてしまった。
「こっちおいでよ」
ミサキさんがベッドに誘ってくる。
「一緒に寝よう」
床にゴロ寝でよかったけど、断るのも可愛げがないかな、と思ってお邪魔した。
ダブルベッドだった。
「いつもサオリちゃんと一緒に寝てるからね、一人じゃ寂しいの」
仰向けに寝転がったあたしの胸にミサキさんが手を乗せ、撫で回してくる。
「ねえ……」
甘い吐息を耳に吹き込まれた。
「いい?」




