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黒野くんへ

 黒野くんと付き合いはじめてもう2ヶ月だ。


 クラスの中でも地味な存在な彼のいいとこ、あたしはいっぱい知ってる。




 あたしだけが知ってるいいとこ、いっぱい。




 学校の帰り道、怪我してる子犬を助けてあげた優しい手つき。

 見知らぬおばあちゃんと手を繋いで横断歩道を渡った温かい笑顔。

 コンビニの店員さんが間違えてお釣りを多く渡しちゃったのに気づいて店内に戻った正しい人間っぷり。


 全部あたしには話さないけど、あたし隠れてしっかり見てたんだからね。


 あたしが失くしたお財布、いつの間にかポケットに戻ってたのあれ、黒野くんだよね?

 あたしが落としたコンタクト、いつの間にか机の上に置いてあったのあれ、黒野くんだよね?

 初めてのデートの時、あたしの服の襟にタグついてるのに気づいて焦ったけど、いつの間にか取れてたのあれ、黒野くんだよね?


 もー、いっつも優しいとこ、人前では見せないんだから!




 無愛想だけど密かに優しくて、なかなか笑顔を見せてはくれないけど温かくて、手も握ってくれない彼だけど


 あたしのこと本当は食べちゃいたいぐらい好きだってこと、知ってるんだから。




 でも大胆すぎたかな。素っ裸にピンク色のリボン巻いただけの格好の自分をダンボール箱に入れて届けるなんて……。



 ううん。きっと喜んでくれる。凄くびっくりした後、笑ってくれる。



 そして抱き締めてくれるんだ。



 あたしもバカだなぁ。



 こんなことしないと大好きだってことアピールできないんだなんて。



 でも、これで正解。


 正解だと信じる。


 もう後には戻れない、彼の部屋まで強制送還。


 彼が箱を開けたら、かわいい笑顔で飛び出すしかないんだ。


 やるぞ!


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