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リボン
そうだ! あたしをプレゼントしよう!
閃いたアイデアに思わず拳を握り締め、背の低い子に作ってくれてありがとう! と神様に感謝したあたしは、早速服を全部脱ぐと、自分をピンク色のリボンでぐるぐる巻きにし、温州みかんのダンボール箱に入った。
黒野くんは絶対喜んでくれる。彼への誕生日プレゼントを。だってあたしのカレだもん。とてもクールでツンデレなひとだけど、絶対あたしのことを、心の中では激しくあれやこれやしたいって思ってるはずだもん。
ちっちゃな箱からあたしが颯爽とリボン一丁で、じゃん! と現れたら、どんな顔するかな。
ふふ、楽しみ。
あ。宅急便のひとが来たみたい。あたしの入ったダンボール箱を持ち上げて、一声「重っ」って言って、車に乗せた。
ふふ。
行って来ます。
あなたの元へ──