第一章 ミノとアズ 19
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無人の工場内はしんと静まりかえっていて、見なれているはずなのに別の場所であるかのようにミノリは錯覚してしまう。破壊され天井がないところがあるため、あらぬ方向から強化ガラスごしの日の光がさしこんでいるせいかもしれないし、ガレキが散乱しているせいかもしれない。ショウのいう通り、監視カメラは作動していないようである。
「私は直接、ヨウスケさんちへ跳ぶから、あんたは堂々とここをでていくんだよ。自分の勤務先なんだから、変にコソコソしない方がいい」
「わかった。連絡は? どう取る?」ミノリがいうと昨日同様、頭の中で声が聞こえた。
“こんな方法もあるけど──”ショウはここまで精神感応で伝えると「やっぱ、普通にバングルフォンで電話だな。ヨウスケさんにミノリへかけてもらうよ」と言葉にした。
「ボクもリーダーたちの無事を確認したら板垣さんに電話する」
「そうして。じゃあ、いくね……またな、ミノリ」
「ああ。また」
ビュン!と音を立ててショウが消えた。ひとりになったミノリは、周囲を警戒しつつそろそろとわれたガラス窓から身を乗りだして外部にでた。正面出入り口は入退館システムが機能していないからである。
なにくわぬ顔で警察によってはられた立ち入り禁止電磁波テープを乗りこえ、工場の敷地外にでる。あらためて見ると周辺の建造物も軒なみ爆破されたようで、付近工場街はさながらゴーストタウンの様相をていしていた。いつもの帰路で五番街の公営団地へと足早に歩いていると、低空飛行していた監視ドローンがミノリの認証IDを感知したらしく後を追いはじめた。くるな、とミノリが考える間もなく、このあたりをパトロールしていたらしいK109が三機、かけつけ、彼の前に立ちふさがった。
『昨日、収容所から脱走した小久保ミノリさんですね?』
「はい」
『念のため、サーチします』三本足のロボット警官はミノリのサードアイからID認証を読みとり、本人確認をおえると尋問を開始した。一晩中どこに潜伏していたのか? 板垣ヨウスケは本当にミュートと顔見知りではないのか? あなた自身はミュートとの関わりはないのか? などなど。マシンガンアームを常に頭へむけられながらという恐怖の詰問タイムである。しかしK109の尋問は案外あっさりとしていて、約二十分ほどで終了した。
『小久保ミノリさん、昨日の事件に関しては現在、特赦がでているため再拘束はしませんが、ひとつだけ条件が提示されます。よろしいでしょうか?』
「はい」
『収容施設で見聞きしたこと、あなた自身がしたこと、されたこと。その一切を口外しないこと。それが再拘束を回避する条件です。わかりましたか?』
「わかりました。絶対に口外しません」ミノリが機械的にこたえるとK109は機銃つきの腕をおろし、彼を解放してくれた。想定内といえば想定内であるが、ミノリは違和感しか感じなかった。昨日、彼は同じ連合警察の捜査官に拷問され、障害者にされかけたのだ。なにかがおかしい、簡単すぎる。なにか裏があるに違いない。ミノリはそう思わずにいられなかった。
検問所をいくつか通過したが、ふたたび尋問に引っかかることもなく五番街公営団地にたどり着くことができた。山中タマミの部屋は以前、何度かたずねたことがあるので迷うことなくいけるだろうが、小堺リョウジの部屋は訪問したことがないのでタマミに号棟と室番を聞くことにした。そういえば、ショウはとっくにヨウスケと会っているはずだが、なんの連絡もない。ミノリは少し気になったけれど、ふたりとも用心ぶかい人間なので問題はあるまいと考え、まずはタマミの部屋へと急いだ。タマミの無事を確認したらこちらからヨウスケに電話をかければいいのだ。
タマミの部屋の前に立ったミノリは玄関脇の呼び鈴を押す。
『どなたですか?』インターホンごしに男の声がした。おそらくご主人だろう。ただ、その声はふるえ、ミノリは暗く重苦しい感情がうねっていることを感じた。
「リーダー、いえ、山中タマミさんの部下で、小久保といいます」ミノリがこたえると玄関ドアが勢いよくバーンと音をたてて開かれた! そして危うくドアに激突しかけたミノリが冷や汗をぬぐう間もなく、やわらかくて温かいものに突然、抱きしめられた。
「小久保くん! 小久保くん! よかった、生きてた!」タマミはボロボロと涙を流しながらミノリにほおずりをする。
「リーダー、はい、リーダーも無事でよかった!」なすがままにされながら、ほっと胸をなでおろしたミノリにタマミがいった。
「とにかく中に入って」そして周囲に目をくばると、強引に彼の腕を引っぱった。
「ち、ちょっと待ってください」ミノリはサードアイを入り口センサーへとかざす。これをせずに室内へ入れば、侵入者と見なされ、昨日の二の舞になりかねない。
「あ、そうね。どうかしてるな、私」
タマミの住む部屋は、ヨウスケの本宅と同様のつくりでミノリの部屋よりも広い。そしてヨウスケの部屋を和とすれば、この部屋のイメージは洋であった。家というのは同じ間取りでも住人によって顔を変えるものらしい。室内に通されたミノリはソファにかけ、アッキーと呼ばれるRA2075型のいれた紅茶を飲んでいる。その間、タマミの旦那である山中ミチロウは落ち着きなく、そして油断なく、彼を観察しているようであった。ミノリはミチロウから強烈な悪感情を持たれていることを感じた。おそらく彼がミュートであることをタマミから聞いているのだろう。災厄に巻き込まれることを恐れているのであろう。もしかするとタマミが警察に拘束されたこと、それがミノリのせいだと考えているのかもしれない。以前、調整部のメンバーと食事におよばれしたときは娘がいただけで、ミチロウは留守であった。初対面の人間から、これほどの悪意をむけられた経験はミノリには初めてのことである。
「あのリーダー、足、どうかしましたか?」ミノリがたずねた。先ほどからタマミの歩き方がどうにもぎこちない気がしたのだ。
「うん。まあ、ね。股を、その無理やり……」タマミは言葉を切った。しかしミノリはすぐに察することができた。彼女はそうした屈辱的な拷問を連合警察から受けたのだろう。
「ぼ、ボクなんかおしっこもらしちゃいました。あ、そうだ!」立ちあがるミノリ。
「どうしたの?」
「ズボン、そのときのままなんです」恥ずかしそうにミノリがいうと、笑顔を見せるタマミ。
「気にしないでよ、そのくらいのこと。すわって。早く」
「はい。すいません」すわりなおしたミノリは思った。失禁がそのくらいのこと。タマミがどれだけひどい目にあわされたのか、想像にあまりある。彼はふたたび怒りにふるえた。「あ、あの、今日、娘さんは?」ミノリが話題を変えると、それまで黙っていたミチロウが唐突に激しい声をあげた。
「お母さんがボロボロになって帰ってきて! 夜中にロボット警官の襲撃を受けて! こんなところへ娘をおいておけるか!」
「あなた、やめて!」目を剥いてミチロウをとめようとするタマミ。
「みんな、お前らのせいだろ! でていけ! でていけ!」
「あなた!」タマミはミチロウの横っ面をはった。
「タマミ……でもさ!」
「この小久保くんは命の恩人なの。そういったでしょ? 落ち着いて、あなた」
「すまない」ミチロウはタマミとミノリに頭をさげると、くずれるようにソファへ腰をおろす。
「あの、ボク帰ります。リーダーの無事を確かめたくてきただけなんで。あ、そうだ。小堺さんの住所、教えてください。これからいってきます」
「板垣さんは?」
「今、その、あのときのエムが安否の確認をしにいってます」
「エム……そう。板垣さん、無事だといいけど」
「電話してみます?」
「してみて! 私のバングルフォン、故障したみたいなの。この人にかけてもらったけど、板垣さんの方も調子がよくないみたいでつながらなくて」
「故障?」
「電極を、その、突っこまれて、体に電気を流されたの。それが原因みたい」
「!!──なんてマネを!」ミノリがどなると、プラスチックの紅茶カップが一瞬で砕けた。ミュートの能力に蒼ざめるミチロウ、そしてタマミ。「あ! すいません! すいません!」
「……すごいのね、ビックリした。でもそんな場合じゃない。板垣さんに電話して!」
「はい」ミノリはバングルフォンの光学ディスプレイを立ちあげるが、やはり板垣ヨウスケにはつながらなかった。おそらく最重要容疑者であるヨウスケも、通電拷問を受けたのだろう。
「あの子……そのエム、マゾっ子は信用できるの?」
「はい。あのマゾっ子がいなかったら、ボクはおそらく失明していました」
「目を……」
「あ、だから今は大丈夫です。リーダーの顔、ちゃんと見えてます」
「そう……じゃ、板垣さんはマゾっ子にまかせるとして、問題は小堺くんね」
「どういうことでしょう?」
「小堺くん、私たちとは違う装甲パトカーに乗せられて別の場所へ連れていかれたようだったから。だから、あなたのことも心配してたのよ。若者だけよそに送られたんじゃないかって」
「小堺さん、あの収容所にいなかったんですか!?」
「わからない。でも、気絶していたあなたとも引きはなされて、それから板垣さんとも引きはなされて、私……」タマミは頭をかかえて激しくふった。嘔吐でもしそうな勢いで。
「ねぇ、悪いけど……」ミチロウがおずおずと口をはさんだ。「収容所での出来事は一切、口外しないというのが特赦の条件なんだ。これ以上、この部屋でその話は……」彼とミノリのバングルフォンは生きているのだ。今このときも、ヒュペルコンピューター『アガサ』が聞き耳を立てていないともかぎらない。
「ボク、小堺さんに会ってきます。住所、教えてください。リーダー」
タマミから聞いた号棟と室番をたよりに、ミノリはかけた。ふたつあった検問所では焦れまくってしまいK109をはねとばしたい衝動を懸命にこらえた。そしてリョウジの部屋の前に立ってタマミのときと同じように呼び鈴を押したが、まるっきり無反応である。
ミノリはバングルフォンの補聴機能を調整して聴覚感度をあげてみたが、密閉性の高さが売りの公営住宅ゆえ中からはなにも聞こえなかった。こまりはてたミノリは──。
「え?」思わず声がでてしまった。一瞬ではあったが室内の様子が見えたような気がしたのである。まさかと思いつつあらためてドアへむけて目を凝らす。するとおぼろげながら見えてきた。霞がかかったようにではあるが、見えるのであるリョウジの住む部屋の内部が。「嘘だろ?」自分自身に驚いておよび腰になり、扉からはなれるミノリ。気密性の高いぶ厚いドアのむこう側が実際に見えたとは思えない。脳内にイメージがうかんだといったところである。恐怖にかられ、なかばパニック状態にはあったが、しかし、今一番の重要事項は小堺リョウジの安否である。ミノリは深呼吸をしてふたたびドアにはりついて透視能力を発動させた。間取りは彼の部屋と同じ、中央にはRA2075がぶらさがっている。しかし、当の本人、この部屋の主の姿はないようである。そういえば、とミノリは昨日、彼を拷問した捜査官の言葉を思い出した。
「小堺リョウジくんといったか? 彼なんぞ泣いてわめいて大変だったそうだよ」
大変だったそうだよ、あの男はそういったのだ。聞きようによっては人ごとともとれるいいまわしである。もしかするとタマミのいった通り、別の施設へ移送されていまだに監禁されているのでは? だが理由がわからない、しかもなんの根拠もない。しばらくその場で考えこんでいたミノリの脳裏にふと養護施設時代の先輩、鈴村サトシの顔がうかんだ。彼はまぎれもなく一般州民であった。それにも関わらずミュートとして殺処分されたのだ。
「まさか……」あのときは夏祭りで、そして今回は収容所。双方ともにミュートのテロがあったあとのことである。いやな考えが頭をよぎる。連合政府、いや連合警察は大きな成果が見こまれない場合、一般州民をミュートとして殺処分することで対面をたもってきたのではないか? ただメンツのためだけに州民をいけにえにしているのではないか? ミノリは頭をふって、その考えを否定した。いくらなんでもそこまではするまいと思いなおした。リョウジはただ、でかけているだけかもしれないのだ。ミノリはいちおう、リョウジの不在をタマミに報告しておくべきだろうと、いったん彼女の部屋へもどることにした。
「そう。小堺くん、いなかったの……」ミノリの言葉を聞いて肩を落とすタマミ。
「はい。でも、だからって、まだなにもわかりませんよ。ご家族とか友達の部屋へいったのかもしれないし。今のボクみたいに」いっていてミノリは、唯一の友達、アズのことを思い、早めに部屋へもどらないと、と考えていた。
「そうね。悪い方向に考えちゃだめよね」
──そのとき、室内の光学ディスプレイから、ちょうど正午の時報が鳴った。午前八時前にコロニー外からもどったので、工場からタマミの部屋とリョウジの部屋の往復をしただけであるのに、あれから四時間がすぎたことになる。検問、なんとかならないのかな? ミノリがそんなことを思っていると、なにか悪寒のような邪悪な意思、意識を突然、感じた。そして目の前にいるタマミが首を押さえて、のどをかきむしり、その場にばったりと倒れ、ラグマットの上で悶え苦しみはじめる!
「リーダー!」
「タマミ!」ミノリとミチロウははじかれたようにタマミを助けおこそうとして互いに頭をぶつけてしまう。しかしかまわず叫ぶミチロウ。「タマミ、どうした? タマミ!」
ぼん!という音がしてタマミの胸もとが爆発したように炸裂、鮮血や内臓が飛び散った。それはまるで真っ赤な花火が打ちあげられたかのようであった。
「うわぁあ!」タマミの血を全身にあびて悲鳴をあげるしかないミチロウ、そしてミノリ。そのミノリの胸がしめつけられるように圧迫される! うう、とうなりながらも彼は思った。ミュートだ! これはミュートの攻撃だ! ミノリは懸命に集中して室内を小きざみに瞬間移動する! 相手の力を一点にしぼらせないようにするにはそれしかなかったのである。このまま逃げてもいいのだが、ミチロウまで殺されてしまうかもしれない。ミノリは跳びつづけるが、そのあとを追うように室内の家具や調度品が音をたてて爆裂していく。
「ミチロウさん! 逃げろ!」跳びながら叫ぶミノリ! 眼前でおきている現象に頭がついていけず呆けたようにすわりこんでいるミチロウ。ミノリは仕方なくRA2075にどなる! 「アッキー、ミチロウさんを守れ! 警察へ通報しろ!」
『了解しました』アッキーと呼ばれるRAは動けないミチロウの頭と胸もとをかばうように十本のアームでおおった。それで超能力を跳ねのけられるとは到底思えないが、なにもしないよりはマシだろう。『通報しました。五分後にK109到着予定です』
「五分か……くそ! でてこい! でてこいよ!」あと五分も瞬間移動を連続すれば神経の摩耗で自滅してしまうだろう。ただ、それは相手にしても同じことであるはず。観念動力をあれだけ連発して、まともでいられるわけがない。こうなったらなぐりあいでもなんでも直接対決するしかないのだ。「うん?」ミュートによるミノリへの攻撃がとまった。しかしまだ油断はできず、力は使わずにステップするように動きながらあたりをうかがうミノリ。……どうやらおわったらしい。彼をつつみこんでいた邪気が消えた。いったんあきらめたのであろう。
『あと二分で警察がきます』アッキーがいった。一難さってまた一難、ミチロウに証言されたら警察にミュートだとばれてしまう。ミノリはほとんど意識をうしなっているミチロウとタマミの遺体に頭をさげて室外へと飛びだした。
通路にでるなりなにかにつまずいて転びそうになるミノリ。見ればそれは、二十代前半の若い男であった。どうやら呼吸をしていない。ミノリは直感した、この男が攻撃をしかけてきたのだと。そして無理に力を使いすぎたあげく死んだのだと。遠くにK109を搭載した戦闘ヘリの機影が三機、見えた。ミノリはあわてず、しかし急いで、平静をよそおいつつその場をはなれた。
山中夫妻の住む棟からなんとか脱出したミノリは団地内を歩きながら、まずは自室にもどりアズがいるかどうかを確認したかったが、そこで大変なことに気がついた。ミュートに襲われたのはタマミと自分、少なくともミチロウはやつの射程圏内にはいなかったようだ。つまりは昨日、収容所から脱走したふたりをねらっていたのだ。とすると──。
「板垣さん!」ミノリはきびすをかえして、板垣ヨウスケの本宅へとむかった。
わずらわしい検問も同じ団地内で、しかもタマミの部屋からであるから一カ所ですんだが、尋問に引っかかり、顔や服についた血液についてしつこく聞かれた。業を煮やしたミノリは観念動力を使い、自身の腹を浅く切り裂いた。そして転んで切ってしまったから医者へ急いでいるとうったえて、血のふきでている腹の傷をK109へ見せた。
『お大事に』K109はそういって通してくれた。
先を急ぎながらミノリは、先ほどのミュート襲撃について思考をめぐらせていた。なぜタマミが殺され、ミノリ自身が殺されそうになったのか? どうして収容所の脱走者をねらうのか? なぜミュートが一般州民をあれほど執拗に……。
「まさか!」それは恐るべき考えであった。確証はないが、しかし考えられることであった。言葉をうしなって立ちどまったミノリの頭の中に、女の声が響いた!
“助けて! ミノリ!”
「──ショウ!」ヨウスケの部屋は近い。上空に監視ドローンはいない。しかしカメラはどうかわからない。それでもミノリは補強工事中の天柱の仮囲いにかくれて、腹を押さえながら瞬間移動した。
耳をつんざくような警報音。部屋のすみでおびえたようにまるくなっているヨウスケの妻ワカコと子供たち。そしてタマミ同様、ヨウスケも床に伏し、血にまみれて死んでいた。そこへいきなり現れたミノリは、室内の中央でもみあうふたりの女を見た。ひとりはポンチョの裾をふりまわして戦うショウであったが、もうひとりもミュートに違いない。
「くそ! どけ、ショウ!」
「ミノリ、遅い!」どなりながら腰を落とすショウ! ミノリは観念動力をミュートへとぶつけた! はじけ飛ぶミュートの女。二発、三発、ミノリは連発して、完全に意識をうしなうまで彼女をたたく。ついに女はその場にばったりとくずれ落ちた。
「板垣さん!」叫んだミノリはショウを見る。ショウは首を横にふった。
「早く逃げないとヤバイよ……あと三分で警察がくる」
「またかよ!」歯ぎしりするミノリ。
「また?」
「跳べるか?」
「無理っぽい。今、力でない」能力のかぎりをつくして抗ったのであろう。ショウもまた今にも倒れそうであった。
「ボクにつかまれ!」ミノリはショウの手をつかみ、自分の腰にまわさせる。そしてガクガクとふるえている三人に声をかけた。「ユウスケくん、ケイちゃん、奥さん。またきます!」
ショウを抱きかかえるようにしてささえたミノリは、現れたときと同じように風切り音を残し、RA2075型ロボットアーム、タロウが発する警報が鳴りやまない室内から消えた。
(つづく)
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