表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
令嬢リプカと六人の百合王子様。~熱愛の聖女、竜遣いの戦鬼姫、追放の無双策士にドラ●もんメカニック、太陽みたいな強ギャルに、麗しのプリンス!悪女と蔑まれた婚約破棄から始まる――【魔王】のための逢瀬物語~  作者: 羽羽樹 壱理
令嬢リプカと六人の百合王子様。~悪女と蔑まれた婚約破棄から始まる逢瀬物語~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/540

第二十八話:フランシスの助言

「ビビ様、少しお話ししませんか?」「ん? ああ」「さてミスティア、支度したくを済ませてしまおうか」「もう完了済みです、お兄様」「……まあ、興味がないわけじゃないしな。見とくかな」「……フン」


 ある者は急ぎ足で、ある者はゆったりと、それぞれ行動を起こす様子を見ながら、リプカも席を立った。

 これからどうしようと考えていると、こちらに歩み寄ってくる姿が一つあった。一歩と共にきらめきが溢れるような存在感――。


「リプカちゃん! 調子はどうだねっ?」


 ポンと軽く肩を叩き、アズは輝く笑顔を向けてくれた。リプカは自然と身が軽くなるような心地を覚えながら微笑みを返した。

 二人で大広間の外へ歩き出しながら、リプカのほうから話を切り出した。


「アズ様……これから少しお話できないでしょうか?」


「おっ、私もちょうどお話ししたいなって思ってたとこ! あの後の事とかも聞きたいしっ」


「はい。では、私のお部屋で……」


「オッケー! ……ところでリプカちゃん?」


「なんでしょう?」


「ツッコまないわけにはいかないから聞くけど――それ、どしたの……?」


 アズは問うて、自分の両頬に手を当てた。

 リプカは赤面して手で頬を包み隠しながら、モゴモゴと答えた。


「そ、それについては……お部屋についてからお話ししますわ……」


「――どうやら色々不測の事態があったようだ……。りょーかい、お部屋でお話聞かせてね」


「はい、是非ぜひ。……あの、ところで――」


 リプカは、もう誰もいなくなった辺りを見回しながら、首を傾げた。


「皆様、随分とお急ぎになって、どちらへ向かったのでしょう?」


「あー、それは……」


 アズはなぜか微妙な表情になり、リプカからツイと目を反らして、先程のリプカのようにモゴモゴと発声を濁した。


「……まあ、みんな……助言を確かめに行ったんだと思う……」


「…………? 助言……?」


「――ま、まあまあ! 私たちは私たちで、二人語り合おうっ!」


「は、はい……。…………?」


 アズナメルトゥの明らかな取り繕いが見える下手くそなごまかしにリプカは素直に頷きながらも、未だ晴れぬ疑問に、頭はかしいでいた。


(助言、を――確かめに……?)


 考えてみたが、リプカにはその意味がまったく分からなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ