第四話 依頼
「ヤッター!冒険者だー!冒険者になったぞー!」
ミカはそう叫び、嬉しそうに笑う。
「ふふ、良かったわね。でもいきなりSランクはちょっと」
「まぁ、別にいいじゃん!えっと、Sランクの依頼は…あった!これだ〜」
ミカは依頼を指さして、はしゃいでいる。
「じゃあ行ってきます!」
「まって、ミカ!ミカの攻撃手段まだないでしょう」
「そーだね〜!じゃ、魔法使いにする〜。私の攻撃は…水、風、氷!よし、じゃあいこ!!」
そういって、ミカはエルとエミの手を引き、目的地に向かって歩いて行った。
「ついた!ここだよ!(たぶんね)」
「ちょっと!今小声で多分ねって言ったわよね!」
2人は言い合っている。
「今回は魔物倒しに来て…名前なんだっけ?でも、依頼の横に貼られてた写真が合ったから見た目なら分かるよ!」
「…」
エミは黙っている。
エミは空気のようで何も話されていない。
エミはいじけたようだ。
「あっ、エミ!そっち言っちゃダメ」
エミはようやく話しかけられて顔を輝かせている。
「がおおおおおおおおおおおお!」
「え、なにあれ気持ち悪!ゴブリンとか言うやつ?」
「うん、そだよー。(たぶん)とりあえず倒さなきゃ」
「くるくるくる」
「何その鳴き声」
エミがそう言った瞬間、ゴブリン(?)の口からクリームが吹き出した。
クリームが、吹き出した。
「…クリーム」
「…ゴブリンが」
「…口から」
「「「クリーム吐き出したあああああああああぁぁぁ?!」」」
「え、気持ち悪い!氷!えい!」
ミカが作り出した氷の矢でゴブリンは刺され、死んだ。
「ちょっと気持ち悪いけどこのゴブリン持ち帰らなきゃ。だって新種だもんね、報告しないと…でどうやって持ち帰るか…そうだ!」
「現実化!私の服に着いてるポケット、いくらでも入って、大きさ関係なくはいるようにな〜れ!出すのも自由!」
ポンッ!
「よし、これでいいね」
「「う、うん…」」
「ってことでチマチマ冒険者ギルドへわーぷ!現実化」
ファンっ!と音がなり、ミカたちは冒険者ギルドに着いた。
「ねえ、ミカ。なんか引っかかるんだけど…忘れてる事ないかな?」
「あ!依頼クリアしてない!依頼ゴブリンじゃないもん!」
「そうそう、依頼クリアしてない…?ちょっとそれやばいよ!」
「ま、別にいいっしょ!」
ミカは気に止めて居ないようだ。
「受付の人ー!なんか変なゴブリンが居た!依頼クリアしてないけど、このゴブリン、口からクリーム吐いた!」
そういって、ポケットからゴブリンを取り出す。
「えっと、じゃあ…鑑定」
受付の人はしばらく黙り…
「クリームゴブリン…?なんだそれ、聞いた事ないぞ…」
「依頼はクリアしてないって言ってたけど…申し込みされてないよ。だから大丈夫だ。そして、新しいモンスター発見で…金貨五枚」
「え、金貨…?なにそれ?」
「知らないのかい?銅貨、銀貨、金貨、虹金貨。だから、金貨は結構価値があるよ。はい、どうぞ」
「うーん…よく分かんないけど、大金ゲット!やった〜」