第十一話 授業…?
「ふわぁ…」
もう朝か…7時だな。ここは寮だし、投稿時間は八時半までという、だいぶ遅めな設定だから焦らないでも良い時間だ。ごはん作らないと…って、あれ?なんか引っかかる。…私以外完璧な1年生だよね?ご飯どうすんの?食堂あるのかな…
コンコン
「はーい?」
誰だろ…こんな時間に?
ガチャ
「あ、スピア…おはよ…」
「うん、レイちゃん、おはよう!レイって呼んでいい?」
「あ、いいよ。それで、どうしたの?こんな時間に」
「ご飯ほしーの」
「ご飯…ご飯ね…」
ピンポンパンポーン
「ご飯でお困りの皆様、すみません。全ての寮に食堂が着いております。1回にあるのでそちらで食事をしてください」
「あ、食堂あるんだー…スピア、いこ」
「うん」
結構歩くなー…エレベーターが無い。魔法の世界だからか…そうだ!
「浮遊」
おお、浮いた!うん、高さも調整できるな。
これなら、楽だな…ん?スピアも浮いて…あ、もしかしたら間接している人は魔法?というかスキルの効果受けるのか!…お、見えてきた!あれが食堂?めちゃくちゃ豪華だな…
「レイ!ここ、食堂!おいしそーなの、いっぱいあるー」
「うん、そーだねー」
うん、一年生だな…ん?ご飯がある…?なんであるんだろ…家では食べなかったのにな?
凄い高いとしても、うちなら買えるお金はあるだろうし…まぁいいか。
「レイーっ!このすくらんぶるえっぐっていうのおいしそー!この、けちゃっぷっていうのを、かけるんだって!聞いたことない!」
「スクランブルエッグ?!たべる!ケチャッブどこ?」
「ここー!あ、はくまいって言うのがあるよ!見たことも聞いたこともなーい」
「白米?!どうしてそんなものが…」
やっぱ、日本…というか、地球からの転生者は結構いるのか…んー、スクランブルエッグおいしー!
あ、いつの間にか八時十五分になってる。早く食べなきゃ…
…ふぅ、おいしかったぁ!
「ご馳走様でしたあ」
「…?レイ、そのごちそうさまでしたって、なあに?」
「え?あ、そっかこの世界にはない…えっとね、私の元の世界の文化なんだ」
「…?ふーん、そーなんだー」
いけないいけない、家族が言ってなかったから言わなかったけど、久しぶりに日本の食べ物食べたからご馳走様って言っちゃった。というかもう二十七分。早く行かないと!
「スピア、早く行くよ。もう二十七分…二十八分だよ!遅刻しちゃう」
「あっ、ほんとだー!じゃあ転移しよっか」
「え?転移…?」
「転移ーっ!」
「わっ?!…ここ、学校の中?1年B組だったよね。スピアも」
「うん、いこ!と言っても、すぐそこだけどね」
「あ、ほんとだ」
ガラララララララララ
おー、ここが私(達)の教室…荷物?荷物は…あ、みんな持ってないね!よかった、セーフだ。
ガララララ、ピシャン
「おはようございます。私が今日からこのクラスの担任をするレモン・フェルミです」
「おはよーございまーす」
「ふふ、元気がいいですね。流石です。では、今日の授業はバリアの取得です」
バリアかー…取得出来るかな?
(貴方には、早くスキルが取得出来る【取得(早)】を譲渡したので安心して下さい)
え?神様の声?…うーん、気のせいかな?一応ステータス…に、確かに入ってる。
「魔導書を読み、書いてあることをやって見ましょう。五ページです」
「え、魔導書なんて貰って───持ってる!」
私も言おうと思ったけど、誰かが先に言った。確かに私も持ってる。すごく分厚い…
五ページはここか。「自分を守るイメージで魔力を手に込めて、放出し、薄くして、誰かの攻撃を弾けたらバリアの出来上がりです。あとは、他の魔力をこめて水のバリアを作ったり、破れずらくするだけです」か…よし、やってみよう!…あれ?魔力って、どう込める…?
(魔力よ集まれと念じてみなさい。貴方には私の加護を付けたのでステータスにラルーア魔導神の加護がついているはずです。私とも念話が出来るはずです)
(神様ありがとうございます…)
(いえ、それほどでも)
え、今ので念話できてたのね…とりあえずやってみよう!
(魔力よ集まれ)
あ、なんか指先暑いかんじする。あれ、消えた!よし、バリア張るぞ!と思ったら集まってきた!よし、放出ー!薄い板が出来上がった!
「ブルーレイさん、もう出来たのですね。では先生の魔法を受け止められるかしら?
───炎よ球となり飛んでゆけ─ファイアボール」
ボワっ…シュンっ
「…え?消え、た?私の魔法が一年生のバリアに…?普通、相打ちになるはずで…?!あり得ないわ…一年生程度のバリアじゃ大人の魔法を消す事は…むううこうなったら──召喚されし竜─────炎の竜!」
「っ?!」
やばいやばいそれはさすがにダメ!ダメだよ!こっ、こうなったら魔力に水を付与して水バリアに…
「水の衣」
(神様、私どうすれば…)
(大丈夫です。私の加護でほとんどの魔法は詠唱無しで使えます。魔法の名前は頭に入れて置いたので使ってください)
(はい、頑張ります、神様───!)
シュンっ
私達はいつの間にか、学校の闘技場へワープされ──そんな事にも気付かずに、担任の先生と本気の戦いを繰り広げるのだった────。