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アンデッドダンジョン、第一~第四階層を攻略し終えた。このダンジョンは下級で、内装はありきたりな米国などの共同墓地である霊園みたいなもので、全体的に綺麗だったのには驚いたものだ。だがおかしなことに全体的な階層は五階までなのだがどうにもゾンビ共の量が異常に多い。俺の知る中で最も多いと言える、それも一つの階層にびっしりとゾンビ共がいる事なんて見たことも聞いた事もない。それでも奴らは脆い、俺の攻撃を止めるには至らないので攻略は順調だった。ただ気分は下がるが……


それで次の階層である五階が最終層なのだが、なーんか……おかしな雰囲気を感じる。目の前にある扉の先には恐らくダンジョンマスターが存在するはずなのだが……


「下級にしてはどうも強すぎる」


死者の王(ノースライフキング)”とは違う、生者の気配を持っているのだ。それで1つの推測が思い浮かんだ。


ここ、人工ダンジョンでは? と。


人工ダンジョンという物はその名の通り人の手により作られた擬似的に再現されたダンジョンだ。製作できるものは錬金術師に絞られるものの、作り出せたものは異世界でも余りいなかった。それに作れたとしても一階層や二階層がせいぜいなのだ……それなのに五階層のダンジョンを作れるということはここに居るやつ、異世界の錬金術師より強い。警戒度を引き上げて挑まなければいけないのだが……


「錬金術師、か。相手の戦闘スタイルによるが」


負ける気がしない。そういうことであった。


「ま、行きますか」


階段を下りていき、その下にある小さな木製の扉を開けて入る。














入った先は薄暗く、適度に広く、何をするにしても丁度いい部屋だった。つまり殺し合いにも最適だし、実験にもちょうどいい。そして部屋の奥には一人の男がとてつもなく巨大な……腕?を弄っていた、継ぎ接ぎだらけでボロい。だがなーんか嫌な予感がするんだよなぁ……


それで男の容姿なのだが、ボサボサ髪に短剣を腰に差し、何か呪文を唱えていた。その顔は分からないが多分どこか狂気じみてるんだろう。


「あぁ、やっぱり錬金術師が居たか」


そう声に出して改めて確認すると男はこちらに振り返りとても気持ち悪い笑みを浮かべた。文字にすると「にちゃぁ」だな。厄介オタクでもそんな表情しないぜ。それで顔は……普通だが、右目しかなく、その右目には狂気が滲み出ていた。


「……んっはぁ、久々の客だァねぇ。いらっしゃァい、歓迎するよォ」

「歓迎するにしてもここ、臭くねぇか?」

「当たり前でしょうよォ、ここは死体しかないんだからねぇ?死臭って言うんだっけぇ?」


言語は問題ない、と。どうやら自動翻訳は上手く働いてくれてるようだ。あの世界限定なんて言われてなかったからもしかしてと思ったが良かった。


「とりまそんなことどうでもいいから、死んでもらうが……いいか?」

「それはそれはぁ、アンデッドの製作者たるあたしを?」

「あー……そういう系?」

「そういう系だよぉ〜?」


つまり自己蘇生型の術式を刻んでいるんだろう。部屋のどこかか、己の体なのかは知らないが面倒臭いことになるな……


「うっわ、だる。燃やしたら死なない?」

「それで死んだ覚えはないかなぁ〜」

「なら浄化かな」

「浄化は効くねぇ……死にたくないから逃げていいかいぃ?」

「ダメって言っても逃げるだろ?」

「勿論さ〜!」


そういい足早に逃げていく錬金術師、その去り際に巨大な腕を叩き何が発動していた。そして起き上がった姿を見て嫌な予感が当たったと確信した。


「マジモンの巨人を使ったゾンビを作ってたのか!」

「そうだねぇ、手に入れるのに苦労してさぁ〜、ボロボロにしちゃったから継ぎ接ぎで直したんだよねぇ……」

「どこの一族の巨人使ったァ!」


巨人、それはこの世界にもどの世界にも存在する世界最大の人類種。そしてその一番の特徴といえるのは世界が変わっても巨人の一族は変わらないということ、奴らは独自に世界渡る技術を持っている。まぁ神様の子供ってのが元だから分かるが、こいつ……まさか!


「霜の巨人の系譜だよぉ」


北!欧!神!話!


「ぬがァァァァァ!てめぇのせいかァァ!」


ふざけんなお前のせいかそうかそうかお前のせいだったのか許さん絶対許さん生かして帰さんどこに行こうと絶対逃さんぞこのクソ野郎がァ!


「な、なんだよぉ……いきなり何怒ってんだよォ!」

「しかも……ゾンビにされたかぁ……そうかそうか……」


可哀想に、奥さんも居たって言うのにこんな姿になっちまって……魂はもうこの場に無いだろうがせめて介錯してやる。


「てめぇの相手はこいつの後にしてやる、首を洗って待ってろ」

「馬鹿だねぇ……例えゾンビとなっても巨人は巨人なんだ。人間が勝てるわけないでしょぉにぃ」


戦闘開始。






異世界にいた頃霜の巨人の1人が行方不明になった為、捜索のために主人公が駆り出されたが20年経っても見つからず、ストレスが溜まってモヤモヤしていた所に真犯人がわかったのでブチ切れた。

しかも1番惨い姿で見つかった。


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