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ずっと息を潜めていたのに、見つかるときは案外容易く見つかってしまうらしかった。
荒々しく覆いを剥ぎ取った御者は、私を見下ろして何事か怒鳴った。咄嗟に何も言えず、何を言われているかも理解できない。呆然としている内に、腕を強く掴まれて荷物の間から引きずり出された。
――この汚らしい、何とか、と御者が唾を散らす。難しい言葉は、分からないのだ。乾いた地面に叩きつけられ、私は小さく呻いた。草も生えない固い大地だった。
「おねがい、します、」
上手く声が出ない喉で、囁くように言いつのる。
「王都に行けば、しごとが、あるって、ききました」
地面に手をついて立ち上がった。今しがた引き下ろされた馬車に腕を伸ばし、私はよたよたと数歩進んだ。嘲笑され、私は立ち竦む。
「王都に行けば仕事がある? お前のような奴にか」
それはまるで、ありえないと言わんばかりの声音だった。したたかに頬を打たれたような心地がして、息を飲む。
「ほら、さっさと行きましょうよ」
御者台から顔を出した女性が、明るい声で言った。「そうだな」と御者も頷き、馬車へ上がる。
「待って、こんなところで、置いて行かれたら」
私は咳き込みながら馬車の後ろに掴まった。その直後、ぐん、と馬車が進む。追いつくように走ることもできなかった。数秒の間、馬車の後ろで引きずられたが、やがて指が滑り、私は顔から地面に倒れ込む。
口の中に広がる、無味の砂の感触を噛みしめた。風が吹きすさぶ。砂がいくつも腕に当たった。何も遮るもののない、乾いた平野の中心で、私は倒れ伏していた。
それから、少し歩いたけれど、もうこれ以上足は動かなかった。倒れるように座り込む、私の足下をトカゲが通る。手を伸ばしても、捕まえることはできなかった。
親の顔はもう忘れた。きっと覚えていた時期なんてない。孤児院に置いて行かれて、それきりだ。守ってくれるものはこの世のどこにもない。自分で自分を守るしかない。代償なしに救ってくれるものなど存在しない。
私はもう、あの街でなんか生きていけない。
「王都に、行けば、」
囁いて、そのまま、私は気絶に近い眠りに落ちた。
「――殿下、なりません! 殿下、」
じゃり、と地面を踏む音と、焦ったような声が聞こえて、浅い眠りから浮かんだ。目を開ける気力すら湧かずに、私はただ頬に砂を感じていた。
「何だか、見捨てておけないんだ」
「殿下御自らこのような人をそれぞれ助けていては、らちが明きませんよ」
「それももちろん、分かってはいるけれど……」
声が急激に近づいた、と思った瞬間、僅かに体を揺すられた。私は抗議の意思を込めて、小さく呻く。
「隊長、この人を馬車まで運んで」
「しかし、殿下……」
「父上には僕が怒られるから。お願い」
それからしばらく、理解できない早口の応酬が続いた。再び意識が遠のきそうになった頃、ふと頬が砂から離れる。誰かに体を持ち上げられたのだ、と、私は薄らと瞼を開いた。涼やかな光が瞼をこじ開ける。いつの間にか朝が来ていたようだった。
朝日の中で、知らない少年が立っていた。艶やかな黒髪を風に揺られるがままにして、静かな眼差しをこちらに向けていた。目が合う。彼は悠然と微笑んだ。
――まばゆい光を背負って私を見据えるその姿は、どこか近寄りがたく神々しいものにも思えた。
***
ふっと、意識が浮上した。直後、騒々しい足音が近づいてくる。
「アルカ! おい、アルカ起きろ!」
凄まじい勢いで扉を叩かれ、私は跳ね起きた。爽やかな朝の光が窓から射し込み、目の前に広がるのは穏やかな室内である。一瞬何が何だか分からなくなり、思考停止する。
「こら! アルカ、早くしないと殿下に怒られるぞ!」
……でんか? でんかって何だっけ…………。
「……で、でで殿下ぁ!?」
私は叫んで、布団を蹴り飛ばした。
「おっ起きたな!? アルカ、隊長はもう半刻も前に起きているぞ!」
扉の向こうから先輩が叫ぶ。その言葉に、私は声にならない叫び声を上げた。
「大変申し訳ございません!」
ほとんど転がり落ちるように階下の食堂へ向かうと、のんびりとした様子で朝食を食べている隊長が呆れた表情で私を見た。
「自分で昨日『下っ端としては、やっぱり隊長より半刻は早く起きなきゃですよね』と言っていたのにな」
「いや……はい、そうです。ごめんなさい」
私が肩をすぼめると、隊長はけろりとパンにジャムを塗りながら言い放つ。
「構わないぞ。実は俺は今日、いつもより一刻早く起きている」
私は思わず膝から崩れ落ちかけた。先輩を振り返ると、満面の笑みで親指を立てられる。
「焦らせてやったおかげで、きちんと目標の時間に早起きできただろ?」
「やりかたがえげつないです」
私は唇を尖らせて椅子に座った。何だ、昨日立てた目標の時間にきっちり起きられたというのに、あんなに焦って準備をさせられたのか。はぁ、と息を吐いてぐったりと背もたれに体を預ける。
綺麗な食堂だ。流石、殿下の行幸に使われるお宿だけある。天井は高いし、照明は何やら複雑にきらめいていた。のんびりと周囲を見渡す私に、歩いてきた先輩が首を傾げる。
「アルカ、この食堂は自分で食べ物を取ってこないと何も食べられないぞ」
山盛りの皿を手に、先輩が食堂の奥を指し示した。思わず頬が引きつってしまう。
「……さ、最初から分かってましたけどね!」
ばつが悪くて、私は勢いよく立ち上がると早足で食堂の奥へ向かった。背後で先輩の高笑いが聞こえた。
「それにしても、アルカが託宣人とはなぁ」
「ま、まだ分かりませんよ」
先輩がしみじみと頷きながら言うので、思わず反論してしまう。先輩は全く信じていない表情で眉を上げた。
「いや、確定だろう」
隊長がコーヒーに角砂糖を落としながら話に入ってくる。
「知らないだろうが、お前を初めて見つけたときの殿下は凄まじかったんだぞ」
え、と首を傾げた私の横で、先輩が身を乗り出した。「噂には聞いてましたけど、本当なんですか?」と、楽しげな表情だ。……噂って何だ? 隊長は頷いて、コーヒーにミルクを注いだ。
「馬車を止めろの一点張りで、いざ近づいてみれば何が何でも連れて帰ると強固に言い張って……。本当にあのときは弱った」
先輩ははしゃいだ様子で腕を組む。
「ひゃー、じゃあやっぱりその頃から託宣人だって勘で分かってたんですかねぇ」
「そうかも知れないな」
私の話だろうに、何となく蚊帳の外だ。居心地の悪さを覚えながら、私は黙々と朝食を口に運んだ。
殿下が朝食を食べているのを少し離れたところから監視しながら、私はこっそりとため息をつく。思い出してしまうのは、先日神官長に言われた言葉だった。
――どうやら、託宣人と近衛を両立するのは難しい、らしい。ゆっくりと反芻しながら、私は左腕にある腕輪の感触を意識した。
殿下が私を託宣人と判断し、神殿の司祭も『間違いないですね』と頷き、それでも私はぶっちゃけ受け入れられなかったので腕輪を作った職人に訊いてみたものの、職人さんにも笑顔で『確かに、これは私が作ったものです』と答えられてから、早数ヶ月が経った。
そろそろ諦めもついてきて、自分で託宣人についても調べ始めた。けれど、私に読めそうな本はどれも曖昧な言い方ばかりだ。殿下も『託宣人には色々な在り方があるからね』と微妙な反応で、困ってしまう。
訊いても、良いのかな、と、私は殿下の横顔を眺めながら考えた。
殿下のお側で、これからも剣を握っていてもいいですかって、訊いても良いんだろうか。
「アルカ」
「はい、」
狙っていたかのようなタイミングで振り向かれ、思わずその場でよろめいてしまった。手招きされるがままに歩み寄ると、殿下は苦笑交じりに私を見上げる。
「どうかした?」
いきなりの問いに、私は首を傾けた。
「えっと……?」
「さっきから、何か言いたげな顔をしていたから」
殿下ほどになると、人の表情で何を考えているのかも分かるのか……と密かに驚愕しながら、私はへらりと笑った。
「何でもないです」
そう答えると、殿下は一瞬顔を曇らせてから、「そっか」と頷いた。
***
殿下の神託が下り、託宣人――ちなみに多分私のことだ――も見つかり、私たちは託宣人の正式な認定のために大神殿へ向かっていた。大神殿のある聖都まではおよそ四日程度の日程で、気候も良いことから、良い旅になる予感はしていた。
「気持ちいい風ですね」
手綱を軽く右に引きながら、私は馬車の中の殿下に声をかけた。窓から顔を覗かせた殿下は、目を細めて風を受けてから、大きく頷く。私は左を向こうとする癖のある馬を頻繁に御しながら、遠くの地平線を見やった。
この辺りは短草草原がどこまでも続く、のどかな地帯だ。緩やかな風が時折吹き抜ける、穏やかな午前だった。――あまりに穏やかすぎて、泣きそうだ。
「殿下、」
私は、小さく呟いた。聞き取って貰えなくてもいいと思ったが、殿下は馬上の私を見上げて「ん?」と促すように首を傾ける。その視線を受けて、私は少し躊躇いがちに口を開いた。
「殿下が、私を初めて見つけて下さったとき、その……」
私は言葉を選びあぐねて目を伏せる。殿下は急かすことなく、じっと私の言葉を待っていた。
「隊長を振り切ってまで、私を拾いに来たというのは、本当ですか?」
殿下は窓枠に頬杖をついて、しばらく遠い目をしてしまった。ややあってから、私を見上げて「それ、誰から聞いた?」と微笑む。
「隊長ご本人です」
「へえ……分かった」
殿下は数度大きく頷くと、今までにあまり見たことのない表情で後頭部を掻いた。ちらと見えた耳が赤くなっているのを見て取って、私は首を傾げる。
「今朝ですね、殿下の夢を見たんです」
馬車と併走しながら、私は少し息を跳ねさせながらそう言った。殿下は目を見開いて私を凝視した。信じられないと言わんばかりの表情である。
「一体、どんな夢を?」
「殿下に、拾って頂いたときの夢です」
私はゆったりと口元に笑みを浮かべながら告げる。殿下は体の緊張を解いたようだった。
「……まるでこちらが夢のようです。こうして、今も殿下と一緒にいられるなんて」
風が頬を撫でる。かつて私を苛んでいた空腹も、孤独も、痛みも、どこか遠くのもののようだった。地平線の向こうに薄らと浮かぶ稜線は青々としていた。どうしようもない、馬鹿みたいに開けっぴろげで爽やかな日だった。
「私、これからも殿下のお側にいられるんですよね」
言外に左手を少し持ち上げると、殿下はじわりと破顔する。
「アルカと一緒にいられて、僕もとても嬉しいよ」
その言葉に、私は思わず、へへ、とだらしない笑みを漏らしてしまった。殿下は窓枠に寄りかかったまま、風を受けるがままに頬を緩めている。
「アルカも馬車に乗ればいいのに」
休憩の為に馬車が止まり、私も馬から下りて伸びをしたところに、殿下が歩み寄ってきた。その言葉に、一瞬胸が冷える。
「アルカはもう託宣人なんだから、馬車に乗って移動しても良いんだよ。馬で移動するのは疲れるでしょう」
殿下は気遣わしげにそう言った。その言葉に嘘はなかった。馬に乗るのは疲れるし、馬車に乗ればもっと楽なのも、馬車の中はまだ空きがあって私も乗れそうなのも、きっと私にはその権利があるのだろうということも、分かっている。
うーん、でも何だかなぁ……と、私は殿下の目の前であるにもかかわらず、腕を組んで空を仰いでしまった。
「……でも、そうしたら、私が今乗っているこの子が空いてしまいますから」
少し躊躇ってから、私は馬の首を撫でつつ笑顔でそう答えた。殿下は一瞬目を細めると、「そっか」と頷いた。
***
聖都に入ると、わっと歓声が広がった。馬が耳を動かすのを見て、落ち着かせるように軽く首を叩いてやりながら、私は周囲を見渡す。遠くの丘の上には一際背の高い大神殿がそびえ、それを中心にして道が広がっているようだった。何とも整然として綺麗な街である。目抜き通りの両脇には人々が並び、私たちを見上げていた。
「流石、大神殿のお膝元だな」
「そうですね」
街に入るために、きっちりと隊列を組んで進む傍らで、隣の先輩が目を細めながら声をかけてきた。私は頷き、王都の様子を思い出す。王都はここまで大きくはないし、綺麗でもない気がした。
違和感の正体を突き止めて、私は先輩を横目で振り返る。
「聖都には、その……貧民街みたいなものは、ないんですか?」
かつて王都の外周に広がっていた貧民街も、長い年月をかけて徐々に縮小してきてはいるものの、未だにそこで困窮している人も多い。しかし、聖都ではそのようなものは見かけなかったし、入ってすぐにこの活気だ。
先輩は斜め上を見上げて「うーん」と唸ると、肩を竦めた。
「聖都は、排他的な節がちょっとあるからなぁ」
「……排他的、ですか?」
聞き返すと、先輩は頷いたが、それ以上補足しようとはしなかった。
丘を登り、私たちは大神殿の前の広場で停止する。淡い色をしたモザイク模様の石畳の上に降り立ち、私は手綱を握ったまま背筋を正した。
少し経ってから、馬車の中から殿下が姿を現す。悠然とした動きで地面に足を下ろすと、すっと広場を見渡した。その途端、ざわついていた広場が一瞬にして静寂に満ちた。大神殿から出てきた人と何やら言葉を交わし、それから殿下は私の方を振り返る。手招きこそしなかったものの、くいと首を傾けて、何か言いたげな様子である。
「え、私……?」
「手綱持っててやるから、行ってこい」
まさかここで呼ばれるなんて、聞いていない。私は先輩に手綱を手渡し、見苦しくならない程度にきびきびとした早足で殿下の元へ向かった。
「お呼びでしょうか」
「いきなりごめんね」
身を屈めて殿下に囁くと、殿下は控えめな微笑みで私を見上げた。
「こちらが、殿下の託宣人でございますか」
殿下と先程挨拶らしきものを交わしていた男性が、私を見ながら殿下に微笑む。白い髭が特徴的な、長身の老人だった。身に纏っている法衣はほとんど白一色で、眩しいくらいだ。
「はい、そうです」と、殿下が目線で私を促す。
「アルカ・ティリと申します」
殿下にならって私はすっと姿勢を正したまま、軽く頭を下げた。まさかこんなところで心の準備もなく挨拶させられるとは思っていなかったので、心臓はひたすらに高鳴るばかりだ。
それで、一体この人は誰なのだろう、と上目遣いで伺うと、彼はにこりと笑みを深めた。
「私は大司教という役についているだけの、ただの老人ですよ」
「だっ……だい、大司教……さま……!?」
思わず一瞬礼節を空の彼方に放り捨てて、顔を引きつらせたままよろめいてしまう。よく分からないが、確か、神殿組織における最高位だった気がする。国中の神殿の頂点に存在する大神殿の、最高位。あまりに恐れ多くて、私は言葉を失った。
「ああ、そう緊張なさらず。私とて徒人でしかありませんから。神の下で生きる民という意味では、皆平等ですよ」
柔和に目元を緩めてそう言うが、私は体を硬くしてぎこちなく頷くことしかできなかった。
「僕も、まさかあそこで紹介させられるなんて思わなかったんだよ。本当にごめんね」
「んん……! ほんとにもう、緊張しましたよ……」
ぐったりと机に突っ伏しながら、私は呻いた。あんな衆人環視のもと、旅をしてきたそのままの格好で、偉い人に挨拶するだなんて、聞いてない。絶対粗相があったはずだ。そうに違いない。
「ごめんってば」
机の向かいに座った殿下が、天板に額をつけて呻く私の頭にそっと触れた。後頭部を数度柔らかく撫でられながら、私は唇を尖らせる。
「……子供扱いしないでください、」
「嫌だった?」
「別に……嫌じゃないですけど……」
顔を上げると、いつも通りの殿下が妙にご満悦で頷いていた。
本当なら、私も今は部屋の外で警備にあたる予定だったのだけれど、神殿側の強固な反対により、殿下と一緒に豪華な応接間に入れられていた。居心地が悪くてもぞもぞしてしまう。
「これから、託宣人の正式な認定でしたっけ」
机に突っ伏していた地点が息で曇ってしまっていたので、さりげなく袖で擦って隠蔽しながら、私は殿下に話しかける。
「そうだね。もうすぐかな?」
私がせっせと証拠隠滅するのを眺めながら、殿下が頷いた。バレていた、と私は耳を赤くして頬を掻く。
「殿下、」
私は殿下を伺いながら、おずおずと口を開いた。部屋の中を見回して暇そうにしていた殿下は、すぐに私を振り返る。
「私は、託宣人になったら、どうなるんですか?」
「どうなるか、かぁ……」と、殿下は少し困ったように呟いた。
「答えづらい質問をしてごめんなさい。……やっぱり良いです」
ぼそぼそと告げると、私は堪えきれずに俯く。俯いた視線の先に殿下が手を出してきて、軽く机を手のひらで叩いた。
「良くないよ。何か思っていることがあるなら僕に聞かせて、アルカ」
殿下は眉を顰めて、私から目を逸らさずに真剣な表情をしていた。私は一瞬たじろぎ、それから唇を噛む。
「……殿下は、私がこの先も殿下の護衛でいることには、反対ですか?」
思いのほか弱気な声が出て、自分でも驚いた。殿下は息を飲み、躊躇うように口を開閉させる。
「神官長に、言われたんです。殿下の護衛官と、託宣人を両立するのは難しいって」
腰に佩いたままの剣をぎゅっと握りしめ、私は視線を落とした。殿下は言葉を選ぶように顎に手を当てる。
「今も、こうして私、殿下の近衛の持ち場を外されて、……これじゃあ私は、一体殿下に何ができるんでしょう。殿下をお守りする任を解かれて、それで私はどうやって、殿下にこのご恩をお返ししたら良いのか、分かりません」
ぽつぽつと言葉を落とす私を、殿下は言葉を失った様子で、じっと見つめていた。長い沈黙のあと、殿下は短く息を吸う。
「――僕は、」
そう言いかけたところで、扉が控えめに叩かれた。扉が薄く開かれ、「大司教様です」と声がかけられる。私は振り返り、息を吐いた。
「この話は、またあとでしよう」
殿下は立ち上がりながら私に言った。私が頷くのと同時に、殿下は扉に向かって「どうぞ」と声をかけた。
全三話です。