表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/84

75_シナリオクラフト系のシステムはシンプルを信条としましょうね。

 「宇宙人とかの存在はどうなるのでしょうかね?」トムさんがきになることが一つあるのですが、と問いかけます。

「そりゃあ、いるんじゃないか?宇宙は広いしな、というか、いるよなこの世界。そう設定されているし」あっさりと、霧の向こうのロマンを暴露する、情緒ないタケルさんでございます。

「ええと、宇宙人ってなんでしょうかね?」あかねさんが基本的な問いかけをします。

「そうじゃな、この場合、この惑星、星に住んでいる以外の生命体で、意思の疎通は表面上可能なものとするかの?ギミックとしてこちらの文明を襲うような脅威とかに位置付けられたりもするの」テーブルトークRPGの神様が言いました。

「意思の疎通が不可能な、怪物というか、害虫というか、危険生物とかそれに準ずる現象とかな場合もありますけれども、ええと、異星人というのが正しいのでありましょうか?」トムさんが話しを続けます。

「……まあ、いるな。基本宇宙そのものを作りだしたのが、前の神様であるからな、その情報もあるし、適度に更新している、リアルタイムで接触してきそうな、距離感を保っているのはいないけどな」タケルさんが補足します。

「火星人とかいないのですかね?というか必要ありませんかね?」

「ラジオドラマでもしてろや」


 「銀河連盟とかないんですよね、こう取り残された辺境の惑星ネタというのも面白そうだとは思うのですけど」トムさんが言います。

「汎銀河とかで活躍するような宇宙的な組織がすでにあるなら、望遠鏡やらなんやらですでに観察ができているんじゃないかの?」テーブルトークRPGの神様が冷静に指摘します。

「正直、光速を超えた情報伝達方法がなければ、神様って、世界の管理とかできそうにないと思うのですけど、そのあたりどう処理しているのでしょうか?」あかねさんが、世界の広さを確認しつつ、質問を投げかけます。

「まあ、正直光の速さ程度は超えなければ神様としてやってられねーよな?」同意を求めるタケルさんです。

「基本ですよね」さらりとトムさん。

「基本じゃな」意外とテーブルトークRPGの神様。

「なるほど、神様の定義の一つに光速の突破とかありそうですね」あかねさんが納得します。


 「まあ、宇宙人、必要なら引っ張ってこれるわけではありますけど」トムさんがさらりと驚愕発言です。

「可能か、不可能かで言えば可能なのだよなぁ」タケルさんも肯定します。

「設定を付け加えるだけじゃしの、こう、神様的な力で、実はこうじゃったのじゃよ、とか言っとけば万全」いい笑顔ですね、テーブルトークRPGの神様。

「そういう設定をどうにでもできる力というのも神様に必要な要素なのでしょうか?」あかねさんがちょっと引きながら尋ねます。

「十分ではあるけど、必要ではない、ですかね?それができなくても、神様であるという存在は、ありますし?」トムさんがちょっと補足します。

「そうそう、こう、そこまでの力はないけれども、人間よりはいろいろとできます的な?庶民的な神様といえばいーんかな?」タケルさんが補足します。

「庶民的なというとなんじゃが、権能、つまりはできることが限られている神様というのも、まあ、珍しくはないんじゃないかの?」わしも結構その口じゃし、とテーブルトークRPGの神様が続けます。

「結構なんでもできそうな、気がしますが?テーブルトークの神様は。というか、結構好き勝手してませんでしたか?」あかねさんが首をひねりつつ、過去の無体な惨状を思い返していきます。

「制限として、プレイヤーが、楽しめるか否かというものがあるからの、わしの権能は。あまり無体な事をしてしまうと、そもそも存在自体が維持できんじゃろうし」

「……なんでまだ存在しているのでしょう?」あかねさんが真剣に疑問に思っているようでございます。

「泣いてもいいかの?」


 「能力を振るうために、何らかの制限があったとしても、その能力が大多数の存在から隔絶していたならば、それは神様たり得るということなのでしょうかね?」トムさんが探っていきます。

「逆に、制限がなかったら、神様ではない、とかは言えねーかな?いや、それはそれで全能の神とかいう言葉もあるし、イメージ通りか?」自問自答しているタケルさんでございます。

「そもそも、神が全能であったのならば、このような議論は必要ないとも言えるぞ?なんせわし神だし」これほど確かな根拠があるであろうかと、胸を張るテーブルトークRPGの神様であります。

「……これが神でない可能性も否定できないのではないでしょうか?」あかねさんが相変わらず酷いことを、笑顔で言い放ちまして、落ち込む神様でありました。



 「全能という言葉は、失敗することができない、というこう奇妙にも聞こえる現象の表現で、否定することができるようですが?」トムさんがそもそも全能というのはありえないのでは、と階を作ります。

「詭弁であるといいきれないような気もするけどよ、じゃあ、意図した失敗ができる存在なら神様っぽいのか?という話か?いや、失敗をするようなものが完璧とは言えないので、矛盾するわけか?」思考実験をしてみるタケルさんでございました。

「全知全能の神様は存在するけれども、それを認識できない、可能性もあるのう」緑茶もあるのじゃな、注文しても良いかの?と尋ねながら、テーブルトークRPGの神様が言います。

「なるほど、ボケているのですね」幅広いメニューですね、と感心しながら、的確に扱き下ろすあかねさんであります。

「ああ、つまり全知全能という意味がすでに認識できないわけですか、全てが揃っているので、何かをする余地がない、という感じですかね?」インスピレーションを受けましたよ、と頭上に電球を灯してみる、トムさんでございます。

「演出が古いなおい」タケルさんが突っ込みます。

「LEDですよ?」

「そういう問題じゃねーよ!」


 「想像した瞬間にそれは存在するわけでありますから、全知全能という概念が生まれた瞬間にそれはどこかにあるんでありましょうね。しかし、誰も全知全能という言葉の意味を知らない、定義できないので、存在を感じられない、センサに捉えることができない?のでしょうかね?」トムさんが疑問点をまとめようとします。

「定義できなくても実物を捉えることができる、ものはあるよな?その展開は無茶が過ぎる意見じゃないか?」反論するタケルさんです。

「いやそもそも全知全能であるならば、それが観測されない、という事象も含まれてしまうわけじゃからの、むしろ確定できないからこそ存在する証拠にもなるわけじゃろ?」テーブルトークRPGの神様が、老獪に笑います。

「矛盾だらけですね」あかねさんが呆れて言います。

「矛盾しかないのが、全知全能ということでありましょうかね?」トムさんがまとめてしまいます。


 「全知全能の神様って、何をされているのでしょうか?」あかねさんが素朴な疑問を投げかけます。

「単独で完結している可能性が高いわけですよね、その存在というものは」トムさんが前提から推測します。

「そうだろうな、何せ、全てを内包しているわけだしな。他、というものがあるのか?そもそも、自、というものを認識できるのか、必要があるのか、あー、全知であるということは、それは知っているけれども、全てを知っているということは全てにおいて意味をなさないということでもあるのか?」言葉遊びにしかなんねーな、と笑うタケルさんでございました。

「ゲームマスターも、プレイヤーも、一緒に兼ねているようなもんじゃろ?なら、一人プレイで延々と遊ぶスタイルを貫いているんじゃないかの?」テーブルトークRPGの神様が、らしく指摘します。

「……ただの寂しい奴じゃねーか!嫌いじゃねーけどよ!」タケルさんが突っ込みます。

「意外に楽しそうですね」あかねさんがちょっと想像して、うっすらと笑います。

「楽しいのですか?」トムさんにはちょっとわからない感覚のようでありました。



 「では、全知全能の神様は、一人遊びが趣味で、シナリオを自作して自分でクリアするような存在で、他に影響を及ぼさないファクター、ということで、決定しましたね」トムさんがまとめます。

「……それはそれで、本当にいいのですかね?という不安がありますが?」あかねさんが、どこかで間違えたような気がしますというような口調で言います。

「社会不適合者っぽい響きだな、おい」それでいいのか全知全能、と、突っ込むタケルさんでございます。

「親近感がわくのう」しみじみ言うのは、テーブルトークRPGの神様でございました。



 「観察可能は範囲に存在する神様というのは、何かしらの欠点、欠けているものがあるから見える、ということなのでしょうかね?」トムさんが神様の定義付けを進めていきます。

「欠点しかない存在も神様と言ってしまってよろしいのでしょうか?」あかねさんが、緑茶を飲んで、少しむせている存在をちらりと見ながら尋ねます。

「どこか一つでも、隔絶した能力があれば、まあ、神って名乗ってもいいんじゃないか?」タケルさんがフォローしてみます。

「自称、神、とか胡散臭すぎる上に、結構なジョークでもありそうなのですが?」ちょっと冷たい目をしているあかねさんであります。

「結構、神というのは、理不尽な存在でもあるから、それはそれでありなのではないでしょうかね?」トムさんが答えます。

「何の話じゃったかの?」とぼけているのか素なのか、よく分からないテーブルトークRPGの神様でありました。


 「神に近い能力がある私ですけど、制限としては、本来の神様にはスペック的に及ばないというものがありまして」トムさんが自分の能力を分析して語り始めます。

「そうなのですか?何度か神様を超えているような行動をしていたような憶えががるのですけれど?」あかねさんが不思議になって尋ねます。

「そこはそれ、人間らしく?知恵?と勇気で?」疑問系のオンパレードで応えるトムさんです。

「そこは絶対違うだろ!悪辣なまでの詐術やら、意識の埒外からの狂気的な一撃やら、常軌を逸した精神構造からの、異様なまでにおぞましい、なにか、を例のごとく発揮したに違いないね!というか疑問系で発言しているという事実から、自分もそれを信じてないだろ!?」怒涛のツッコミ、タケルさんでありますが、苦労していたのですね。

「ひどいなあ、一応僕、属性勇者なんだよ?」トムさんが爽やかに笑いながら、コメントいたします。

「そこが聞きたかった、何でこいつが勇者なんだよ?!」矛先がテーブルトークRPGの神様に向かいます。

「……本当、なんでなんじゃろう〜の〜」黄昏ている、この状況に至る元凶が一端が、遠い目をしながらぼんやりとつぶやいておりました。


 「まあ、時と場合によっては神を殺すこともできる人間(なのか?)というのは珍しいものではないわけですから。能力的には、神様の真似事ができるくらいだという認識でお願いします」トムさん。

「誰にお願いしてるんだ?」タケルさんが、もはや合いの手的にツッコミを入れています。



 「必要とする結果を先において、過程を後から引き寄せる、みたいな行動ができるものが神様と呼ばれる、という定義もありますね」トムさんが話しを元に戻します。

「ああ、あれな。因果律だっけ、そういう感じの物をいい様につじつま合わせるんだよな、感覚的にやってたりするのな、無意識に」タケルさんが同意します。

「真から出る感じですよね。こう、後付けで展開が出来上がっているというか、まあ、過去を改変しているのか、未来を見通しているのかはその時の感触次第?観測する側からの見た目が変化しているだけかもしれませんが」なんとも説明しにくことを言葉にしようとして四苦八苦しているようなトムさんでございました。

「ご都合主義とも言うがな」酷い笑い声を放ちつつ、搔き回すテーブルトークRPGの神様でございました。

「それは、身も蓋もないのでは?」冷静に突っ込むあかねさんでございます。


 「全体の流れをあらかじめつかんでおいて、的確な場所に必要十分な情報を置いておく、というと近いのでしょうか?」トムさんが感覚を説明していきます。

「いや、俺だと、まず確固たる意志が存在して、その結果を導くために、要因があったことになる、というのが近いか?」とタケルさんが言います。

「力技すぎませんか?」

「考えすぎなんだよ」

「つまりはどういうことなのでしょうか?」感覚的に理解できないので説明を求めるあかねさんです。

「そうじゃな、一言で言うと、時間の捉え方が違うのじゃろうかの?」テーブルトークRPGの神様が説明を試みた。

「うん、わからない。というのが、定番なのでしょうか?」しかしその説明はあかねさんには聞かなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ