表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/84

07_シンプルな道具屋。

 「スライムの核は、HPを回復する薬の原料になります。オオガラスの風切り羽根は、矢を作る時に使用しますね。矢の方は、武器防具その他もろもろ作成しますの旦那へ渡せば、コインと交換してくれますよ」

「なるほど、ええと道具屋の?」

「ビルと呼んでくれたら良いだね。道具屋のビル、よろしく勇者さま」

「ではこのスライムの核はどうしたら良いだろうか?」

「核が2個とコイン2枚で、HP回復薬と交換するよ、または、1個コイン1枚と引き換えだ」

「ちなみに、HP回復薬一つっておいくらですか?」

「コイン8枚だね」

「粗利がコイン6枚、結構妥当な値段設定ですね。どのくらい回復するのでしょうか?」

「HPが6点回復するね」

「それは、少し微妙ではありますね」

「まあ、最初の国の、村で手に入る薬だからねぇ」



 「今日は、スライムの核をもう少し稼ぎに行くことにしました、巫女さま」

「了解しました、では、私は、神殿で、食事の用意など家事をしておきます、いってらっしゃいませ勇者さま」

「行ってきます」

「……自然にキスとかしてますね。さすが勇者さまです」

「……昨晩も累積経験点を2点、稼がせてもらいましたので、愛情のパラメータが自然に上がっているのですよ、 あかね さん」

「肉欲のパラメータではないでしょうか?あ、なんだか自分で行って頬が赤くなったのがわかります」




 「さて、累積経験値:85 からのスタートですね。MPは17点ありますから、基本 HP回復の魔法である、 ちょっとした治癒 が5回唱えることができますから、3回使用したら、帰還することにいたしましょう」



 「周囲の草原で出現する怪物モンスターは、スライムと、おおねずみと、オオガラス、の3種ですね。比率的には、7:2:1くらいでしょうか?レベルはスライムが1で、おおねずみが3、オオガラスも3ですか」


 「がんじょうが17あるので、このレベル帯の怪物モンスターからは傷を受けることがほとんでありませんね。命中する確率も6割を超えるし、 ちから も17あるのでほぼ一撃でほふれるます。30回くらい、根を振るだけの簡単なお仕事となりましたね」


 「むしろ、怪物モンスターに出会うために歩く方が時間がかかりますね、さて、そろそろいい時間になりましたし、道具袋も膨れてきましたから、帰還しましょう、

 神の手帳にある、行動の記録から、戦果を確認しまして、


 ・スライムを15匹倒した。(経験点合計15点 15コイン)

 ・おおねずみを3匹倒した。(経験点合計9点 9コイン)

 ・オオガラスを1匹倒した。(経験点3点 3コイン)


 取得経験点27点 累積経験点 85+27=112 点に

 (128点で8レベルになります。後、16点必要です)


 取得コイン 合計 27枚 


 手に入れた、素材水晶。


 ・スライムの核 3個。

 ・おおねずみの肉 1個。

 ・オオガラスの風切り羽根 1個。


 ですね。素材水晶の入手率はスライムで20%くらいですかね?後はまだ母集団が少なすぎるのでわかりませんが、オオガラスはほぼ100%で、おおねずみの肉は50%ほどでありましょうか?」



 「それでは、スライムの核4個と、コイン4枚を渡しますので、HP回復薬を2個くださいな、ビルさん」

「了解だあよ。ほい、では二つ渡すぞい。それで勇者さま、勇者さまは、しばらくHP回復薬を買い貯めるおつもりで?」

「そうですよ?可能なら、9つくらいは欲しいのですよ。回復薬って、日持ちするのですよね?」

「そこは問題ないだね。数年単位で保存が可能だでよ。で、回復薬だけど、時間をかけずに、多めに手に入れる方法があってだな」

「何か裏がありそうな言い方ですね、道具屋のご主人」

「別に犯罪めいたもんじゃなくてだな、この国の西側に自然に出来た洞窟があってだな、そこには洞窟スライムというスライムの亜種が生息しとるんだが、そいつの落とす洞窟スライムの核なら一つで4つほどの回復薬が作れるんよ」

「でもお強いんでしょう?」

「まあ、普通のスライムに比べたら若干?それでも4レベルくらいだけん、今の勇者さまなら余裕でしょうよ」

「……なるほど、少し調べてから、挑戦してみようかな?」

「慎重だあなぁ」

「普通じゃないですかね?そもそも自然の洞窟という時点で危なそうですし?」


 「おおねずみの肉は、意外に美味しいらしい。王妃様が2コインで買ってくれました、というか、ねずみの肉を嬉々として手に入れる王妃さまとか、結構珍しいのではないでしょうか?」


 「武器防具屋へ行ってきましたら、主人は何やら仕入れに出て留守でしたね。一応店番の小僧さんにオオガラスの風切り羽根を買い取ってもらいました、2つで6コイン、何気に、一番稼ぎやすい怪物モンスターかもしれません」



 「ええと、今日の入手コインが、27コイン、もろもろの素材水晶の売り上げで、+8コインで合計35コイン。半分で切り下げて、17コインを国庫に納めて、残り18コイン、回復薬購入費が4コインで差し引き+14コイン、所持金は90コインですね」

「意外に細かいですね勇者様?」

「少し武器防具屋とかも覗いてきたんですけど、100コインくらいで金属製の剣が売ってたんですね、青銅ですかね?とりあえず、それを目指して貯金しているのですよ」



 「というわけで、西の洞窟について情報を集めて、探索の準備をしてみようかとか思うのですけど、どうでしょうか?巫女さま」

「西の洞窟ですか、歩いて移動できる広さの通路っぽいところは、それほど迷うほど広くなかったと思いますよ。地下水とかで削られたり、地殻変動とかで亀裂が広がったりして出来た自然窟でしたかね?」

「天然の落とし穴とかありそうです。ケイビングの一式を揃えておいたほうがいいですね。ヘッドライトとかあるんでしょうかねぇ?」

「本格的に攻略する気が、満々ですね、勇者様」

「うっかりと遭難者になる気はないのですよ、巫女様、洞窟を舐める気はありません」

「舐めるのは私だけとか、うまいことを言うつもりですか?」

「……」



 「朝になりましたね、まだ経験点が上がるのですか?勇者様」

「48手ありますからね」

「まだ、数日は大丈夫そうですね」

「累積経験点が114点になりました、では行ってきますね、あかね さん」




 「灯りは松明がいいだね。片手がふさがるけんど、しっかり燃えるように油を染みこませてるから、地面に投げて落としても明るいまんまだで、1本1コイン、6本で5コインだーね」

「頭につけるようなライトはないのかな?ビルさん」

「それは無いだね。ただのヘルメットなら防具屋にあるだよ?」

「そっちは、また後で覗いてみますか」

「次は、一応ロープだね。安くて、重いのと、高くて軽いのがあるよ?」

「頑丈さはどう違うのかな?」

「高いほうが強いだね、材質が違うんじゃね、麻と絹、オススメは絹だーな」

「おいくらですか?」

「麻なら、4メートルで1コイン、絹なら1メートルで2コインだーな」

「ちょっと高い、けど、安全には変えられないかな?」

「紹介しておいてなんだけど、西の洞窟にちょっと入る程度だと、ロープは必要ないとは思うだーよ?」

「一番危険なのは、自然の脅威なのですよ。しかもそれは必ず必要な準備を怠った時に、襲いかかるのです」

「まあ、正論ではあるわなぁ」

「固定器具はハーケン止まりですか、カラビナが無いのは痛いですね」

「なんですそれ?」

「異文化侵略が中途半端だと、この辺りが困りますね。……ああ、基本魔法でどうにかするようなシンプルさを追求しているのかもしれませんね」


 「今更ですけど、MKS単位系なんですね、ビルさん」

「一応王国ごとに、原器が配布されているそうじゃよ?うちの国だと、確か、王妃さまが漬物石代わりにしておったような?」

「なんてことをしているのでしょうか?」


 「今後のことも考えまして、松明6本、絹のロープを16メートル、ハーケン12本とハンマーを購入しましょう」

「へい毎度、5+32+10+6で、53コインですが、まとめて買ってくださったので、50コインにまけておきますぜ、勇者さま、ついでに火打しとか火種とかのセットもつけておきますや」

「所持金が、40コインになりました。ありがとうございますビルさん」

「なあに、その代わり洞窟スライムの核、期待していますぜーよ」

「善処いたしましょう」


 「皮のヘルメットも手に入りましたね、相変わらず店の主人はいませんでしたが。10コインですが、防護に+1点増加するので良かったです。防御点は合計で3点になりました、所持金が30コインになってしまいましたね」



 「日帰りの予定ですから、昼食はいつもの、 あかね さんが用意してくれた弁当でよろしいですね。洞窟まで行く途中の戦闘は、できるだけ避けました。

 オオガラスと一回だけでしたね、風切り羽根は相変わらずドロップしますね。


 ・累積経験点114+3=117(8レベルまで後11点です) +3コイン


 ですね。

 さて、洞窟の入り口ですね。まずは松明に火をつけましょう、火打石と火口箱なんて、生まれて初めて使います、まあ、村で練習はしておいたのですが……」


 「結構時間がかかりましたね、文明の利器、その偉大さが身に染みます。とりあえず、右手に根と、左手に松明ですね、背中のリュックに他の道具を入れまして。出発です。


 松明が一本一時間ほど持つとのことですので、2本切れたら引き返しましょうかね?


 おや?神の手帳が光ってますね。


『お仕事:西の洞窟を探索しよう。

 (報酬:洞窟のお宝っぽいもの 経験点:16点)』


 ですか。渡りに船ですね」



 「単純な道筋ですけど、一応迷わないように、壁とかに記しをつけておきましょう。こう、神殿から持ってきたチョークっぽい何かで、と、

 あれ?何か物音が?

 お?結構あっさり出てきました、洞窟スライムですね。色が多少黒っぽいくらいで、あまり大きさとかは変わらないみたいですね」



 「ふう、どうやら、洞窟スライムの巣だったようですね、6連戦でございました。

 がんじょう が高いので、相変わらずダメージを受けませんでしたが。幸いなことに100の目も振りませんでしたから、無傷の勝利ですね、


 ・洞窟スライムを6体、倒した。経験点合計+24、コイン+24。

 ・累積経験点 117+24=141 (8レベルになりました、次は256点です)

 ・洞窟スライムの核を2個手に入れた。

 ・スライムエキスを1個手に入れた。


 おめあての、洞窟スライムの核を手に入れましたね。

 この、新しい素材水晶は何でしょうか?また道具屋のビルさんに聞いてみましょう」



 「8レベルですね、神の手帳で確認しておきましょう。


 職業:勇者

 レベル:8

 累積経験値:141 (次は256でレベルアップします)

 ・ちから 20

 ・はやさ 19

 ・かしこさ 20

 ・がんじょう 19


 ・HP:39/39(全快です)

 ・MP:20/20(全快です)


 魔法で探索 の魔法を覚えた。


 魔法で探索:周囲の状況を調べます。内容は唱えるものの任意 使ったものの、半径 かしこさ の分メートルが探索範囲です。消費MP1で、1時間持続します。本当に大事なものに気がつくのはその唱えた者の、叡智によります。


 また、便利そうな魔法ですね。色々試してみましょう」


 「怪物モンスターの位置がわかりますね、戦闘を回避したり、不意を打ったりすることに使えそうです」


「地形も把握できますね、もしかするとなれれば暗闇でも移動できますか?あと、障害物を越えて、見えないところの空洞もわかりますね。構造を把握するのにも使えそうです。非破壊検査のいいやつみたいな使い方ができるのですかね?」


 「条件を列挙すると、同時に複数のものを探索できそうですね。基本、生き物かどうかと、地形なのどの物理的な情報が調べられるようですね、面白いです」


 「……あれ?もしかするとこの魔法を習得してから、西の洞窟に来る道筋だったのかもしれませんね?まあ、いいですか、どちらにせよ、各種道具は買っておいたとは思いますし」



 「おや?この亀裂の下に、人の気配がしますね?」


 「人ですよね?おーい、生きてますかー、下の人ー、お、身動きをしましたね、滑落したのでしょうかね?大丈夫ですかー?」

「すまなーい、ちょっと足を怪我していて動けないんだー、わしは国随一の武器屋にして防具屋にして鍛冶屋のジョン・スミスというんだー。助けてくれないだろうかー」

「すごい名前ですね。わかりましたー、ロープを固定して、降りますねー」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ